タップ加工とは?ねじを切るための基本技術
おはようございます!本日はタップについて解説していきます!
穴あけ加工の一つであるタップ。種類なども含めて紹介していきますので是非ご覧ください♪

タップ加工とは?
タップ加工とは、穴の内側にねじ山(めねじ)を作る加工方法です。
タップと呼ばれる専用工具を使って、下穴にねじ山を切り込んでいきます。
ねじ部品の組立に不可欠な工程であり、ボルトとのかみ合わせ精度や保持力に大きな影響を与えます。
タップは切削タイプと転造タイプに分かれ、素材や用途に応じて使い分けます。
また、CNCマシニングセンタなどによる自動加工にも対応可能で、多品種小ロットから量産まで幅広く活用されています。
タップ加工の用途と重要性
タップ加工は、機械・自動車・電子機器・航空宇宙など、あらゆる産業で使われています。
特に高い締結力が必要な箇所や、分解・再組立を想定する製品には欠かせません。
また、溶接や接着と比べてメンテナンス性が高く、耐振動・耐衝撃性にも優れています。
設計段階でタップ穴の位置や深さが正確に設定されていないと、後の組立でトラブルが起きやすくなるため、設計と加工の連携も重要です。
タップの種類と特徴
切削タップ
ハンドタップ
ハンドタップは手作業用の基本的なタップで、一般的に3本1組(先タップ・中タップ・仕上げタップ)として使用されます。
切削抵抗を分散することで、初心者でも安定したねじ切りが可能です。
比較的柔らかい材料に適しており、低速回転のボール盤や手動ハンドルを使って加工する場合によく用いられます。
ただし、大量生産や硬い材料には向いていません。
スパイラルタップ
スパイラルタップは、切りくずを上方向に排出できる形状のため、貫通穴にも止まり穴にも使用可能です。
特にアルミや銅などの切りくずが絡みやすい材料に対して有効で、加工中の詰まりを防止できます。
高速加工にも向いており、CNC加工機での自動運転に適しています。
スパイラルの巻き方向によって、使用条件が異なるため、選定時には注意が必要です。
転造タップ(ロールタップ)
転造タップは、金属を削るのではなく、押し潰してねじ山を形成するタイプのタップです。
材料に塑性変形を与えてめねじを成形するため、切りくずが出ず、工具寿命も長いのが特徴です。
主に延性のある材料(アルミ、銅、軟鋼など)に適しており、高い引張強度と疲労強度を持つねじが得られます。
一方、硬く脆い材料や鋳物には不向きです。
タップ加工の手順と注意点
下穴加工の重要性
タップ加工において、下穴の径は最も重要な要素の一つです。
下穴が小さすぎると、タップの破損やねじ精度の低下につながり、大きすぎるとねじ山が浅くなって保持力が不足します。
下穴径はタップの種類とピッチによって決まるため、加工前に必ず対応表を確認する必要があります。
また、転造タップと切削タップでは最適な下穴径が異なるため、誤って選定しないよう注意が必要です。
加工中の注意点
タップ加工で最も多いトラブルが「タップの折損」です。
特に細径タップや深い止まり穴で起こりやすく、取り出しにくいため非常に厄介です。
対策としては、適切な下穴径の選定、タップの摩耗確認、切削油の適切な使用、適切な切削速度の設定が挙げられます。
また、自動加工ではトルクリミッター付きのタッピングヘッドを使うことで、過負荷による破損を防止できます。
加工設備と工具選定
手動と自動の加工方法
手動によるタップ加工は、試作品や少量生産、補修作業で主に行われます。
精密な位置合わせや、繊細な操作が求められる場面に適していますが、作業者の熟練度に左右されるためバラツキが出やすいです。
手回しハンドルやタップレンチ、ドリルスタンドなどを使用し、加工中は常に直角を意識して作業することが重要です。
量産や高精度を求める場面では、CNCマシニングセンタやタッピングマシンによる自動加工が主流です。
サイクルタイムの短縮、安定した加工品質、工具管理の容易さなどが利点です。
特にタップ破損検出機能や、リトラクト(戻り)速度調整機能を持つ装置では、故障を未然に防ぐことができます。
加工条件の最適化によって、タップ寿命の延伸も可能です。
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