ダボ出し加工の基礎知識をお伝えします!
本日はダボ出し加工について解説していきます!
ダボ出し加工の基礎知識を中心に解説しますので、是非ご覧ください♪
ダボ出し加工とは
ダボ出し加工とは、主に板金部品の溶接や組み立ての位置決めに利用する凸(突起)を板金に成形する加工のことです。
半抜き加工やハーフパンチ加工、ハーフシャー加工とも呼ばれる加工法で、その凸自体は「ダボ」や「ボチ」などと呼ばれます。
ダボは位置決めのほか、ストッパーなどに利用されることもあります。
ダボは、部品の凹や穴に嵌めこむことで、板金と部品の相対位置を固定し、位置決めやストッパーに利用します。
ダボの形状は円形が一般的ですが、長円形や正方形、長方形のものもあります。
上面の形状は、平型や丸型、山型などのように様々です。
角についても、Rを付けたものと直角のものがあります。
ダボの径・幅や高さについては、外観に影響しないように小さく、位置決めしやすいように抜けにくい高さであることが用途に合致しますが、加工できるサイズに制限があります。
径・幅が小さいうえに板金が厚い場合は、加工に用いられる金型の強度が不足して金型を損傷することがあります。
一方、高さは板厚の70%程度が限界で、それ以上の高さにすると板金の性質によっては抜けてしまうことがあるので注意が必要です。
ただし、金型のパンチにRを付けたり、金型のクリアランスを広くしたりすることで、板厚以上の高さを確保することができます。
また、ダボ出し加工には、材質が冷間圧延鋼板(SPCC)もしくは電気亜鉛めっき鋼板(SECC)の場合、下表の寸法がよく用いられています。
下表のダボの寸法は、既製品の金物などを利用する場合には有用です。
板厚 | ダボの径 | 径の公差 | ダボの高さ | ダボ穴の径 | |
低いタイプ | 高いタイプ | ||||
0.5 |
Φ3.0 |
-0.1~0.0 もしくは -0.05~0.0 |
0.25±0.075 | 0.5±0.075 | Φ3.2 もしくは Φ4.2 |
0.8 | 0.4±0.12 | 0.8±0.12 | |||
1.0 | 0.5±0.15 | 1.0±0.15 | |||
1.2 | 0.6±0.18 | 1.2±0.18 | |||
1.6 | Φ4.0 もしくは Φ5.0 |
0.8±0.24 | 1.6±0.24 | Φ4.2 もしくは Φ5.2 |
|
2.0 | 1.0±0.30 | 2.0±0.30 | |||
2.6 | 1.3±0.39 | 2.6±0.39 | |||
3.2 | 1.6±0.48 | 3.2±0.48 |
なお、ダボ出し加工のダボとは本来、木工に使われる部品のことで、木材をつなぎ合わせる際に用いられます。
具体的には、木材の接合面の双方に穴をあけ、ダボを差し込むことで部材同士を固定し、ずれることなどを防ぎます。
ダボによる位置決め
ダボによる位置決めは、板金に成形したダボを組み合わせる部品の凹や穴にはめ込み、板金と部品の相対位置を固定することで行います。
このダボによる位置決めは、板金を重ね合わせて溶接するスポット溶接でよく採用されます。
ちなみにスポット溶接では、板金が重なった部分を電極で挟み込み、電流を流すことで、2枚の板金の接触部に抵抗熱を発生させ、接触部を溶融して接合します。
位置決めにダボを利用することで、材料に位置決めのための印をつける「ケガキ」が不要になり、ケガキに合わせた材料の位置決めも簡素化することができます。
位置決め用の治具の代替とすることも可能であるため、コスト削減にもつながります。
ダボによる固定
ダボは、ストッパーとしての役割も果たすことが可能です。
例えば、2つの板金を重ねて、1点をネジで止め、さらに1点をダボと穴で固定すれば、ダボは回転止めとして機能します。
ただし、ダボと穴がぴったりとはまっていなければ、それらの隙間によって多少振れは生じます。
ダボ出し加工の原理
ダボ出し加工では、金型のパンチとダイの間に板金を挟んでプレスすることで、ダボを成形します。
主にタレットパンチプレス加工機が用いられますが、ダボの形状やサイズに合わせた金型が必要です。
例えば、3つのダボがある板金は、それぞれ異なる金型を用いてプレスしたものです。
それぞれの金型には下記のような異なる点があり、その違いによって成形可能なダボの高さが変わってきます。
●上の板金・・・パンチとダイのクリアランスがゼロの金型を使用し、板金をせん断するように加工することとなるため抜けやすく、板厚の半分程度の高さまでしかダボを出すことができません。
●中央の板金・・・パンチとダイのクリアランスを板厚程度とした金型を使用し、板金を引き伸ばしてダボを成形することとなるため、絞り加工と同じような加工となり、板厚以上の高さのダボも成形することができる。
絞り加工のようにプレスを何回かに分けて、板金を少しずつ引き伸ばすことでダボを高くすることが可能です。
●下の板金・・・先端にRを付けたパンチを使用し、パンチとダイのクリアランスを板厚程度とした金型を使用します。
先端が直角のパンチを使用した金型を使用するよりも、ダボを高くしやすいです。
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