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試作人基礎講座

公開日: | 試作人基礎講座

アルミ合金とは?特徴や種類など解説します!

本日はアルミ合金について解説していきます。
特徴や種類、用途など解説していきますので、是非ご覧ください♪

アルミニウム合金とは

A2017の試作品 A2017の試作品

アルミニウム合金とは、アルミニウムに他の金属をプラスして作った素材のことです。
また、アルミニウムに少しだけ非金属の材料を足した、金属の性質を維持している素材もアルミニウム合金に分類されます。
アルミニウムに他の材料を混ぜてアルミニウム合金にする理由は、製造する製品や使用するシーンに適した素材にバージョンアップさせるためです。
例えば、アルミニウムは軽量で熱が伝わりやすい材料ですが、傷つきやすく鉄などに比べると強度は劣ります。
その強度を補うため、銅やマンガンといった様々な種類の金属をプラスするのです。

アルミニウム合金の特徴

アルミニウム合金の特徴として代表的なのが軽さです。
鉄と比較してみると、その重さは鉄の3分の1程度と、とても軽いことがわかります。
軽いという特徴だけでなく、やわらかい質感を持っているため加工しやすく、装飾性にも長けている素材です。
また、大気中において表面に頑丈で安定的な酸化被膜を作る性質もあり、耐食性に長けています。
さらに、リサイクル性が高い点や、電磁波や熱の反射もいいため、低温環境で使用した場合に起こりやすい脆性破壊を起こしにくいことも特徴です。

アルミニウム合金の種類

アルミニウム合金には、製品名に4桁の数字が含まれた、国際アルミニウム合金名が付けられているケースがほとんどです。
No.1000ごとに混ざっている物質が違うので、番号をチェックすればどんな特性を持ったアルミニウム合金なのかを判別できます。

No.1000~

No.1000~の記載のあるアルミニウム合金は、成分の99%がアルミニウムで出来ている種類です。
ほとんどがアルミニウムなため、柔らかく加工しやすいといった特徴を持ち合わせています。
さらに、熱伝導率や電気を通しやすいという点にも優れている種類です。
一方で、数あるアルミニウム合金の中でも強度が低めの材料です。
No.1000~のアルミニウム合金は、熱処理を実施することなく用いることができます。

用途

A7075の試作品

家庭用品、電気器具、送配電用材料、放熱材、化学工業タンクなど

No.2000~

No.2000~は、アルミニウムに銅をプラスした種類です。
アルミニウムに銅を加えることで、強度がアップします。
一方で、銅を多く混ぜれば混ぜるほど耐食性は低くなるという性質があります。
また、機械的な方法を用いたり抵抗スポット溶接が必要だったりと、手の込んだ溶接が必要な点も特徴的なポイントなので、熱処理を施してから使用するのが一般的です。

用途

航空機用部材、ねじ・ギア部品、成型用金型、油圧部品など

No.3000~

アルミニウムにマンガンをプラスしたものには、No.3000~の数字が記載してあります。
No.1000~の特徴である加工のしやすさを残しつつ、強度を少しだけアップさせることが可能です。
容器や建材など、幅広いシーンで使われています。
このマンガンをプラスしたアルミニウム合金は、非熱処理型の合金です。

用途

建築用部材、屋根材、アルミ缶、電球口金など

No.4000~

No.4000~は、アルミニウムにケイ素シリコンを加えた種類です。
耐熱性に優れており、熱によって膨張しにくいという特徴があります。
また、他のアルミニウム合金と比べて融点が低く、溶接溶加材としても適しています。
こちらも、No.3000~同様に熱を加えずに使用する非熱処理型の種類です。

用途

ピストン、シリンダーヘッド、溶接線など

No.5000~

No.5000~は、マグネシウムをアルミニウムにプラスして仕上げた種類です。
マグネシウムをプラスすることによって、強度と耐食性のアップにつながります。
加えるマグネシウムの量が多ければ多いほど強度が上がり、少なければ少ないほど強度も低くなります。
そのため、混ぜるマグネシウムの量の違いのよって、様々な種類のアルミニウム合金を作ることができ、基本的に非熱処理で使用できます。
No.5000~は、種類と用途が多い、アルミニウム合金の中でもメジャーな種類です。

用途

調理器具、燃料タンク、建築用内外装、反射板など

No.6000~

No.6000~のアルミニウム合金は、マグネシウムとシリコンがプラスされています。
溶接に用いる際には熱により強度が低下しがちなので、ボルトやナットでの機械的な接合が必要ですが、強度と耐食性に長けているため、構造建材としてよく活用される材料です。
また、経年損傷に強く、押出性に優れている特徴もあります。
No.6000~のアルミニウム合金は、熱処理型の種類です。

用途

車両・船舶など輸送構造部材、建築用サッシ、ドアなど

No.7000~

No.7000~は、亜鉛とマグネシウムを混ぜて作っています。
熱処理を施すアルミニウム合金の中で最も強度が高いことでも有名です。
熱処理をしっかり行わなければ、経年劣化を引き起こす可能性が高くなりますが、しっかり熱を加えて加工することで溶接を行うこともできる材料です。

用途

スポーツ用品、金型部材、車軸など

No.8000~

No.8000~は、主に低密度材や外からの変形を防止するために作られた種類です。
代表的な製品としては、リチウムや鉄などをプラスして作った物などがあります。

用途

食品包装材、医療用包装、アルミキャップなど

アルミニウム合金のメリットとデメリット

メリット

アルミニウム合金のメリットは、軽量性と加工のしやすさです。
比較的強度に優れていながら柔らかい性質を持ち合わせており、様々な製品に活用されています。
アルミニウムに何を混ぜ合わせるかで特性が変わるアルミニウム合金は、作りたい製品に適した種類を選択できる点もメリットと言えるでしょう。
また、金属と比べて融点が低いため、鋳造においての大量生産に適しています。
さらに、アルミニウム合金は非磁性なので、磁気の影響を受けやすい部分にも活用することが可能です。
他にも、鉄鋼材の弱点である海水や真水などに対しても耐久性がある点や、低温環境の下で使用しても破損しにくい点などのメリットがあります。

デメリット

アルミニウム合金はある程度強度が高いとはいえ、徹底的に強度にこだわった鉄鋼材に比べると、その強さは劣ります。
また、やわらかいがゆえに変形しやすいのもデメリットの一つです。
融点が低いため大量生産には向いている一方で、耐熱性が必要な箇所の部品などには適していません。
さらに、鉄や銅といった他の金属に触れたり、銅や貴金属、ステンレスなどと水が一緒になるような場所で使用したりすると腐食しやすくなる弱点もあります。
コスト面でも、他の鉄鋼材などに比べて、アルミニウム合金の方が値段が高い傾向がある点もデメリットです。

アルマイトについて

アルマイトとは陽極酸化処理とも言い、硫酸や硝酸などの強酸性の電解液で、アルミニウムの表面を電解処理し、人工的に薄い酸化被膜を形成する表面処理のことです。
アルマイトの主成分は非晶質アルミナ(Al203)になります。

元々アルミニウムは酸素と結びついて酸化しやすく、表面に薄い酸化膜を形成するため、保護され錆びにくいですが、自然に形成される酸化被膜では薄いため、環境によっては錆びてしまいます。

そこで、人工的に酸化膜を作って保護膜を厚くし、アルミニウムの耐食性をさらに高めるため、アルマイトが活用されます。

アルマイトによって、アルミニウムの耐摩耗性も高くなり、傷もつきにくいため美観も良くなります。

アルマイトのメリット

・耐食性
・耐摩耗性
・美観性
・絶縁性
・放熱性

アルマイトのデメリット

アルマイトのデメリットは、強い酸やアルカリに弱く、溶解・腐食しやすい面があります。
加えて、イオン化しやすいため、海水などの塩分の強い水溶液にさらされたり、湿度の高い状態で鉄や銅などに接触すると、腐食しやすくなります。

また、アルマイトは柔軟性に欠けるため、アルマイト処理後に曲げたり加工したりした場合や、素材が熱膨張する100℃を超えた環境下では、アルマイト皮膜にクラックや剥がれが発生しやすいです。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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