ベリリウム銅とは?特徴や加工時の注意点など解説します!
本日はベリリウム銅について解説していきます!
特徴や切削性、加工時の注意点など解説していきますので、是非ご覧ください♪
ベリリウム銅とは
銅にベリリウムを0.5~3%程度加えた合金のことを呼びます。
耐食性、強度に優れ、火花が出にくい性質を持ち、防爆工具の材料や溶接機部品などに用いられます。
ベリリウム銅の特徴
銅は軟らかくて加工しやすく、電気を良く通す・熱を良く伝える・耐食性が良いなどの特徴があり、昔から貨幣・電線・建築材料と幅広い分野で使われてきた金属です。
銅に数%のベリリウムを添加して作るベリリウム銅合金は、銅の良い性質を生かしながら、特殊鋼に匹敵する高い強度と優れたバネ性を兼ね備えており、数ある銅合金の中で最も優れた材料と言えます。
現状では、自動車や携帯電話、パソコン、通信機器などの導電バネ材料として広く使われており、高い信頼性や小型化に貢献しています。
強度
析出硬化により、最高1500N/㎟もの引張強さを実現し、バネ材料として高い曲げ応力に耐えます。
導電性
合金・質別により、約20~70%IACSもの導電率を有するため、高電流密度を必要とする部品に利用されています。
成形性
時効硬化処理前の「時効材」は複雑な成形加工が可能です。
加工後の熱処理が不要な「ミルハードン材B方式、S方式」は強度と成形性のバランスが優れた材料です。
疲労特性
繰り返し動作に対する疲労特性が優れているため、長寿命・高信頼性が要求される部品に使用されています。
耐食性
銅合金の中では洋白についで耐食性に優れ、環境による腐食変化の少ない材料です。
非磁性
EMC対策環境下での使用に最適です。
透磁率はステンレス(SUS304)の約1/100です。
耐熱性
高温環境下でも応力緩和率が小さいため、広い温度範囲で使用できます。
ベリリウム銅の切削性や加工時の注意点
ベリリウム銅は、銅合金の中でも特に粘りが強く、硬度も高いのが特徴です。
毒性があるため、切削加工時の切粉の吸引には注意が必要です。
固形物の状態では安全な物質であり特別な注意は必要ありませんが、微粒子や蒸気を吸引すると慢性肺疾患や、鼻、咽喉粘膜の炎症及び金属ヒューム熱を発症する恐れがあります。
切削性は悪くないため、神経質になる必要はありませんが、刃先への溶着には注意した方が良いでしょう。
刃物材質も神経質になる必要はありませんが、耐溶着性に優れた刃物を使用すると安定した加工ができるでしょう
研磨及び粉塵が発生する機械加工は湿式にて行うことが必要です。
切削油の供給量も多くしてあげると、さらに安定した加工が可能です。
Be50加工時の注意点
・極小径切削タップ(精度対象外)の加工では、タップの強度が弱いうえに被削材の切削抵抗が大きいため、タップやドリルが折損しやすいので注意が必要です。
・旋削、切削で出る切粉は粘りが強く被削材に巻き付きやすいため、仕上げ面に傷が入りやすいので、表面の仕上げの順番を精査する必要があります。
ベリリウム銅の種類
名称 | 用途 |
BeCu25(C1720) | 抵抗溶接用電極素材、溶接機部品、プラスチック成型用金型材料 |
BeCu165(C1700) | 海底ケーブル用中継器、抵抗溶接用電極素材、溶接機部品、プラスチック成型用金型材料 |
BeCu50(C17510) | シーム溶接用電極、チップベース、ガンアーム、ネジアダプター、インサート用ベースチップ、インサート電極(取替え式)、軸受材料、プランジャーチップ、 低圧鋳造用金型材料、鋳造用モールド、プラスチック用金型材料 |
BeCu10 | シーム溶接用電極、チップベース、ガンアーム、ネジアダプター、インサート用ベースチップ、インサート電極(取替え式)、軸受材料、プランジャーチップ、 低圧鋳造用金型材料、鋳造用モールド、プラスチック用金型材料 |
BeCu275C | 溶接機部品、チップベース、ガンアーム |
BeCu20C | 溶接機部品、チップベース、ガンアーム |
BeCu50C | 溶接機部品、チップベース、ガンアーム、二次導体 |
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