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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

研削盤とは?研削盤や研削加工の種類を解説します!

本日は仕上げ処理の際に使用する研削盤について記事を書きたいと思います!
研削盤の種類や研削加工の種類を解説していきますので、是非ご覧ください♪

必達試作人
必達試作人
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研削盤とは

研削盤は、砥石を用いて金属やセラミックスなどのワーク(加工物)を高精度で加工する工作機械です。
その主な目的は、表面を滑らかにすることや、寸法精度を向上させることです。
加工は主に回転する砥石と、移動するワークとの相対運動によって行われます。
基本的な構成としては、主軸台(砥石が取り付けられている)、テーブル(ワークを載せる)、送り機構(テーブルを動かす)、クーラント装置(冷却・洗浄用液体を供給する)などがあります。
加工中は微細な削りカスや熱が発生するため、冷却機能と安全装置が重要です。
研削盤は他の加工機に比べて非常に高い精度が求められる場面で使用されるため、その剛性や振動対策、送り精度などが極めて重要になります。

研削加工の特徴と用途

研削加工の大きな特徴は、「高精度・高表面粗さの実現」と「硬質材の加工が可能」である点です。
例えば、焼き入れ処理を施した鋼材や超硬合金、セラミックスなど、一般的な切削工具では加工が難しい材料も、砥石を使った研削なら対応できます。
また、研削ではミクロン単位の寸法精度とナノ単位の表面粗さが求められるため、ベアリングや金型、工具、精密機械部品など、高精度を要求される分野で広く使われています。
ただし、加工速度が遅く、砥石の消耗が早い点はデメリットといえるでしょう。
適切な条件で運用することで、その精度と表面品質を最大限に引き出すことが可能です。

研削盤の種類とその特徴

平面研削盤

平面研削盤

成形研削盤

平面研削盤は、ワークの平らな面を高精度で仕上げるための機械です。
主に機械部品の座面や金型の基準面など、フラットな面を必要とする場面で使われます。
テーブルは左右に直線運動し、砥石は回転しながら上下に移動してワークを削ります。
構造的には、テーブルが移動する「ロータリー式」、砥石が移動する「トラバース式」などのタイプがあります。
磁気チャックを使ってワークを固定することが一般的で、固定力が高いため、加工精度にも優れています。
加工面は鏡面に近い品質を得られることもあり、仕上げ加工に適しています。
小型から大型までさまざまなサイズがあり、量産から試作まで幅広い用途に対応可能です。

円筒研削盤

CNC円筒研削盤

円筒研削盤は、シャフトやピンなどの円筒形状を持つワークの外径や内径を高精度で加工するための研削盤です。
ワークを回転させながら、回転する砥石を当てて外周部を削っていきます。
外径加工だけでなく、砥石を変えることで内径研削や端面研削も可能です。
主に自動車部品や機械の回転軸、ベアリング部品など、精度と真円度が重要な部品に用いられます。
NC(数値制御)化が進んでおり、多段階加工や連続生産に対応する高性能な機種も多くあります。
加工中の振動や熱変形を抑えるために、剛性の高いベッドや冷却装置を備えることが一般的です。

内面研削盤

内面研削盤は、穴の内側を精密に加工するための研削盤です。
主にベアリングの内輪や歯車の内径、エンジン部品など、内側の精度が求められる部品に使用されます。
ワークを固定して砥石を回転・移動させることで、穴の内側を研削します。
砥石が小型で高速回転するため、加工時にはバランスや剛性が非常に重要です。
また、クーラントの供給やワークの保持方法も精度に大きく影響します。
内径加工は特に高い精度と真円度、同軸度が必要なため、加工ノウハウや機械の性能が品質を大きく左右します。
自動車や航空機、医療機器など、精密な穴加工が必要な業界で重宝されています。

センタレス研削盤

センタレス研削盤は、ワークを両端で支持することなく、砥石と調整車(レギュレーティングホイール)の間で浮かせるようにして研削する機械です。
これにより、段取りが早く、連続的な量産加工が可能になります。
主にシャフト、ピン、パイプなどの外径加工に用いられ、自動化ラインにも組み込まれることが多いです。
ワークの着脱が不要なため、加工時間が短縮され、量産効率が大幅に向上します。
一方で、セッティングや調整がやや複雑で、精度を維持するには経験と技術が求められます。
センタレス研削は、大量生産が求められる自動車部品や電子部品業界で高く評価されています。

砥石の種類と選び方

砥石の基本構成と分類

砥石は、「砥粒(とりゅう)」「結合剤(ボンド)」「気孔」の3要素で構成されます。
砥粒が材料を削る役割を担い、結合剤が砥粒同士を固定、気孔は切りくずの排出や冷却液の流れを確保します。
砥石は、主に以下の基準で分類されます。

・砥粒の種類(酸化アルミニウム、炭化ケイ素、CBN、ダイヤモンドなど)
・粒度(砥粒の大きさ、粗さ)
・硬度(砥石の砥粒の保持力)
・構造(砥粒と結合剤の密度)
・結合剤の種類(ビトリファイド、レジノイド、メタルなど)
例えば、鋼材の加工には酸化アルミニウム、超硬材やセラミックスにはダイヤモンドやCBN(立方晶窒化ホウ素)が適しています。
また、粒度が粗い砥石は切削力が高く、荒加工向き。
細かい砥石は仕上げ加工に適します。

材料や加工目的に応じた砥石の選定

砥石選びの基本は、「加工対象の材質」と「加工目的」に応じて適切な砥粒と結合剤を選ぶことです。
たとえば、以下のような組み合わせが推奨されます。

・焼き入れ鋼(高硬度鋼): CBN砥石(高硬度・高耐熱性)
・超硬合金・セラミックス: ダイヤモンド砥石(非常に硬い砥粒)
・軟鋼・鋳鉄: 酸化アルミニウム系砥石
・非鉄金属: 炭化ケイ素系砥石(目詰まりしにくい)
また、量産ラインなどでは砥石の寿命や切れ味、コストなどのバランスも重要です。
研削条件(周速度・切り込み・送り速度)に応じて、砥石の硬度や結合度を調整することで、加工効率と仕上げ品質の最適化が可能になります。
最適な砥石を選ぶことで、工具の消耗を抑え、寸法精度や加工時間を大きく改善できます。

研削加工における注意点とトラブル対策

平面研削盤の加工の様子

熱の発生と熱変形への対応

研削加工では、砥石とワークの間に非常に強い摩擦が生じるため、加工熱が問題になります。
この熱はワークに熱膨張を引き起こし、寸法精度に悪影響を及ぼすだけでなく、焼き戻りや熱クラックといった不良を誘発する要因にもなります。
対策としては、クーラント(冷却液)の適切な供給が不可欠です。
ノズル位置や流量を最適化することで、砥石とワークの間に冷却液がしっかり届くようにし、熱の蓄積を防ぎます。
また、断続的な研削(インターミッテント加工)により、熱の蓄積を緩和することも有効です。
機械本体や作業環境の温度管理も、加工精度維持には重要です。

チッピング・ビビり・目詰まりの対策

研削中に砥石の切れ味が落ちると、ワーク表面にチッピング(欠け)やビビり(振動による不規則な模様)、さらには砥石の目詰まりといったトラブルが発生します。
これらは加工面の粗さを悪化させ、最悪の場合にはワークの再加工が必要になることもあります。
これを防ぐためには、定期的なドレッシング(砥石の再成形)とトゥルーイング(形状修正)が重要です。
ドレッシングでは、砥粒の切れ味を回復させ、目詰まりした部分を除去します。
トゥルーイングは、砥石の外形を正確な形に保ち、ビビりの原因を排除します。
また、研削条件(切り込み量、送り速度など)を見直すことで、砥石への負荷を下げ、安定した加工が可能になります。

加工精度と形状誤差の管理

研削加工ではミクロン単位の寸法精度が要求されるため、機械精度だけでなく、さまざまな要素が仕上がりに影響します。
特に注意すべきは「機械の熱変位」「砥石の摩耗」「ワークの取り付け状態」です。
長時間稼働により機械本体が温まり、テーブルや主軸が微細に変位すると、加工精度が狂ってしまいます。
このため、加工前にウォームアップ運転を行い、温度安定させてから本加工に入ることが推奨されます。
また、ワークのクランプミスや、砥石摩耗による形状の乱れも誤差の原因になります。
NC機による自動補正や、加工中のプローブによる寸法測定を活用することで、トラブルを未然に防ぎ、再現性の高い加工が可能になります。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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