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試作人のつぶやき

公開日: | 更新日: | 試作人のつぶやき

ウレタンゴムとは?特徴・種類・用途・加工方法をわかりやすく解説

ウレタンゴムは、優れた耐摩耗性と弾性を兼ね備えた材料として、産業機械や搬送設備、自動車部品など幅広い分野で使用されています。
ゴムのような柔軟性を持ちながら、樹脂に近い強度や耐久性も兼ね備えているため、さまざまな用途で採用されている工業材料の一つです。
一方で、「天然ゴムやシリコンゴムとは何が違うのか」「どのような特徴があるのか」「どんな場面で使用されているのか」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
本記事では、ウレタンゴムの基本的な特徴や種類、用途、一般的な加工方法についてわかりやすく解説します。
また、金属加工・樹脂加工を中心に行う株式会社アスクの視点から、図面にウレタンゴム部品が含まれる案件への対応についてもご紹介します。
アスクではウレタンゴムの加工は行っていませんが、ご依頼内容によっては協力会社と連携し、図面通りに製作可能かを確認したうえで対応することがあります。
加工現場に携わる企業としての視点も交えながら、ウレタンゴムへの理解を深めていただける内容をお届けします。

株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
知っているようで知らない加工に関する知識をお届けします!

本記事の内容は、実務の参考情報としてご活用いただくことを目的としています。
素材の特性や加工結果につきましては、細かな条件や環境によって異なるケースがございます。実際の業務に適用される際は、JIS等の公的規格をご確認いただくほか、メーカーや加工業者が提供する各種資料などを併せてご参照ください。

ウレタンゴムとは

ウレタンゴムとは、ポリウレタンを主成分とした弾性材料で、ゴム特有の柔軟性と樹脂のような高い強度を兼ね備えている工業用材料です。
正式には「ポリウレタンエラストマー」と呼ばれ、一般的な天然ゴムや合成ゴムと比較して耐摩耗性や耐荷重性に優れていることから、産業機械や搬送設備、自動車関連部品など幅広い分野で活用されています。
ウレタンゴムの大きな特徴は、「摩耗に強い」「傷が付きにくい」「繰り返し荷重に強い」という点です。
例えば、コンベアのローラーやキャスター、機械のストッパー、クッション材など、繰り返し接触や衝撃を受ける部品では、その優れた耐久性が発揮されます。
金属では硬すぎて相手材を傷付けてしまう場合や、一般的なゴムでは摩耗が早い場合などに採用されるケースも少なくありません。
また、硬さの種類が豊富なこともウレタンゴムの魅力です。
柔らかいものは消しゴムのような弾力があり、一方で硬いものは樹脂に近いしっかりとした硬さを持っています。
そのため、用途に応じて適切な硬度が選ばれており、振動吸収を目的とした部品から、重量物を支える部品までさまざまな場面で利用されています。
さらに、耐油性にも比較的優れているため、油を使用する機械設備や工場の製造ラインでも使用されることがあります。
ただし、すべての薬品や環境に適しているわけではありません。
高温環境や長期間の屋外使用では性能が低下する場合もあり、使用条件に応じた材料選定が重要になります。
ウレタンゴムには、製造方法や原料の違いによって複数の種類があり、それぞれ特性が異なります。
例えば、耐水性を重視したタイプや、耐摩耗性を重視したタイプなどがあり、用途によって使い分けられています。
そのため、「ウレタンゴム」という名称だけでは性能を判断できず、どのような環境で使用するのかを踏まえて選定されることが一般的です。
株式会社アスクでは、主に金属加工や樹脂加工を行っていますが、図面の中にウレタンゴム部品が含まれている案件についてご相談をいただくことがあります。
ウレタンゴム自体の加工は協力会社へ依頼していますが、図面通りの仕様で製作可能かどうかを確認し、対応可能な案件については連携しながら進めています。
そのため、金属部品や樹脂部品と組み合わせて使用されるウレタンゴム部品を見る機会もあり、機械部品の一つとしてその特徴や用途を知ることは、ものづくりに携わるうえで大切だと感じています。
次章では、天然ゴムやシリコンゴム、NBRなどとの違いを比較しながら、ウレタンゴムならではの特徴についてさらに詳しく解説します。

天然ゴム・シリコンゴム・NBRとの違い

ウレタンゴムは工業用ゴムの一種ですが、ゴム材料には天然ゴムやシリコンゴム、NBR(ニトリルゴム)などさまざまな種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています。
そのため、使用する環境や求められる性能に応じて使い分けられています。
ここでは、代表的なゴム材料との違いを見ていきましょう。
まず、天然ゴムは優れた弾性と柔軟性を持ち、繰り返し変形する用途に適しています。
タイヤや防振ゴムなど幅広い製品に使用されていますが、耐油性や耐候性はあまり高くありません。
一方、ウレタンゴムは天然ゴムよりも耐摩耗性や耐荷重性に優れており、摩擦や荷重が繰り返しかかる環境でも性能を維持しやすいという特徴があります。
その反面、天然ゴムほどの柔軟性や伸びを求める用途では、天然ゴムが選ばれることもあります。
シリコンゴムは耐熱性や耐寒性に優れており、高温環境や低温環境でも性能が変化しにくい材料です。
また、耐候性にも優れているため、屋外で長期間使用される部品や食品・医療分野でも広く採用されています。
しかし、摩耗にはそれほど強くないため、摩擦が多い環境ではウレタンゴムの方が適している場合があります。
反対に、高温環境ではシリコンゴムが採用されるケースも多く、用途によって選択が分かれます。
NBR(ニトリルゴム)は耐油性に優れていることから、パッキンやOリング、オイルシールなどに多く使用されています。
油が付着する環境では高い性能を発揮しますが、耐候性や耐オゾン性はあまり高くありません。
ウレタンゴムも比較的耐油性を持っていますが、耐摩耗性や機械的強度ではウレタンゴムに分がある一方、使用する油の種類や環境によってはNBRの方が適している場合もあります。
このように、どのゴム材料にも得意・不得意があり、「この材料が一番優れている」と一概に言えるものではありません。
求められる性能や使用環境によって、最適な材料は変わります。
例えば、耐摩耗性を重視するならウレタンゴム、耐熱性を重視するならシリコンゴム、耐油性を重視するならNBR、弾性を重視するなら天然ゴムというように、それぞれの特徴を理解したうえで選ばれています。
株式会社アスクでは、金属加工や樹脂加工を中心に対応しているため、ゴム材料を選定したり提案したりすることはありません。
しかし、お客様からお預かりした図面にウレタンゴムやNBR、シリコンゴムなどの部品が含まれていることがあります。
そのような場合は、図面の仕様通りに製作できるかを確認し、必要に応じて協力会社と連携しながら対応しています。
図面には使用材料が指定されていることがほとんどであり、その仕様を正確に形にすることがものづくりでは重要になります。
それぞれのゴム材料の特徴を知ることで、図面に記載されている材料名の意味や採用理由を理解しやすくなります。
製品への理解を深めるためにも、各材料の特性を把握しておくことは大切です。

ウレタンゴムが選ばれる理由

ウレタンゴムは、数ある工業用ゴムの中でも幅広い分野で採用されています。
その理由は、単に「丈夫なゴムだから」というだけではありません。
耐摩耗性や耐久性、弾性、耐荷重性など、さまざまな性能のバランスに優れており、多様な使用環境に対応できることが評価されています。
特に大きな特長として挙げられるのが、優れた耐摩耗性です。
機械部品の中には、部品同士が繰り返し接触したり、ワークが何度も擦れたりする箇所があります。
そのような環境では材料が少しずつ摩耗し、寸法変化や性能低下につながることがあります。
ウレタンゴムは一般的なゴム材料と比較して摩耗しにくく、長期間使用できるケースが多いため、交換頻度の低減や設備の安定稼働につながることがあります。
また、弾性と強度を兼ね備えている点も、ウレタンゴムが選ばれる理由の一つです。
柔らかさがあるため衝撃や振動を吸収しやすく、それでいて荷重が加わっても変形しにくい性質を持っています。
この特性から、搬送設備のローラーやストッパー、クッション材、治具など、繰り返し力が加わる部品に使用されることがあります。
さらに、硬度の選択肢が豊富なことも大きなメリットです。
ウレタンゴムは柔らかいタイプから非常に硬いタイプまで製造されており、用途に応じて適切な硬さが選ばれています。
同じウレタンゴムでも、使用する場所や目的によって求められる性能は異なるため、さまざまな仕様に対応できる点が、多くの産業分野で採用される理由となっています。
一方で、万能な材料というわけではありません。
高温環境で長時間使用する場合や、紫外線やオゾンの影響を受けやすい屋外環境では、シリコンゴムや他のゴム材料が採用されることもあります。
また、薬品への耐性も種類によって異なるため、使用環境に適した材料を選ぶことが重要です。
そのため、図面や製品仕様では使用する材料があらかじめ指定されていることが一般的であり、その仕様に沿って製作が進められます。
株式会社アスクでは、ウレタンゴムそのものの加工は行っていませんが、金属部品や樹脂部品とあわせてウレタンゴム部品が図面に含まれる案件に対応することがあります。
その際は、図面に記載された材質や寸法、形状を確認し、協力会社と連携して製作可能かどうかを判断しています。
材料を変更したり加工方法をご提案したりすることはありませんが、図面通りの製品をお客様へお届けできるよう、各工程で確認を行いながら進めています。
ウレタンゴムは、優れた耐摩耗性や耐久性をはじめ、多くの特長を備えた工業用材料です。
こうした性能が評価され、機械設備や産業機械、自動車関連など幅広い分野で活用されています。
次章では、ウレタンゴムにはどのような種類があるのか、エーテル系・エステル系や熱可塑性ウレタン(TPU)などの違いについて詳しく解説します。

ウレタンゴムの種類

エーテル系とエステル系の違い

ウレタンゴムは、原料となるポリオールの種類によって大きく「エーテル系」と「エステル系」に分類されます。
同じウレタンゴムでも、それぞれ得意とする環境や性能が異なるため、使用目的に応じて使い分けられています。
図面や仕様書には「ウレタンゴム」とだけ記載されることもありますが、製品によってはエーテル系やエステル系が指定されている場合もあります。
エーテル系ウレタンゴムの特徴は、水や湿気に強いことです。耐加水分解性に優れており、水分の多い環境や湿度が高い場所でも性能が低下しにくいとされています。
そのため、屋外設備や水を使用する機械、湿気の多い環境で使用される部品に採用されることがあります。
また、低温環境でも柔軟性を維持しやすいという特長があり、寒冷地で使用される部品にも適しています。
一方、エステル系ウレタンゴムは、耐摩耗性や機械的強度に優れていることが大きな特長です。
摩擦が繰り返される環境や、高い荷重がかかる部品では、その優れた耐久性が評価されています。
ローラーやキャスター、ライナーなど、摩耗しやすい部品で使用されることが多く、工場設備や産業機械でも広く利用されています。
ただし、水分の影響を受けやすい性質があるため、湿度の高い環境ではエーテル系が選ばれることもあります。
このように比較すると、「エーテル系は水に強い」「エステル系は摩耗に強い」という違いがよく知られています。
しかし、実際には使用環境や製品ごとに求められる性能は異なり、耐薬品性や耐油性、使用温度なども含めて総合的に検討されます。
そのため、どちらが優れているというわけではなく、用途に応じて適した種類が選ばれています。
また、同じエーテル系やエステル系でも、メーカーやグレードによって性能が異なる場合があります。
配合や製造方法によって硬さや耐久性などが変わるため、同じ名称でも性能が完全に同じとは限りません。
こうした理由から、図面には材料メーカーや品番まで指定されるケースもあります。
株式会社アスクでは、ウレタンゴムの材料を選定したり、種類を提案したりすることはありません。
図面にエーテル系やエステル系などの指定がある場合は、その内容を確認し、自社で対応する金属加工・樹脂加工とあわせて、必要に応じて協力会社と連携しながら製作可能かを確認しています。
ものづくりでは、図面に記載された仕様を正確に再現することが重要であり、材料の種類についてもその一つです。
エーテル系とエステル系は、それぞれ異なる特長を持つウレタンゴムです。
製品の性能を十分に発揮するためには、使用環境に適した種類が選定されています。
図面を見る際には、「なぜこの種類が指定されているのか」という視点を持つことで、製品への理解をより深めることができるでしょう。

熱硬化型と熱可塑性ウレタン(TPU)の違い

ウレタンゴムは、製造方法や性質の違いによって「熱硬化型ウレタン」と「熱可塑性ウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)」の2種類に大きく分類されます。
どちらもウレタンを主成分とする材料ですが、熱に対する性質や加工方法、使用される用途には違いがあります。
熱硬化型ウレタンは、製造時に化学反応によって材料を硬化させるタイプです。
一度硬化すると再び熱を加えても溶けることはなく、形状が変化しにくいという特徴があります。
機械的強度や耐摩耗性、耐荷重性に優れていることから、ローラーやライナー、ストッパー、クッション材など、過酷な使用環境で使用される工業部品に採用されることがあります。
また、比較的大きな製品や特殊形状の部品にも対応しやすく、工業用途で広く利用されています。
一方、熱可塑性ウレタン(TPU)は、熱を加えると軟らかくなり、冷却すると再び固まる性質を持っています。
この特徴を活かして、射出成形や押出成形などの加工方法に利用されています。
成形性に優れているため、大量生産される工業製品や日用品、スマートフォンケース、保護カバー、ホース、ケーブル被覆など、身近な製品にも幅広く使用されています。
また、熱を利用して再加工できるため、製造工程の自由度が高い点も特徴の一つです。
性能面では、熱硬化型ウレタンは高い耐摩耗性や耐荷重性が求められる用途に適しており、TPUは柔軟性や加工性を活かした製品に採用されることが多くなっています。
ただし、どちらにもさまざまなグレードが存在するため、一概に性能を比較することはできません。
使用環境や製品に求められる性能に応じて、それぞれ使い分けられています。
また、図面や仕様書には「TPU」や「熱可塑性ポリウレタン」と記載されることもありますが、「ウレタンゴム」とだけ記載されている場合もあります。
そのため、製作時には図面の材質欄だけでなく、仕様書や支給図面なども含めて確認することが重要です。
株式会社アスクでは、熱硬化型ウレタンやTPUの加工を自社で行っているわけではありません。
しかし、図面の中にこれらの部品が含まれている案件では、図面に指定された材質や仕様を確認し、対応可能かどうかを判断しています。
必要に応じて協力会社と連携しながら製作を進めることもありますが、材料の変更や種類の提案を行うことはなく、お客様から支給された図面に基づいて対応しています。
熱硬化型ウレタンとTPUは、どちらも優れた性能を持つ材料ですが、熱に対する性質や加工方法、得意とする用途が異なります。
それぞれの違いを理解しておくことで、図面や仕様書に記載された材料の特徴をより深く理解できるでしょう。

硬度(ショアA・ショアD)の見方

ウレタンゴムの仕様を確認すると、「ショアA90」や「ショアD60」といった表記を目にすることがあります。
これは材料の硬さを表す「ショア硬度」のことで、ウレタンゴムをはじめとするゴムや樹脂の特性を示す重要な指標の一つです。
同じウレタンゴムであっても、硬度が異なれば触ったときの感触や変形のしやすさ、使用できる用途も大きく変わります。
ショア硬度は、専用の硬度計で材料表面に一定形状の圧子を押し当て、その押し込み量によって硬さを数値化したものです。
数値が小さいほど柔らかく、大きいほど硬い材料であることを表します。
例えば、ショアA50は指で押すと変形しやすい柔らかさですが、ショアA90になるとしっかりとした硬さを感じます。
さらに硬い材料ではショアDが用いられ、樹脂に近い感触を持つ製品もあります。
一般的に、ゴムのような柔らかい材料にはショアA、より硬い材料にはショアDが使用されます。
ショアAはパッキンやクッション材、防振材など比較的柔軟性が求められる製品でよく使用され、ショアDは硬質ウレタンやエンジニアリングプラスチックに近い硬さを持つ材料の評価に用いられます。
同じ「90」という数値でも、ショアA90とショアD90では基準が異なるため、単純に比較することはできません。
硬度は製品の性能にも大きく影響します。
柔らかいウレタンゴムは衝撃吸収性や密着性に優れる一方で、大きな荷重が加わると変形しやすくなります。
反対に、硬いウレタンゴムは耐荷重性や耐摩耗性を発揮しやすいものの、柔軟性やクッション性は低くなります。
そのため、どの硬度を採用するかは、製品の使用目的や設計条件を考慮して決められています。
図面では「ウレタンゴム ショアA90±5」のように、硬度と許容差が指定されていることがあります。
この許容差も製品の品質を維持するために重要な要素であり、図面に記載された仕様どおりに製作することが求められます。
硬度が異なると組み付け性や使用感にも影響するため、材料名だけでなく硬度まで含めて確認することが大切です。
株式会社アスクでは、ウレタンゴムの加工は自社では行っていませんが、図面にゴム部品が含まれる案件では、材質だけでなく硬度や寸法、公差などの指定内容も確認しています。
図面通りの仕様で製作できるかを確認し、対応可能な場合は協力会社と連携して進めています。
硬度そのものを変更したり、別の仕様をご提案したりすることはありませんが、図面に記載された情報を正確に読み取り、製作へ反映することは、ものづくりにおいて欠かせない工程の一つです。
ショアAやショアDは一見すると専門的な表記に感じられますが、材料の特性を知るうえで重要な指標です。
図面や仕様書を見る際には、材質だけでなく硬度にも注目することで、製品に求められている性能をより深く理解することができるでしょう。

ウレタンゴムの特徴

耐摩耗性が非常に高い理由

ウレタンゴムの特長として最もよく挙げられるのが、優れた耐摩耗性です。
耐摩耗性とは、材料同士が擦れ合ったり、物が繰り返し接触したりすることで表面が削れる「摩耗」に対する強さを表します。
工業用部品の中には、常にワークと接触する部品や、繰り返し回転・摺動する部品が数多くあります。
そのような環境では、摩耗しにくい材料を選ぶことが設備の安定稼働や部品寿命の向上につながります。
ウレタンゴムが摩耗に強い理由の一つは、分子構造にあります。
ウレタン結合によって形成される強固な分子ネットワークにより、外部から摩擦や衝撃を受けても表面が削れにくく、形状を維持しやすい性質を持っています。
また、ゴム特有の弾性によって接触時の衝撃を吸収しやすく、局所的な負荷が集中しにくいことも耐摩耗性の向上につながっています。
例えば、搬送設備のローラーやガイド、キャスター、ライナーなどでは、ワークとの接触が繰り返されます。
摩耗が進行すると寸法が変化し、位置決め精度や搬送性能に影響を及ぼすことがあります。
こうした用途では、耐摩耗性に優れたウレタンゴムが採用されるケースが多く見られます。
また、金属よりも相手材を傷つけにくいという特長があるため、製品を保護しながら搬送したい場合にも使用されることがあります。
ただし、「耐摩耗性が高い=どのような環境でも摩耗しない」というわけではありません。
使用する相手材や荷重、速度、温度、表面状態などによって摩耗の進み方は大きく変わります。
さらに、同じウレタンゴムでもエーテル系やエステル系、硬度、配合などによって性能は異なるため、用途に応じた仕様が選定されています。
また、摩耗は材料だけで決まるものではなく、製品の設計や使用条件も大きく関係します。
過度な荷重や偏った力が加わると、耐摩耗性に優れた材料であっても寿命が短くなる場合があります。
そのため、実際の製品では材料の特性だけでなく、使用環境や構造も含めて設計されています。
株式会社アスクでは、ウレタンゴムの加工は行っていませんが、図面にウレタンゴム部品が含まれる案件に対応することがあります。
そうした図面を見ると、搬送設備や産業機械など、摩耗しやすい箇所にウレタンゴムが指定されているケースが見受けられます。
材料を選定する立場ではありませんが、図面に指定された材質や仕様を確認し、協力会社と連携しながら図面通りに製作できるかを判断しています。
耐摩耗性は、ウレタンゴムが多くの産業分野で採用される大きな理由の一つです。
だからこそ、図面にウレタンゴムが指定されている場合は、その部品が摩擦や接触の多い環境で重要な役割を担っている可能性があります。
材料の特長を理解することで、製品全体の設計意図もよりイメージしやすくなるでしょう。

弾性・耐衝撃性・耐荷重性

ウレタンゴムは、高い耐摩耗性だけでなく、優れた弾性・耐衝撃性・耐荷重性を兼ね備えていることも大きな特徴です。
これらの性能がバランスよく備わっていることから、産業機械や搬送設備、自動車関連など、さまざまな分野で使用されています。
弾性とは、力を加えて変形した材料が、力を取り除いた際に元の形状へ戻ろうとする性質のことです。
ウレタンゴムは適度な弾性を持っているため、繰り返し圧縮や変形が加わる環境でも、その性能を維持しやすい材料です。
この性質を活かし、クッション材やストッパー、防振材など、衝撃を吸収する役割を担う部品に使用されることがあります。
耐衝撃性も、ウレタンゴムが評価される理由の一つです。
設備や機械では、製品同士が接触したり、搬送中に部品へ衝撃が加わったりする場面があります。
金属同士が直接ぶつかると、騒音や傷、変形の原因になることがありますが、ウレタンゴムを介することで衝撃を吸収し、相手材へのダメージを軽減できる場合があります。
また、弾性によって衝撃エネルギーを分散しやすく、機械への負荷を抑える効果も期待されています。
さらに、ウレタンゴムはゴム材料でありながら耐荷重性にも優れています。
柔らかい材料は荷重を受けると大きく変形しやすい傾向がありますが、ウレタンゴムは比較的高い強度を持つため、適切な硬度を選定することで重量物を支える用途にも対応できます。
そのため、キャスターやローラー、ガイド部品など、継続的に荷重がかかる部品に採用されることも少なくありません。
ただし、弾性や耐荷重性は、ウレタンゴムであればすべて同じというわけではありません。
硬度や配合、製造方法によって性能は変化します。
例えば、柔らかいウレタンゴムは衝撃吸収性に優れていますが、大きな荷重がかかると変形しやすくなります。
一方で、硬度の高いウレタンゴムは荷重に強い反面、クッション性は低くなる傾向があります。
そのため、用途に応じて適切な仕様が選ばれています。
また、長期間にわたって荷重がかかり続ける環境では、「クリープ」と呼ばれる現象にも注意が必要です。
クリープとは、一定の荷重を受け続けることで材料が徐々に変形していく現象であり、ウレタンゴムを含む多くの樹脂やゴム材料で見られます。
そのため、製品設計では使用荷重や使用時間、設置環境なども考慮したうえで材料が選定されています。
株式会社アスクでは、金属加工や樹脂加工を中心に対応しているため、ウレタンゴム部品を自社で製作することはありません。
しかし、図面の中にウレタンゴム部品が指定されている案件では、「なぜこの部分にゴムが使われているのか」を意識しながら図面を確認することがあります。
例えば、金属部品の受け部分やストッパーなどでは、衝撃の吸収や製品の保護を目的としてウレタンゴムが指定されているケースも見られます。
図面通りに製作を進めることが基本ですが、材料の役割を理解することで、製品全体の構造や設計意図をより深く把握しやすくなります。
弾性・耐衝撃性・耐荷重性は、それぞれが独立した性能ではなく、相互に関係しながらウレタンゴムの特性を支えています。
これらのバランスの良さこそが、多くの産業分野でウレタンゴムが採用される理由の一つといえるでしょう。