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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

歯車ってどうやって作るの?種類や製造方法を詳しく解説!

こんにちわ!新人営業のイワタケです!
さて、本日は歯車加工について、記事を書いていきたいと思います!
精密な加工精度が求められる歯車。弊社でも加工可能な歯車加工について、是非ご覧ください♪

必達試作人
必達試作人
歯車などの精密加工は大阪のアスクへ!

歯車加工とは

歯車加工とは、主に金属を素材とした歯車について切削などの加工方法によって歯車形状に成形する加工のことをいいます。
家電や自動車などの機械の内部で、動力部などの重要な位置に使用されることも多い歯車は、複雑な形状をしており高精度な切削加工が必要になります。

歯車はかみ合わせて使用されるため、加工精度が寿命に直接影響します。
精度が高いとスムーズに歯車が連動するため、部品の寿命は保たれます。
しかし、精度が低い場合、歯車が接触するたびに負荷がかかり、最終的に部品が破損してしまう可能性が高まります。

歯車の種類

歯車にはたくさんの種類がありますが、その中でも代表的な6種類について触れていきたいと思います。

①かさ歯車

かさ歯車はベベルギアとも呼ばれ、開いた傘に似た形状をした歯車です。
円錐状の外側に歯を持ち、軸の向きが異なるかさ歯車同士を組み合わせて、回転や動力を伝達するために使われます。

②はすば歯車

樹脂の歯車 歯車

歯車の中心にある軸に対し、歯すじが斜めになっているものがはすば歯車で、ヘリカルギアとも呼ばれます。
歯車同士が接触する面積が大きくなるため、次に説明するひら歯車に比べて歯車自体の強度が高く、作動中も静かであるといった点が特徴です。
産業機械や自動車部品など、大きな負荷がかかりやすい場所で採用されています。

③ひら歯車

歯車 歯車

スプルーギアとも呼ばれるひら歯車は、歯車の中心軸に対して並行に歯すじが入っているタイプで、最もスタンダードな歯車です。
平行な歯車同士を組み合わせることで、動力を伝達します。
比較的容易に製造できるため、様々な場面で多用されています。

④ラック・ピニオンギア

ひら歯車に似たピニオンと直線状の棒に歯すじをつけたラックがかみ合う状態の組み合わせをラック・ピニオンギアと言います。
歯車の回転力を直線に変換することができ、カメラの三脚の高さ調整部などにも採用されています。
ラックはつなぎ合わせて長くして使うことも可能で、一例として製造工場内の搬送装置があります。

⑤ウォームホイール・ウォームギア

歯車

ネジのような歯車のウォームギアとそれにかみ合うようにらせん状に歯がついたウォームホイールは、セットで使用されます。
1段で大きな減速が可能で、かさ歯車よりも静音、コンパクトかつ軽量という特徴があります。

⑥内歯歯車

ひら歯車のかみ合う円筒形、あるいは円錐の内側に取り付けられる歯車を内歯歯車と言います。
内歯歯車は外側の歯車と対で組み込まれ、同方向への回転を伝達する役割を果たします。
歯車装置のサイズを小さくすることも可能で、減速機などで用いられます。

歯車の製造工程

①旋盤加工

バイトと呼ばれる切削工具を使って、材料を回転させながら削り取る旋盤加工を行い、歯車の内外径を決めます。
この段階では、歯すじのない歯車に近い形に仕上がります。

※歯切り盤とワイヤー放電の比較※

株式会社アスクでは、歯車の種類や歯の圧力角、モジュールによって旋盤(歯切り盤)かワイヤー放電で加工します。

■歯切り盤
・加工が速い
・精度は技術者の技術による(アスクは1級技能士が加工します!)
・手動なので付きっきりでの加工となる
・数物でも速度は変わらない

■ワイヤー放電
・加工には時間がかかる(※夜間に動かすことができます)
・精度は安定して出る
・自動なのでプログラムを入れれば加工ができる
・数物の加工速度は歯切り盤と比べると速い

②ホブ盤加工

ホブと呼ばれる刃物を軸に取り付けたホブ盤を回転させ、工作物に押し当てながら歯すじを加工します。
主にひら歯車、はすば歯車、ウォームホイール・ウォームギアなどの加工に使用されます。
ホブ盤は、ホブと工作物をラック・ピニオンの関係と同じように配置し、双方を回転させて加工するため効率的な加工が可能です。
自動車や航空機、建築機械など幅広い産業分野での動力伝達用歯車の加工時に採用されています。

③焼き入れ

歯すじがついた歯車は、一定以上の温度に加熱した後、適切な方法で冷やす焼き入れを行い、より硬く強度の高い部材に仕上げます。
焼き入れには種類があり、工作物の材質などに合わせて選ぶ必要があります。

④研磨

研磨は歯車の仕上がりを決める重要な工程です。
歯車の歯すじに合わせて研磨できるよう、平面研削盤や円筒研削盤など複数の加工機を使って仕上げていきます。

歯車加工で使用される機械

①NC歯車加工機

NC歯車加工機は、数値制御(NC)を搭載した加工機械です。
縦横、高さなどの数値をあらかじめ設定すれば自動的に加工を行ってくれるので、高精度な加工を効率よく実行できます。

また、対象物の素材や用途に応じて、研削を行う刃の送り速度や回転速度の調整が可能です。
NCホブ盤は、NC歯車加工機のなかでも主流で、自動車産業などで採用されています。

②歯切り盤

ホブ盤

歯切り盤は、円柱形などの対象物を歯車の形状に切削する機械の総称です。
ホブという歯を回転させて歯すじをつけるホブ盤のほか、刃物を上下運動させて工作物を切削して歯車を成形するギアシェーパーなどがあります。

歯切り加工

歯車の製造方法である歯切り加工は、主に「創生法」と「成形法」の2つに分かれます。

①創生法

創生法は、歯車の歯を全体的に少しづつ成形する製造方法です。
先ほど説明したホブ盤を用いた加工も創生法に属します。
効率よく歯車を生産できるため、量産品などの製造に適しています。

②成形法

全体をまんべんなく加工していく創生法に対して、歯車の歯を一枚ずつ成形していく方法を成形法と呼びます。
回転軸にフライスという刃物を取り付けたエンドミルなどの切削工具を使って、歯溝を一つずつ切削していく加工です。
一つの歯を加工し終えた後、次の歯を加工するための工作物の適切な位置調節が非常に重要となってきます。

歯車加工における歯すじ調整

歯車の接触が悪く不具合や不快音などが鳴る場合は、歯すじの調整を行います。
その際に用いられる、修正方法として、「クラウニング」と「レリービング」と呼ばれる加工があります。

①クラウニング

クラウニング加工とは、歯車の歯すじ中央部に向かって丸みを持たせる加工です。
中央部に膨らみをつけることで、歯幅端部の悪い歯当たりを防ぐことができます。
その結果、歯車の故障や動作不良を事前に防ぐことが可能です。
クラウニングを大きくすると悪い歯当たりが小さくなりますが、歯すじの強度に影響が出る場合もあるので加工時には注意しておきましょう。

②レリービング(エンドレリーフ)

レリービングは歯すじの両端を適度に逃がす加工方法です。
クラウニングが歯すじを中央部分に向かって丸みを持たせる加工をしますが、レリービングは両端だけを逃がすように加工します。

クラウニング同様に、歯幅端部に悪い当たりが集まるのを防ぐメリットがあります。
レリービングは、クラウニングの簡易処理ともいえる加工です。
そのため、材質や歯車の種類、人的コストの影響により、どうしてもクラウニング加工ができない場合は、レリービング加工を行うこととなります。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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