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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

高精度加工に最適!円筒研削盤とは??

こんにちは!本日は高精度加工にも最適な円筒研削盤について解説していきます!
メリットや注意点など詳しく説明していきますので、是非ご覧ください♪

必達試作人
必達試作人
円筒研削盤について、とくとご覧あれ!

円筒研削盤とは

CNC円筒研削盤

研削加工とは、回転する砥石で被削材の表面を削り取り、求める形状や寸法精度に仕上げていく加工で、切削加工と同じく除去加工の一種です。
被削材の表面を少しずつ削るため、大きな形状変化が必要な場合は適していませんが、精度の高い加工が行えます。

研削加工に使用する工作機械の中でも、円筒形の被削材に用いられるのが円筒研削盤です。
被削材の真円度や外周面の表面仕上げにおいて、高い精度が求められる場合に使われます。

円筒形状の被削材を円筒研削盤で研削加工する場合、通常は主軸台と心押し台で被削材の両端をセンタ支持して加工を行います。
しかし、センタ支持が難しい被削材に対しては、センタ支持を行わずに外周面を研削できるセンタレス研削盤が使われます。

また、砥石の主軸と被削材を固定するテーブルの2つを自由に旋回させられ、円筒研削に加えて内面研削やテーパ研削、端面加工などが行える万能研削盤と呼ばれるものも、円筒研削盤の一種です。

研削方法の種類

円筒研削盤で用いられる研削方法は、「砥石の回転」と「被削材の送り」で種類が分けられています。

トラバース研削

トラバース研削は、研削砥石は切込みのみ行い、被削材を左右に動かして研削を行う方法です。
砥石の幅に対して長尺物の加工が可能で、往復しながら研削を行うことにより面粗度を向上させることができます。

プランジ研削

砥石を動かし、被削材は固定したまま、研削するのがプランジ研削です。
左右の移動がなく、被削材に強く力を伝えられることから、加工効率は高くなります。
ただし、砥石の幅を超える被削材は研削できず、トラバース研削に比べると加工能率で劣ります。
小さい被削材を高効率に加工できるため、量産部品に最適です。

アンギュラ研削

アンギュラスライドやアングルスライドとも呼ばれる加工法です。
砥石の主軸をテーブルに対し角度をつけてセットし、斜め位置から被削材に切込みを行います。
段のついた複雑な形状のものでも、一度の加工で外周面と端面を同時に仕上げることができます。
一方で、高精度が求められる研削には向きません。

使い方のポイント

円筒研削盤を使う上で、高精度に仕上げるために必要なのがスパークアウトという技法です。
スパークアウトとは、加工の終了点で切込みを止めて、そのまま数秒間砥石を空運転させることを指します。
ゼロ距離で砥石を空転させて切残しを除去するスパークアウトを行う事で、研削の寸法精度と面粗さが向上します。

円筒研削盤のメリット

高精度の加工が可能

円筒研削盤は被削材を両端から固定します。
被削材がしっかりと固定された状態で加工するため、センタレス研削盤よりも加工精度を高くできます。
ただし、長尺物や細い被削材は、チャッキングの押し付ける力でたわんでしまい、真円度や精度に影響を及ぼす場合があります。

外周面に溝があっても加工ができる

センタレス研削盤で加工する場合、基準となるのは被削材の外周面です。
そのため、外周面にキー溝があったり真円度が低かったりする場合は、加工に影響を受けてしまいます。
一方で、円筒研削盤は被削材をセンタやチャックで固定して回転させます。
加工寸法の基準は円筒の中心になるため、外周に溝がある場合でも高い真円度を保ちながら加工可能です。
また、被削材の真円度が良好でない場合にも、大きな影響を受けることはありません。

被削材の大きさが変わっても加工ができる

センタレス研削盤は、被削材の大きさが変わった場合に調整が必要な部分が多いため、加工の準備に時間がかかります。
円筒研削盤は汎用性が高く、被削材の形状が変わっても準備にかかる時間は短いです。
工数をかけずに、素早く加工工程に入ることができます。

センタレス研削盤が有利な点

様々なメリットがある円筒研削盤ですが、センタレス研削盤が有利になる場合もあります。
円筒研削盤は、センタやチャックによって被削材の固定が必要です。
取り付けに手間がかかり、芯出しの誤差が生じる可能性もあります。

一方で、砥石で被削材を挟んで支持するセンタレス研削なら、芯出しを行う必要もなく、未熟練者でも操作が可能です。
被削材の取り付けにも時間がかからないことから、量産品の様に同じ大きさのものを連続で加工する際には、センタレス研削の方が生産性を向上できます。

使用される砥石の種類

円筒研削盤が高精度で加工できるのは、砥石を使用しているのも理由の一つです。
砥石とは、「砥粒(とりゅう)」と呼ばれる硬度の高い粉末状の物質を、結合剤で固めたもののことです。
砥粒同士の間には、切粉などをためるために気孔という隙間が設けられています。

砥粒一粒ずつが小さな切刃になり、砥石を回転させて被削材に当てることで、徐々に不要な箇所を削り取っていくのが、砥石の原理です。
摩耗した砥粒は剥がれ落ち、新しい砥粒が表面に出てくるため、ドリルやエンドミルの様に再研磨を行う必要はありません。

刃物における刃部に当たる砥粒は、ダイヤモンド粒子や炭化ケイ素、CBN砥粒などの材質で作られています。
材質に応じて適した被削材が異なるため、用途に応じて砥石を使い分けることが重要です。

注意しないといけない点

円筒研削盤を使って加工を行う際は、びびりや傷、精度不良などの問題が起こることも考えられます。
特に、砥石の選択ミスが様々な問題に直結する可能性があるため注意が必要です。
また、被削材の固定が甘かったり、切削速度が適切ではなかったといった点も、加工精度の悪化につながります。
使用する砥石や機械、加工速度の設定などを検討したうえで、適切な方法で加工を行う事が求められます。

円筒研削盤は加工効率に優れ、前加工の精度や外周の形状に左右されずに加工が行える研削盤です。
特に円筒状の日佐生材に於いて、高い加工精度が求められる場合に適しています。
ただし、加工の際にびびりや傷による加工精度の悪化が起こることも考えられます。
被削材ごとに適切な砥石や回転速度を選定することが重要です。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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