アルミ合金で最も主要なA5052の性質や特徴を徹底解説！！
おはようございます。本日はアルミの中でも代表格である、A5052について性質や特徴を解説していきます！
製造業の方には当たり前の話かもしれませんが、是非お付き合いください♪
A5052とは
A5052は、アルミにマグネシウムを添加した「5000系」に分類されるアルミ合金です。
5000系のなかでも、マグネシウムの含有割合が2.2％～2.8％にあるものを、A5052と呼びます。
Al-Mg系合金(5000系アルミニウム合金)
この合金系は耐食性や溶接性が良いことから比較的種類が多く、広い用途があります。
5052合金のように中程度のMg添加量のものは強度も中程度であり、添加量の多いものは缶蓋材や船舶、車両、化学プラントなどの構造用材として多用されています。
A5052は代表的なアルミ合金で、バランスの良い特性と市場での入手性のしやすさから、さまざまな製品に採用されています。
A5052の特性
強度
A5052は、低温での静的強度と疲労強度に優れており、温度が低いほど引張強度が高くなる特性があります。
一方で、温度が上がると引張強度が低下するため、高温環境下で使う場合は注意が必要です。
A5052は、冷間加工した状態で長時間室温で放置すると、経年劣化を起こすことが知られています。
そのため安定化のための熱処理をして、経年劣化の影響を抑えてから使われるのが一般的です。
耐食性
A5052は、表面に酸化被膜を形成するため、表面処理をしなくても耐食性に優れています。
さらに高い耐食性が必要とされる屋外などの環境下では、アルマイト処理をして使われるのが一般的です。
溶接性
アルミ合金は熱伝導率が高く溶接が難しい材料です。
そのなかでもA5052は、マグネシウムを含有しているため、アルミ合金の中では、比較的溶接がしやすい材料として知られています。
他の金属材料と比べると溶接性は低いため、溶接の際には注意が必要です。
A5052とA5056の違い
5000系のアルミ合金には、A5052とよく似た「A5056」があります。
どちらもアルミ合金にマグネシウムを添加しているため、アルミ合金の中でも近い特性を持ちます。
A5056は、含有しているマグネシウムの割合が大きく4.5％～5.6％程度です。
A5052よりも切削性が向上しており、さらにアルマイト処理の仕上がりも良好です。
一方で、溶接性はA5052のほうが優れています。
製品の用途よりは、切削や溶接などの加工法の違いによって使い分けられることが多いです。
※A5052は、圧延で得られたアルミ合金から切り出されたブロックやプレートが用いられることが多いですが、A5056は丸棒から加工するのが一般的です。
A5052の表面処理
アルマイト処理
アルミ合金は、耐食性向上のためアルマイト処理が行われることがあります。
アルマイトには、通常のアルマイトに加え「硬質アルマイト」や「カラーアルマイト」といった種類があり、目的によって使い分けられます。
A5052はほとんどのアルマイト処理に対応しており、マグネシウムの影響もありアルミ合金の中でもトップクラスの耐食性を持ちます。
アルマイト処理をおこわなくても酸化被膜を生じますが、アルミはもともと傷がつきやすく、傷から腐食が進行してしまう恐れがあるため、外観が重視される製品や傷が多くつきそうな場面では、表面処理を行う必要があります。
めっき
A5052の表面処理はアルマイト処理が一般的ですが、用途によっては「無電解ニッケルめっき」が使われます。
めっき膜の厚みを均一に調整しつつ、ある程度の硬度を確保できる表面処理です。
塗装
A5052は、焼付塗装に対応しており、密着性が高いことでも知られています。
アルミ合金本来の光沢を生かすには、塗装よりもカラーアルマイト処理がおすすめです。
A5052の切削加工のポイント
A5052はアルミ合金の中でも特に切削性に優れています。
アルミ合金に共通する切削時の課題には、溶着などによる仕上げ精度の悪化や、バリの発生などがあげられます。
これらを解決するためには、工具選定や加工方法に注意が必要です。
A5052を切削加工する際のポイントについて紹介します。
ここで紹介しているポイントは、A5052の特性を踏まえた一般的な事例です。
実際の加工では、加工方法や切削条件によってもポイントが異なるため、参考例としてご覧ください。
工具選定ポイント
A5052を切削加工する際は、できるだけ切削抵抗が小さくなるような工具の選定が重要です。
切削抵抗を低く抑えることで、切削時の温度上昇を抑制し、溶着による加工精度の悪化を避けることができます。
切削条件の選定ポイント
切削加工時の温度上昇を抑制するためには、切削条件の設定も重要です。
A5052を含むアルミ合金の場合には、クーラントによる冷却を行いながら高速切削することで、すくい面に作用する摩擦抵抗が低下し、良好な仕上げ面が実現します。
こちらの記事ははじめの工作機械様の記事を参照しております。
A5052を使った加工品の見積り依頼ならアスクへ
試作品や小ロットの加工も大歓迎！
特に手のひらサイズの部品製作を得意としています。
アスクなら、試作品のお見積もりが最短１時間で可能！！
お気軽にお問い合わせください。
試作全国対応！
簡単・最短1時間お見積り
動画の投稿もしておりますので良ければご覧ください♪
