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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

圧入とは?専用機器やメリットなどのご紹介!

こんにちは!本日は機械的接合の一つである、圧入についての記事を書いていきたいと思います。
その特徴や目的、メリットとは?
製造業の方には当たり前の内容かもしれませんが、是非ご覧ください♪

必達試作人
必達試作人
短納期の精密板金加工は大阪のアスクへ!

圧入とは

圧入とは、部品同士を高い圧力で押し込み、摩擦力や変形を利用して固定する接合技術のことです。
ネジや溶接のような接合方法とは異なり、圧入は部品同士を一体化させるため、外部からの力が加わってもズレにくく、高い耐久性を持つのが特長です。
一般的には、シャフトとベアリング、ギアと軸などの組み付けに使われます。
圧入は、製品の精度や耐久性を高めるために欠かせない加工方法であり、適切な寸法管理と材料選定が成功の鍵となります。

圧入の主な用途

試作品 試作品

圧入は、さまざまな場面で使用されています。
たとえば、自動車部品ではベアリングの取り付けや、電動モーターのローターとシャフトの結合に用いられます。
電子機器では、コネクタやヒートシンクの取り付けに圧入が活躍します。
また、医療機器の精密な部品同士の接合や、航空機の重要部品にも採用されています。
このように、圧入は多様な業界で不可欠な技術であり、製品の高性能化・長寿命化に大きく貢献しています。

圧入の種類と特徴

常温圧入

常温圧入は、部品同士を室温でそのまま押し込んで接合する方法です。
一般的な圧入方法であり、ベアリングやギアの取り付けに幅広く使用されています。
常温圧入には、適切な寸法公差と表面粗さの管理が必要で、隙間が小さすぎると組み付けできず、大きすぎると固定力が不足します。
圧入に必要な力(圧入荷重)は材質や寸法により異なるため、事前の計算や試験が重要です。

加熱圧入

加熱圧入では、外側の部品(例えばハウジング)を加熱して膨張させ、その間に内側の部品(例えばシャフト)を挿入します。
その後、外側の部品が冷えて収縮することで強力に固定されます。
加熱圧入は、大型部品や高い固定力を必要とする場面で有効です。
温度管理が非常に重要であり、加熱温度を適切にコントロールすることで、理想的な圧入状態を実現できます。

冷却圧入

冷却圧入は、内側の部品を冷却して収縮させ、外側の部品に挿入する方法です。
たとえば、液体窒素などでシャフトを冷却し、縮んだ状態でハウジングに差し込んでから常温に戻すことで、強い締結力が得られます。
冷却圧入は、非常に高精度な組み付けが要求される場合や、大きな圧入力を避けたい場合に適しています。
ただし、冷却と取り扱いには高度な管理が求められます。

圧入における注意点と失敗防止策

寸法公差の重要性

圧入では、部品同士の寸法公差管理が最も重要な要素の一つです。
設計段階で圧入のクリアランス(隙間)を適切に設定していないと、組み付け時に割れや変形、逆に緩みが発生するリスクがあります。
公差の設計には、使用する材料の弾性係数や熱膨張率も考慮する必要があります。
また、実際の製造現場では、測定機器による厳密な寸法検査も欠かせません。
設計と製造の両方で、細かい注意が求められる分野です。

圧入力と設備選定

圧入作業には専用のプレス機や油圧機器が用いられますが、部品サイズや必要な圧入力に応じて適切な設備を選定することが重要です。
圧入力が不足すると部品がしっかり固定されず、逆に圧入力が過剰だと部品を破損する恐れがあります。
事前に圧入試験を行うことで、最適な条件を見極めるのが一般的です。
また、作業時には圧入の速度も考慮し、適切な制御を行う必要があります。

潤滑剤の使用と影響

圧入時に潤滑剤を使用する場合、摩擦抵抗が減るため必要な圧入力を下げることができます。
しかし、潤滑剤を使うことで圧入後の摩擦保持力が低下するリスクもあるため、使い方には注意が必要です。
特に高負荷がかかる部品では、潤滑剤の種類や量を慎重に選び、試験データを基に運用を決定します。
潤滑剤の使用有無によって、圧入設計や組み立て手順が大きく変わることもあります。

圧入の事例紹介

試作品

自動車産業における圧入

自動車の組み立て工程では、圧入が数多く使われています。
代表例がホイールベアリングの圧入です。
ホイール周りの回転を支えるこの部品は、ベアリングとハブを強固に結合するために圧入が不可欠です。
さらに、エンジン内部のカムシャフトとギアの固定にも圧入が使われています。
これらは極めて高い回転精度と耐久性が要求されるため、寸法管理と圧入力管理が非常にシビアです。
特に近年は、電気自動車(EV)のモーター部品にも圧入技術が広く適用されており、モーターの効率向上や軽量化に貢献しています。

電子機器分野での圧入

スマートフォンやノートパソコンなど、電子機器の小型・高密度化に伴い、微細な部品の圧入技術も進化しています。
たとえば、基板へのコネクタ圧入は、ハンダ付けを不要とし、接続信頼性を向上させる方法として広まっています。
また、ヒートシンク(放熱板)をCPUやパワーデバイスに圧入固定する事例も増えています。
これにより、熱伝導性を高めつつ、製品の軽量化と組み立て効率の向上が実現されています。
微細な圧入作業では、専用の精密圧入機やカメラによる位置検出技術も活用されています。

医療機器への応用

医療機器分野でも、精密な圧入技術が欠かせません。
人工関節や骨固定プレートなどでは、部品同士の確実な接合が求められ、圧入によって高い一体感が実現されています。
特にチタン合金や高分子素材といった異種材料の圧入には、高度な技術とノウハウが必要です。
さらに、医療機器は人体に直接関わるため、圧入後の信頼性試験(引張試験や耐久試験)が非常に厳格に行われています。
ミクロン単位の精度管理が求められる現場では、手作業と自動化のハイブリッドで圧入作業が進められています。

最新の圧入技術

サーボプレスによる高精度圧入

従来の油圧プレスに代わり、サーボモーターで駆動するサーボプレスの普及が進んでいます。
サーボプレスは、押し込み速度や圧入力をきめ細かく制御できるため、非常に高い精度で圧入が可能です。
また、圧入力や位置データをリアルタイムで記録できるため、トレーサビリティ確保にも貢献します。
これにより、品質保証のレベルが格段に上がり、自動車や医療機器などのハイエンド分野で採用が加速しています。
さらに、異常検知機能も強化され、作業中の微小な異常にも即時対応できるようになっています。

インプロセスモニタリング

最近では、圧入作業中にリアルタイムで荷重-変位データを監視する「インプロセスモニタリング」が一般化してきました。
これにより、圧入中に異物のかみこみや材料の不具合といった異常を即座に検出できます。
従来は完成品を抜き取り検査していたため、不良流出のリスクがありましたが、インプロセスモニタリングによって「異常が起きた瞬間」に検知できるようになり、歩留まり向上とコスト削減に大きく貢献しています。
AI解析を組み合わせた異常予測システムも登場しており、圧入技術は次のステージへ進化しています。

自動化・ロボット圧入

生産性向上と人手不足対策の一環として、圧入工程の自動化も急速に進んでいます。
ロボットアームに圧入機構を搭載し、位置合わせから圧入力管理まで全自動で行うシステムが登場しています。
これにより、人によるばらつきがなくなり、安定した品質の製品が大量に生産可能になりました。
また、ロボットの導入により夜間・休日の無人稼働も現実化しており、工場のスマート化(スマートファクトリー化)を支える重要な要素となっています。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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