測定工具とは?種類や特徴など解説していきます!
本日は測定工具について解説していきます!
種類や特徴など解説していきますので、是非ご覧ください♪
測定工具・測定機器とは
測定工具、または測定機器とは、対象物の寸法や重さなどの量を、数値や符号を用いて表すもののことを指します。
測定工具は、主に作業者が手に持って測るもののことを指します。
ただし測定工具(測定機器)は、使用しているうちに数値のバラツキが大きくなり、正しく測定できなくなってしまいます。
測定した数値が正しいものであることを証明するには、定期的に校正を行う必要があります。
校正とは、標準器を用いて、測定機器で表示される数値と真の値の関係を求めることです。
ただし校正は決まった周期が定められておらず、使用している企業ごとに周期が異なります。
測定工具・測定機器の種類一覧
ノギス
ノギスは、寸法を測るためのもので、金属加工の現場で頻繁に使われている工具です。
別名「キャリパ」とも呼ばれています。
ノギスの先端部にあるジョウ(ツメ)を、測定したい場所にあてがうことで、寸法を測定できます。
また、ジョウとは反対側にあるデプスバーを使えば、深さを測定することも可能です。
寸法の表示形式は、主にデジタル式とアナログ式の2種類があります。
デジタル式は、寸法が一目で確認できるため、誰でも扱いやすい特徴があります。
一方でアナログ式は、寸法を読み取るのに慣れが必要ではあるものの、電池の残量を気にせず使える点が魅力です。
これらは、使用している現場によって好みが分かれます。
マイクロメータ
マイクロメータは、ノギスと同様に寸法を測定するための工具です。
アンビルおよびスピンドルと呼ばれる棒の測定面に対象物を挟んで寸法を測定します。
測定面の幅の操作は、持ち手の部分にあるシンプルやラチェットストップを回転させて調節できます。
標準外側マイクロメータと呼ばれるものが、最も一般的なタイプです。
測定したい箇所によっては、異なる形状のモデルを使用します。
また、寸法の表示形式については、ノギスと同様にデジタル式とアナログ式の2種類があります。
ダイヤルゲージ
ダイヤルゲージは、寸法の変化や平行度、同軸度、同芯度などを測定するための工具です。
単独では使用せず、スタンドなどに固定して対象物との位置関係を測ります。
ダイヤルゲージは大きく分けて、スピンドル式とてこ式の2種類があります。
スピンドル式は、先端にあるスピンドルを対象物に接触させて、上下した分の値を読み取るタイプで、旋盤やフライス盤などの金属加工において使われることが多いです。
てこ式は、てこの原理を利用したタイプで、先端のスピンドルが動いた角度分の寸法変化を表示します。
てこ式はスピンドル式に比べて分解能が高く、回転軸の振れや工作機械の精度検査のような、高い精度が求められる場面で利用されています。
ピンゲージ
ピンゲージは、精密な寸法に仕上げられた丸棒状の測定工具です。
ピンゲージが加工穴にしっくりはまる直径であれば合格、といったような使い方が代表的で、その他にも傾斜角や穴ピッチの測定などにも採用されています。
ピンゲージの材質は、鋼・超硬合金・セラミックスがあります。
鋼は標準的なタイプなのに対し、超硬合金は耐久性に優れています。
セラミックスは熱膨張に強くて錆びないのがメリットです。
形状は温度変化の影響を抑えるために、シャンク型を採用したタイプもあります。
リングゲージ
リングゲージは、内径が精密な寸法に仕上げられたリング状の測定工具です。
旋盤加工されたバー材などをリングゲージにはめこんで検査を行うもので、ピンゲージとは逆の使い方になります。
材質は鋼・超硬合金・セラミックスがあります。
限界栓ゲージ
限界栓ゲージは、穴の許容差の最小寸法である「通り」と、最大寸法である「止り」を備えた測定工具です。
主に加工穴に差し込んで、通り側が通り、止り側が入らなければ合格、といった使い方をします。
限界栓ゲージを用いた測定は、作業者によるバラツキがなく、公差の厳しい内径検査にて利用されています。
ブロックゲージ
ブロックゲージは、精密な寸法に仕上げられたブロック状の測定工具です。
平行度も高く、マイクロメータなどの測定工具の校正にも利用されています。
また、複数個のブロックゲージを組み合わせて、あらゆる寸法を作る事もできます。
材質は鋼とセラミックスが代表的ですが、昨今では錆の心配がないセラミックスが多く採用されています。
すきまゲージ(シックネスゲージ)
すきまゲージ(シックネスゲージ)は、名前の通りすきまを測定するための工具です。
他の測定工具に比べて、微細な二平面の間隔を正確に測定できます。
すきまゲージは、厚みの異なる複数の板が1組になっていて、それぞれを二平面間に差し込むことで測定します。
ハイトゲージ
ハイトゲージは、基準面である定盤に設置して、部品などの高さを測る工具です。
本尺(目盛)を垂直になるように配置して、スクライバ(測定面)を上下させて高さを測定します。
身長測定のように対象物を抑えるようにして測定したり、対象物にケガキを入れて測定したりといった使い方があり、数値を正しく読み取るには真正面からハイトゲージを目視する必要があります。
数値の表示形式は、デジタル式とアナログ式があります。
水準器
水準器は、別名「水平器」とも呼ばれるもので、地面に対して、対象物が水平に配置されているかを測るための工具です。
水準器には、円筒のガラス容器の中にアルコールなどの液体と気泡が入っていて、気泡が変位した位置を見て、水平や傾斜を測定します。
本体がマグネット付きで対象物に貼り付けて使うものや、表示形式がデジタル式のものなど、用途によって様々な種類や形状があります。
水準器にV溝が付いたものは、パイプなどの円筒状のものの上にのせて測定することも可能です。
角型水準器は、底面・上面・両側面の4面を測定面としたタイプで、平面や丸物の垂直を測定するために使用されます。
平型水準器は、底面を測定面とし、平面や丸物の水平出しや、傾斜の測定に使用されています。
粗さ計
粗さ計は、対象物の加工面の粗さを測定するための機器です。
測定結果から得られた粗さ曲線を元に、加工面の粗さを評価します。
粗さ計は、触針にて測定する「接触式」と、レーザーなどを用いて測定する「非接触式」があります。
多く採用されているのは接触式のタイプで、検出機と演算機が別々になった大型のモデルや、手軽に測定できるハンディタイプのモデルがあります。
投影機
投影機は、対象物を台に乗せて下から光を当てることで、対象物の輪郭をスクリーンに拡大投影する測定機器です。
投影された像は、正確な倍率で拡大されており、拡大した像の寸法を測ることで、実際のものの寸法を知ることができます。
投影機を用いた測定は、対象物を非接触で測定可能なほか、形状の小さなものや複雑なものも測定できます。
また、顕微鏡とは異なり、接眼レンズを覗く必要がないので、複数人で観察できる点もメリットです。
三次元測定機
三次元測定機は、主にステージ上に配置した対象物に接触子を当てて、縦・横・高さから三次元の座標を取得し、高精度で寸法や位置関係、輪郭形状などを測定できる機器です。
機器の形状は門型が一般的で、金型や機械部品の三次元測定や、測定したもののデータを3Dプリンターに利用するなどといった用途で利用されています。
三次元測定機のメリットは、他の測定工具などでは困難な測定に対応できる点にあります。
例えば、仮想点から特定の位置までの距離を測る場合、ノギスやマイクロメータでは正しく測定できません。
しかし三次元測定器なら、高い精度での測定が可能です。
画像測定機
画像測定機は、画像を用いて対象物の形状を測定する、非接触式の測定機器です。
ステージ上に対象物をセットして画像を読取り、エッジを検出して測定を行います。
画像測定機は、主に精度が求められる製品の測定や、良否判定を行うのに利用されています。
また、測定したデータをCADに流用することも可能です。
モデルによっては、XY軸だけでなく、高さ方向のZ軸を測定できるものもあります。
レーザートラッカー
レーザートラッカーは、対象物に接触させたリフレクターにレーザー光を照射し、リフレクターから反射されたレーザー光が発光源に戻ることで、リフレクターの三次元座標を測定できる機器です。
読み取られた三次元座標は、演算ソフトに転送されて、寸法や角度などが算出されます。
レーザートラッカーは三次元測定機に比べて、大きな対象物の測定が可能です。
例えば一般的に門型三次元測定機は数mの測定範囲なのに対して、レーザートラッカーは10mを超える対象物でも測定できます。
そのため、大型設備により加工された切削品のような、大型サイズの対象物を測定する場合に利用されています。
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