研磨加工とは?加工の種類や手順を簡単解説します。
こんにちは!本日は研磨加工についての記事を書きました! 製造業に携わっている方はご存じのことかもしれませんが、ぜひご覧ください♪
研磨加工とは
研磨加工は、製品の表面仕上げ加工によく用いられる加工方法です。
ざっくり説明すると砥石を高速回転させ、製品に当てることで表面の凸凹や異物を取り除く加工になります。
中でも精度が求められるような製品や、美観が求められるような製品によく用いられます。
ミクロン単位での調整が可能で、表面の凸凹や異物を取り除くことができるため、製品加工でも最終工程で施されることが多いです。
研磨加工の種類
研磨加工には、上記で説明した砥石研磨のほか、たくさんの種類があります。
どの研磨法を選ぶかは、加工物の材質や形状、また表面粗さや仕上げ品質をどの程度求めるかによって違ってきます。
つや出しやバリ取り、エッジ仕上げを目的に研磨加工を施すこともあります。
ここでは、研磨加工の種類について説明していきます。
研磨布紙加工
研磨布紙加工は、固定した砥粒が配列された布や紙で加工物を磨く方法で、固定砥粒加工法の一つです。
わかりやすく言うと、紙やすりで磨く方法のことです。
工業的には、研磨ベルトと呼ばれる帯状の布が主に用いられ、継ぎ目のないわっか状の研磨ベルトをベルト研磨機で回転させ、これに加工物を当てることで研磨します。
砥石研磨
砥石研磨は、回転する砥石に加工物を当てる、または固定した砥石に加工物を当てながら動かすことで表面を磨く研磨法です。
主にサンダーやグラインダーなどの研磨機が用いられ、包丁を砥石で研ぐことも砥石研磨に当たります。
なお、砥石は砥粒を結合剤と呼ばれる接着剤で固めたものであることから、砥石研磨もまた固定砥粒加工法の一つです。
ラッピング研磨
ラッピング研磨は、ラップ盤と呼ばれる台に加工物を置き、砥粒を含んだ研磨剤を介して擦り合わせることで研磨する方法です。
流動する砥粒によって研磨する遊離砥粒加工法に分類されます。
主に回転するラップ盤に加工物を押し付けることで研磨を行います。
平滑化効果が高く、精密に平面を出せることから鏡面のような仕上がりが要求される場合によく採用される方法です。
ポリシング研磨(バフ研磨)
ポリシング研磨は、ラッピング研磨同様、加工物を研磨剤を介して擦り合わせて研磨する方法です。
ただしポリシング研磨では、硬質なラップ盤ではなく、フェルトなどの柔らかい素材を用いて加工物を磨きます。
また、ラッピング研磨に比べてより微細な砥粒を使用することから、より滑らかな鏡面を得ることができます。
ツヤを出したい場合などに、研磨の最終工程として採用することが多い方法です。
バレル研磨
バレル研磨は、大きな容器に研磨剤と加工物を投入して、振動または回転させることでたくさんの加工物をまとめて研磨する方法です。
大量生産向きで、他の方法と比べれば高品質の研磨はできませんが、バリ取りを目的によく用いられる方法です。
電解研磨
電解研磨は、加工物を電解研磨液に浸し、電流を流すことで表面を溶かして研磨効果を得る方法です。
電気分解によって凸部が優先的に溶解する効果を利用しています。
高精度の平面が出せるうえ、他の研磨法では狭すぎて研磨しづらい部分も研磨することができます。
ただし、適用できる金属が限られる、高コストであるなどのデメリットもあります。
その他の除去加工
金属表面の仕上げに使用する除去方法は、研磨加工だけではなく他にもたくさんあります。
加工したい加工物の形状や仕上げたい表面によって、加工方法を使い分ける必要があるので注意が必要です。
①切削加工
弊社所有のボール盤
切削加工とは製品の形状を整えるために、製品を削りだす加工のことを指します。
切削加工は目的の形状に削りだす加工法なので、研磨加工と工程が異なります。
切削加工で使用される機械は、「旋盤」「フライス盤」「ボール盤」の3つです。
切削加工は、製品表面をきれいに仕上げるというより、仕上げたい形状に削りだすような加工方法です。
バイト(刃)を材料に当てて、削りだす加工方法なので当然材料より刃の方が硬くないと加工できません。
切削加工は削りだし加工なので、製品の設計直後の段階で施されます。
加工工程としては最初の方に行われることが多いです。
その後に研磨加工する場合もありますが、外観や劣化を考慮する必要がない部品の場合は切削加工のみで仕上げる場合もあります。
切削加工の工程では粗削りと仕上げがあり、仕上げ加工では一度にたくさんを削るのではなく、切削深さやピッチを細かくすることで、ある程度きれいな表面に仕上げることができます。
②研削加工
弊社所有の平面研削盤と円筒研削盤
高速回転させた砥石で金属を削る加工方法です。
工程の段階としては、切削加工の次の段階で施されることが多く、主に「平面研削盤」「円筒研削盤」「両面研削盤」の3つの機械があります。
研削加工は、切削加工で削りだされた製品をもっと高い精度で仕上げたいときに用いられます。
なぜなら切削加工は、非常に硬く目の細かい砥石を使用するからです。
切削加工とは違い大きく形状を変えるために削りだすことはできません。
しかし製品の表面はなめらかにすることができて、精度を高く仕上げることができます。
今回紹介している3つの除去加工の中で、1番研磨加工に似ている加工方法になります。
ほとんど同じですが、研磨加工のなかでも最初の方に用いるので目が粗い仕上がりになります。
③放電加工
一般的な除去加工では機械加工(旋盤やドリル)といった実態のある刃物で加工します。
一方で放電加工では電気エネルギーによって金属加工を施します。
イメージとしては、削りだすというよりかは抜き出す加工法になります。
加工方法としては、まず電極と加工物の間にアーク放電を放出します。
その後、放電の熱で加工する製品の一部を除去する加工方法です。
他の加工方法とは全く違うアプローチになっています。
こちらの加工方法は、他の除去加工では削りきれないような硬い材料で用いられることが多いです。
研磨の加工手順
研磨加工は大きく分けて4つの工程に分けられます。
用途や材料に応じて細かい工程は変わりますが、大きな流れは変わりません。
①下地
下地はまず、大きな凸凹や異物を除去していく作業です。
この工程はかなり重要で、下地の工程を行わないと最終的な仕上がりに影響してきます。
研磨に使用する砥石は、番手が小さく目の粗いものを選択します。
砥石の番数は基本的に低い方が粗くなっていて、高い方が細かくなっています。
下地の段階では細かく表面を揃えていくというよりは、大胆に削っていく工程になります。
なのでこの段階では、寸法など細かいことはあまり気にせず大胆に削って大丈夫です。
下地のポイント
・製品表面の凸凹や異物を除去する工程
・目の粗い砥石を使用する
②ならし
下地の段階である程度、製品表面が平らになっていればそこまで難しい工程ではありません。
ならしの工程では、ざらざらした表面を文字通りならしていきます。
下地で使用した砥石より、番数が高く目の細かい砥石を使用します。
そうすることによって、ならし工程が終わるころにはほとんど表面は平らになっています。
ならしのポイント
・下地で削った表面をならしていく
・下地より目の細かい砥石を使用する
③つや出し
下地、ならしで、製品表面の凸凹や異物はほぼ取り除くことができます。
続いて製品表面を、きれいに見せるために必要なつや出しの工程です。
こちらは、鏡面仕上げで製品表面をつるつるにするための前段階のようなものです。
ならしの工程で凸凹や異物は除去できますが、それはあくまで製品表面を平らにしただけです。
つや出しの工程では、表面の汚れを除去します。
そのため、使用する砥石はならしの工程よりも目の細かいものを選びます。
バイブレーション研磨やヘアライン加工のように、あえて表面に傷をつける加工方法もあります。
つや出しのポイント
・鏡面仕上げの前の汚れ除去
・砥石はならしより目の細かい砥石を使用する
④鏡面仕上げ
最終仕上げの工程である鏡面仕上げ。
こちらは名前の通り、製品の表面を鏡のように研磨する工程となります。
前までの工程をしっかり行っていれば、そこまで大変な作業ではありません。
番数が高く目の細かい砥石で研磨することはもちろんですが、こちらは番数を少しづつ上げていくことによってより細かい仕上げを行うことができます。
また研磨と言っても砥石ではなく研磨剤を使用するバフ仕上げなどが用いられることもあります。
鏡面仕上げのポイント
・最終仕上げの工程
・製品の表面を鏡のように加工する
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