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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

ツーリングの仕組みやアダプタの種類をご紹介!

こんにちは!本日は、マシニングセンタなどの工作機械で、主軸と工具をつなぐツーリングについて記事を書きました。
製造に携わる方であれば、当たり前の内容となりますが、是非ご覧ください♪

必達試作人
必達試作人
短納期の部品加工は大阪のアスクへ!

ツーリングとは

ツーリングとは、工作機械に工具を取り付けるための装置や部品の総称であり、製造業において非常に重要な要素です。
工作機械自体が加工動作を担う一方で、ツーリングは工具の精密な固定と位置決め、交換、保持を担います。
これにより、工具が安定して回転・移動し、狙った通りの加工が可能になります。
ツーリングが不適切であれば、振動や芯ブレ、工具寿命の低下などが発生し、加工精度や生産効率に悪影響を及ぼします。
具体的には、ツールホルダー、チャック、コレット、アーバーなどがツーリングに含まれます。
これらを適切に選定・管理することが、安定した加工品質を保つうえで不可欠なのです。

ツーリングの種類と用途

ツールホルダ

ツールホルダーとは、切削工具を工作機械に正確に取り付けるための保持具であり、加工の精度・安定性・効率に直結する非常に重要な要素です。
ツールホルダーにはさまざまな種類があり、それぞれ特性や用途が異なります。
ここでは代表的なホルダーである「BTホルダー」「HSKホルダー」「CATホルダー」「VDIホルダー」の特徴を中心に解説します。

まず最も一般的なのが「BTホルダー(BTシャンク)」です。
BTホルダーは日本国内のマシニングセンタで広く使用されており、テーパー角が7/24(約16.6度)で、主軸との接触面がテーパー部分のみという構造です。
芯出しがしやすく、工具交換も比較的容易で、汎用性が高い点が特徴です。
サイズにはBT30、BT40、BT50などがあり、数字が大きいほど剛性も高くなります。
中量から重量加工まで幅広く対応できるため、製造現場で重宝されています。

次に「HSKホルダー(Hollow Shank Tooling)」は、主にヨーロッパを中心に普及しており、高速・高精度加工に適した構造です。
BTと異なり、主軸とツールホルダーの両方に接触する「テーパー+フランジの同時接触方式」を採用しており、高速回転時の振れを抑えられます。
これにより芯ブレが非常に少なく、工具の長寿命化や高品質な加工が可能になります。
金型加工や航空機部品の加工など、精度が求められる現場に適しています。

アメリカで一般的な「CATホルダー(Vフランジホルダー)」も、BTと同じく7/24テーパーを採用していますが、構造的にはツール引き込み部のネジのピッチなどに違いがあります。
BTとCATは互換性がないため注意が必要です。
CATは剛性に優れており、大型工作機械や重切削に向いています。

さらに、CNC旋盤で使われる「VDIホルダー」は、回転工具(ミーリングツールなど)や固定工具を取り付けるための標準化されたホルダーです。
主にタレット旋盤に使用され、迅速な工具交換と高い剛性を両立しています。
VDIは工具の位置精度が高く、複数工程を一台でこなす複合加工機などでの活躍が目立ちます。

このように、ツールホルダーは加工内容や機械の仕様によって最適なものを選ぶ必要があります。
誤ったホルダーを使用すると、加工精度の低下や工具の早期摩耗などの問題を引き起こすため、用途に応じた正確な選定が重要です。
適切なツールホルダーを使用することで、加工の安定性・効率・精度を高いレベルで実現できるのです。

チャックとコレットの違いと使い分け

コレットチャック ミーリングチャック

チャックとコレットは、工具を固定する部品ですが、それぞれに特徴があります。
チャックは、工具を3つ以上の爪で固定する構造で、ドリルチャックなどが代表的です。
主に回転工具の保持に使われ、小径工具や汎用機械で活躍します。
一方、コレットは筒状の保持具で、工具の軸径に合わせて内径が成形されており、より高い精度で工具を保持することが可能です。
ERコレットやスプリングコレットなどが有名で、CNC機械によく使われます。
コレットは芯ブレを極力抑えたい場面に適しており、高精度加工や微細加工での使用に適しています。
加工内容によって使い分けることで、加工効率と精度を両立できます。

ツーリングの重要性と生産性への影響

加工精度とツーリングの関係性

ツーリングの精度は、加工品の寸法精度や表面粗さに直結します。
たとえば、ホルダーの芯ブレが大きければ、工具の先端が狙った位置からずれて加工され、寸法誤差が発生します。
また、振動が生じることで加工面が荒れるなどの不良につながることもあります。
ツーリングがしっかりと工具を保持し、振れやたわみを抑えられていれば、高い加工精度が得られます。
とくに微細加工や金型加工のような高精度が求められる場面では、ツーリングの性能が加工結果を左右します。
そのため、加工現場ではツーリングの選定やメンテナンスを徹底し、常に良好な状態を保つことが求められます。

工具交換時間の短縮と段取り効率

ツーリングの管理と工夫は、工具交換や段取り作業の効率にも大きく影響します。
工具の取り付けや位置合わせに時間がかかれば、段取り時間が長引き、生産性の低下につながります。
最近では、ATC(自動工具交換装置)に対応したツーリングが普及しており、工具を事前にツールホルダーにセットしておくことで、機械側で自動交換が可能になっています。
また、ツーリング管理システムを活用することで、工具の寿命や使用履歴を把握し、最適な交換タイミングの見極めも行えます。
段取りの効率化は、少量多品種生産や短納期対応が求められる現場では特に重要であり、ツーリングの選定と活用がその鍵を握っています。

ツーリングの管理と保守

定期的な点検と清掃の必要性

ツーリングは精密機器であるため、定期的な点検と清掃が欠かせません。
ツールホルダーやチャックに汚れや切粉、冷却液が付着していると、工具の芯ブレや固定不良の原因になります。
また、内部に錆が生じると、保持力の低下や工具の抜けなどのトラブルにもつながりかねません。
定期的な洗浄と注油、摩耗や傷のチェックを行い、異常があれば速やかに交換することが重要です。
さらに、ツールプリセッターを使って事前に工具長や径を測定・管理することで、機械側での段取りミスも防止できます。
こうした地道な保守管理が、加工品質の安定と生産トラブルの防止に直結するのです。

ツーリングのデジタル管理とトレーサビリティ

近年では、ツーリングにRFIDタグやQRコードを組み込んで、デジタル管理を行う現場も増えています。
これにより、各ツールの使用履歴、保管場所、メンテナンス記録などをデータベースで一元管理できます。
たとえば「どのホルダーで、どの工具が、どの製品の加工に使われたか」を正確に追跡できるようになれば、不良品発生時の原因究明や再発防止が容易になります。
また、デジタル管理により、工具寿命の予測や在庫管理の効率化にもつながり、現場全体のスマート化・効率化を後押しします。
製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の一環として、ツーリング管理の高度化は今後ますます重要になるでしょう。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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