快削黄銅の特徴をご紹介します!
本日は快削黄銅(C3602・C3604)について解説していきます。
特徴を詳しくご紹介しますので、是非ご覧ください♪
快削黄銅とは
快削黄銅は、黄銅に鉛を加えたものです。
そもそも黄銅は、銅と亜鉛の合金で真鍮とも呼ばれます。
強度や展延性が適度で扱いやすい素材として、古くから親しまれてきた金属です。
黄銅は磨くと美しい金色の光沢を放つことから、日本では昔から小判や仏具に使われてきました。
現代では5円玉や水洗便所の部品、鉄道模型の素材などに使われています。
快削黄銅は、そのような黄銅に鉛を加えることで被削性を高めた合金です。
被削性とは削りやすさのことであり、快削黄銅は「快削」の名の通り切削加工しやすいのが特徴です。
小さい力でも切削可能なうえ、切りくずも微細で簡単に切り離すことができるため、繊細な加工が必要な歯車やねじの素材に用いられます。
また、高い殺菌効果を持つことからドアノブなどにも使われています。
快削黄銅とは、材料記号でC3560~C3713で示す合金の総称です。
一言に快削黄銅と言っても、銅や亜鉛、添加元素の割合によって性質が異なるため、記号で区分されています。
C3602とC3604も、両者ともに快削黄銅ですが、銅と亜鉛の比率が異なります。
快削黄銅の特徴
特に優れている性質
・被削性
・溶接性
・めっき性
・シャー切断性
・プレス加工性
良好な性質
・伝導率
・耐食性
・冷間鍛造での加工性(C3602のみ)
比較的劣る性質
・耐摩耗性
・バネ性
・冷間鍛造での加工性(C3604のみ)
・熱間鍛造での加工性
・曲げ加工性
・深絞り加工性
・カシメ加工性
基本的には上記の特徴を持ちます。
通常の黄銅より切削加工しやすくなった反面、熱間鍛造やカシメ加工との相性は悪くなっています。
鉛を加えたことで熱に弱くなり、熱間加工で割れが生じやすくなってしまったからです。
ただし、具体的な性質はメーカーや製品によってばらつきがあります。
なぜなら、合金の成分比率にはある程度の幅があるためです。
例えば、JIS規格の成分表によると、C3602における銅の比率は59.0~63.0%、C3604においては57.0~61.0%となっています。
これらの数値だけを見るとC3602の方が銅に富んでいますが、実際にはC3602の銅比率が59.0%、C3604では61.0%という場合も考えられます。
そのため、成分のバラツキがあっても安定的に加工できるよう、苦労している加工メーカーは少なくありません。
こちらの記事はMitsuri Media様の記事を参照しております。
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