CADとは?使用例やCADの種類を徹底解説
さて、本日は図面作成や加工用データの作成に使用されているCADについての記事を書きました。
多業種で使用されているCADについて、詳しい方もそうでない方も是非ご覧ください♪
CADとは
CADとは、「Computer Aided Design」の頭文字から取った略語です。
和訳すると「コンピューター支援設計」と言われることが多く、その名前の通りコンピューターを用いて設計をすることができるツールとなります。
元々設計現場で手書きしていた図面をデジタル化し、コンピューター上で再現したものがCADです。
CADはソフトウェアの主な機能によって、「2DCAD」「3DCAD」に分けることができます。
2DCADとは
2DCADは、2次元(2D)データの製図を行うCADです。
紙など平らな場所に表現する製図を、コンピューターを用いて設計することができます。
手書きに比べて簡単に修正や書き直しができる点を生かし、様々な設計に使われています。
3DCADとは
3DCADとは、3次元(3D)データの作成を行うCADです。
平面で行っていた2次元図面(2D)をコンピューター上で3次元に拡張したもので、コンピューター上での仮想空間で立体を構築していきます。
モデルを立体的に作成することで、より具体的なイメージをつかみやすいメリットがあります。
また、3Dモデルを一つ作るだけで、平面図や断面図といった複数の図面やパースを自動的に作成してくれるのも特徴です。
3DCADと3DCGの違い
3DCADと3DCG、言葉が似ていて少しややこしいですよね?
簡単に補足すると、3DCGは「3 Dimensional Computer Graphics」の略語で、3次元(3D)空間でのコンピュータグラフィクスのことです。
名前の通り「3DCG」でも3Dデータを作ることができます。
ただ、3DCADが設計向きなのに対し、3DCGはアニメーションやキャラクターづくりに利用されることが多く、設計には向きません。
主に映像系のコンテンツを作る際に活躍しているのが、3DCGとなります。
CADの話に戻りますが、現在では様々な会社からCADソフトウェアが発表され、幅広い分野で活躍しています。
ものづくりをするために趣味でCADを使っている人も多く、CADを学ぶためのセミナーが開催されるほどです。
CADの違い
CADには2DCAD,3DCADと共に、「製造業向け」「建築業向け」など、機能に合わせてさらに種類を細かく分けることができます。
製造業向けCADとは
製造業向けCADにはプロダクトを設計するためのコマンドが用意されています。
例えば角(エッジ)を処理するためのコマンドである「フィレット」や「面取り」などです。
代表的な製造業向け3DCAD
・Fusion 360
・SOLIDWORKS
・Inventor
・CATIA など
建築業向けCADとは
建築業向けCADには建築用のコマンドが用意されています。
例えば、「通り芯」や「壁」、「階段」といった建築物を設計する際に使用するコマンドです。
代表的な建築業向け3DCAD
・Revit
・Archicad など
「サーフェス」「ソリッド」「ポリゴン」とは
一般的に3DCADは、「サーフェス」「ソリッド」「ポリゴン」と作成方法を選ぶことができます。
サーフェス
線で囲まれ閉じた領域を1つの面と見立て、面にも色が付けられます。
立体の表現も格段に上がりますが、、中身は中空なので体積や質量の計算はできません。
ソリッド
サーフェスの外観だけでなく中身の情報も持つため、質量、体積の計算も可能です。
また、断面形状の表現もできるため、実際のモノの表現としては一番近いものになります。
ただし、持てる情報は多くなるため、データ量も大きくなります。
ポリゴン
元々は3DCGソフトで使用されている作成機能ですが、粘土細工のような直感的な3Dモデリングが可能です。
隙間のある形状をサーフェスへ、隙間のない形状をソリッドへ変換して、組み合わせて使用します。
この中のサーフェスモデリングに特化した3DCADもあります。
サーフェスモデリングは、自由曲面のモデリングがしやすいため、車などの滑らかな面を持つ流線型の3Dモデルをモデリングするのに利用されます。
CADの用途
設計(図面作成)
先述した通り、CADはコンピュータ支援設計と訳され、設計するために利用するツールです。
3DCADで図面を作成する場合は、作成した3Dモデルを2次元に投影し、作成することができます。
最近では、図面を作成せず3Dモデルだけで設計を完了する「図面レス設計」を導入する企業も増えてきています。
他にも、アニメーション機能を用いて部品同士の干渉をチェックすることができるCADもあります。
デザイン
CADは設計だけでなく、プロテクトデザインなどデザイン分野でも利用されています。
例えば車をデザインする際に、デザイナーが手書きのスケッチでデザインすることがありますが、これを3DCAD上で行うこともできます。
3DCADを利用してデザインをすることで立体表現ができ、プランナーや設計者といった第三者にデザインが伝わりやすいメリットがあります。
解析・シュミレーション
3DCADで作成した3Dモデルを利用して、シュミレーションすることができます。
例えば、椅子の3Dモデルを作成した際に、その椅子にどれぐらいの力がかかったら壊れてしまうかなどをシュミレーションすることができます。
このシュミレーションに「CAE(Computer Aided Engineering)」というツールを利用します。
CAEはCADとは別ソフトであることが一般的ですが、最近ではCAEがCADに付属しているソフトもあります。
3Dプリンター用のデータ作成
3DCADを利用して、3Dプリンターで使われている拡張子「.STL」や「.OBJ」の3Dデータを作成することができます。
無料で使うことができる3DCADでも、3Dプリンター用のデータを簡単に作ることができます。
3Dデータを3Dプリンターに読み込ませて印刷することで、3Dプリント品が完成します。
工作機械用(加工用)のデータ作成
ものづくりに欠かせない機械の一つがマシニングセンタと呼ばれる工作機械です。
刃物を回転させて動かすことで金属や木材を削ることができます。
マシニングセンタは、NCと呼ばれるプログラミングによりコンピューター制御されますが、そのNCプログラムを計算するソフトウェアを「CAM(Computer Aided Manufacturing)」と呼びます。
CADが関わる点は、3DCADで作成した3Dモデルを基に、CAMを利用してNCプログラムを作成することができるところです。
CAMはCADとは別ソフトであることが一般的ですが、最近ではCAMがCADに付属しているソフトもあります。
3Dモデルの作り方
3Dモデルを足したり引いたりして作成する
プリミティブモデル(立方体、円柱、球、トーラスなど)と言われる形状を足したり引いたりして3Dモデルを作成します。
この足したり引いたりすることを「ブーリアン演算」といい、「和」「差」「積」があります。
スケッチを押し出して3Dモデルを作成する
スケッチと呼ばれる下書き線を書いて、そのスケッチを上方向に押し出すことで3Dモデルを作成します。
作成方法の中では、一番ベーシックな方法です。
スケッチを回転して3Dモデルを作成する
下書き線のスケッチを回転させて3Dモデルを作成します。
ボトルやシャフト形状などを簡単に作成できます。
断面スケッチをつなぎ合わせて3Dモデルを作成する
スケッチで作成した断面をつなぎ合わせて3Dモデルを作成します。
この断面をつなぎ合わせて作成するコマンドを「ルールド」や「ロフト」といいます。
修正・編集コマンドを使って3Dモデルを編集する
スケッチを押し出したり、回転させたりして作成した形状を「修正・編集コマンド」を使って編集します。
例えば「シェル」というコマンドを使うことで、中をくり抜くことができます。
エッジを処理するためのコマンド「フィレット」や「面取り」も、この「修正・編集コマンド」です。
面を引っ張って3Dモデルを編集する
作成した3Dモデルの面やエッジを引っ張ってモデリングすることを「ダイレクトモデリング」といいます。
ダイレクトモデリングは、直感的に素早くモデルを修正できるメリットがあります。
ダイレクトモデリングのほかに、「パラメトリックモデリング」があります。
パラメトリックモデリングは、数値で寸法をすべて管理することができますので、設計変更などに素早く対応することができます。
ここに挙げた方法以外にも3Dモデルを作成する方法はありますが、だいたいこの6つの方法で3Dモデルを作成することができます。
CADを選ぶ時のポイント
CADの機能
CAD選びの重要なポイントの一つが「機能」です。
CADによって提供されている機能が異なります。
機能の不足によってできないこともあるので、目的に合った機能が付いているかどうかあらかじめ抑えておくことが大切です。
また、無料で提供されているCADでは一部機能が制限されているものもあります。
無料のCADを使う場合には、機能制限の有無についても見ておく必要があるでしょう。
CADの価格
CAD選びの重要なポイント、二つ目は「価格」です。
冒頭でも触れたようにCADは無料で使えるものから、数百万円するものまで様々です。
当たり前ですが、無料のCADと数百万円するCADでは機能が違います。
しかし、最近では無料のCADや安価なCADでも数百万円するCADと同じようなことができるようになっています。
例えば、3Dプリンターを使って簡単なモデルを作りたいというだけであれば、正直どの3DCADを使ってもあまり変わらないため、安価なCADを選んでも心配ありません。
数千から数万点の部品から構成されているものを設計したり、またデータ管理まで一緒に行いたいなどといった場合は、金額が高いCADの方がおススメです。
データ拡張子・ユーザーインターフェース
CAD選びの最後のポイントは「データ拡張子」と「ユーザーインターフェース」です。
取引先から送られてくるデータが使えるかどうか、また取引先に渡す際のデータ拡張子に対応しているかどうかを確認しておきましょう。
また、CADによってはユーザーインターフェースが日本語に対応しておらず、英語になっている場合があります。
CAD初心者の方には、ユーザーインターフェースが日本語化されているCADの方が使いやすいのでおススメです。
ちなみに弊社で使用しているCAD・CAMはこちら→所有設備からご確認ください♪
こちらの記事はキャド研様の記事を参考にしております。
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