プレス機械の種類などを徹底解説します!
本日はプレス機械について解説していきます。
種類や選び方などをご紹介していきますので、是非ご覧ください!!
プレス機械とは
プレス機械は、金属やその他の材料に対して圧力を加え、変形や切断、成形を行う工作機械の一種です。
一般的には「プレス」と呼ばれ、主に板金加工や部品製造に欠かせない装置として広く利用されています。
プレス機械は金型と組み合わせて使用され、材料に対して高い圧力を瞬間的または連続的にかけることで、精密な形状やサイズを持つ製品を効率よく生産できます。
プレス機械の主な特徴は、力を集中して材料を変形させることにより、高速かつ大量生産が可能な点にあります。
また、板金の曲げ加工、打ち抜き加工、絞り加工など、さまざまな加工を行うことができるため、自動車部品や家電製品、電子機器部品など幅広い分野で利用されています。
プレス機械はその動力源や構造によって多くの種類があり、機械式プレス、油圧プレス、サーボプレスなどが代表的です。
これらは用途や加工内容に応じて使い分けられています。
特に近年では制御技術の進歩により、高精度かつ省エネルギーなプレス機械が開発され、加工品質の向上と生産効率の最大化が求められています。
また、安全面においても多様な安全装置やセンサーが装備されており、作業者の安全を確保しながら高い生産性を維持しています。
プレス機械は製造業における重要なインフラであり、製品の品質やコストに直結するため、その適切な選定と運用が不可欠です。
プレス加工の種類と特徴
1.打ち抜き加工(パンチング)
打ち抜き加工は、金属板や樹脂板などにパンチと呼ばれる工具を押し付けて穴をあける、または特定の形状で切り抜く加工方法です。
原理は非常にシンプルで、上側のパンチと下側のダイ(型)の間に材料を挟み込み、パンチが下降することで材料がせん断され、必要な形状が切り取られます。
この加工は板金部品の製造における最も基本的な工程であり、自動車のボディパネル、電子機器のシャーシ、建材部品など、ほぼあらゆる製造分野で利用されます。
特徴としては、同じ金型を使う限り非常に高い寸法精度と再現性を得られ、かつ大量生産に適していることが挙げられます。
また、複雑な形状でも金型設計を工夫すれば一度のストロークで成形可能です。
ただし、金型設計にコストがかかる点や、打ち抜き時に材料にバリ(切断面の小さな突起)が発生することがあり、後工程でのバリ取りや面取りが必要になる場合があります。
また、厚板や高強度材を加工する場合はプレス機の能力が大きく求められます。
2.曲げ加工
曲げ加工は、板材を所定の角度に変形させる加工で、L字曲げ・U字曲げ・V字曲げなど形状に応じた方法があります。
加工時には金型の形状とパンチの押し込み量によって曲げ角度が決まり、材料のばね戻り(加工後に材料がわずかに元の形に戻る現象)を見越して角度を設定する必要があります。
用途は極めて広く、金属製の筐体やブラケット、補強部材、ケースなどに活用されます。
特に筐体や枠構造では板金曲げが欠かせません。
特徴としては、切断や打ち抜きに比べて材料ロスが少なく、比較的静かな加工が可能なことが挙げられます。
また、曲げ加工用の金型を用意すれば短時間で多品種の製品を作れます。
ただし、材料の板厚や強度、繊維方向によって曲げ性が異なり、ひび割れや寸法誤差が発生するリスクがあります。
そのため、事前に曲げ試験やCAE解析を行うことが望まれます。
3.絞り加工
絞り加工は、板材を金型に押し込んで深い容器形状や筒形を作る加工です。
加工中、材料は引き延ばされながら変形するため、板厚の減少や材料破断のリスクがあります。
これを防ぐため、加工速度や潤滑剤の選定が重要となります。
代表的な製品としては、自動車の燃料タンク、アルミ缶、キッチン用シンク、ドラム缶などがあります。
特に深絞りと呼ばれる工程では、複数回に分けて少しずつ材料を成形し、破断を防ぎます。
絞り加工の利点は、継ぎ目のない一体成形が可能で、強度や気密性に優れた製品が得られることです。
一方で、加工には高いプレス能力と精密な金型が必要で、金型製作コストや調整時間がかかるのが課題です。
また、材料の流動性を考慮した形状設計を行わないと、しわや割れが発生します。
4.せん断加工
せん断加工は、鋏のように上下の刃物で材料を挟み、直線的または曲線的に切断する加工です。
プレス機械を使った場合、非常に高速で精密な切断が可能です。
板材の寸法取りや端面の整形、部品の一部切り落としなど、多用途に使われます。
この加工の特徴は、切断面が比較的きれいに仕上がり、後工程の加工負荷を軽減できる点です。
また、厚板から薄板まで幅広く対応でき、加工速度が速いのも利点です。
ただし、刃の摩耗や刃間調整の不良によって切断面が荒れることがあり、定期的なメンテナンスが必要です。
また、強度の高い材料や特殊合金では刃物寿命が短くなり、コスト増の要因となります。
5. 押出し加工
押出し加工は、材料を金型の開口部から押し出し、連続した断面形状を持つ部材を成形する方法です。
一般にはアルミや銅、プラスチックなど延性の高い材料に多く使われますが、冷間押出しでは鋼材など硬い材料にも対応可能です。
押出し加工の魅力は、複雑な断面形状を持つ製品を一工程で成形できる点にあります。
例えば、アルミサッシ、ヒートシンク、配管部品などが典型例です。
また、押出しによって組織が緻密化し、強度が向上する効果もあります。
一方で、押出しは連続形状の成形に適しており、長さ方向に変化する形状や立体的な形は難しいという制約があります。
また、押出し金型の製作コストが高く、初期投資が必要です。
さらに、金型内の摩擦や温度管理が品質に大きく影響するため、加工条件の最適化が不可欠です。
このように、同じ「プレス加工」といっても、その種類ごとに原理・適用製品・注意点が大きく異なります。
適切な加工法と機械・金型の選定が、品質とコストを大きく左右します。
プレス機械の歴史と発展
プレス機械の歴史は、金属加工技術の発展と密接に関係しています。
その起源は古代までさかのぼり、金属に圧力を加えて形を変える技術は鍛冶や鋳造と並んで、最も古くから人類が利用してきた加工方法のひとつです。
初期のプレス加工は人力や木槌を用いて行われ、金属板を打ち延ばしたり、簡単な装飾を施す程度でした。
産業革命期になると、蒸気機関の登場により大きな力を安定的に生み出せるようになり、これを応用した初期の機械式プレスが19世紀初頭に登場します。
当時はクランク機構やフライホイールを使った構造が多く、現在のメカニカルプレスの原型となりました。
この技術革新によって、均一な力で金属板を成形できるようになり、精度と生産性が飛躍的に向上しました。
20世紀初頭には、自動車産業の急成長に伴い、大量生産を支えるための大型プレス機械が普及します。
特にフォード社が採用した順送プレスラインは、複数の加工工程を一連の自動ラインで処理できる画期的な方式として注目されました。
この時代には油圧式プレスも発展し、深絞りや高精度な曲げ加工など、メカニカルプレスでは難しかった工程が可能になりました。
戦後は電動モーターの小型化・高出力化が進み、制御技術の向上とともにプレス機械の多様化が加速します。
1960年代には数値制御(NC)技術が導入され、加工精度の向上と段取り替えの効率化が進みました。
1990年代以降はサーボモーターを利用したサーボプレスが登場し、スライドの動きを自由に制御できるようになったことで、難加工材や複雑形状の部品にも対応できるようになりました。
現代では、IoTやAIと組み合わせたスマートファクトリー化が進み、プレス機械は単なる加工装置から、生産ライン全体の情報を収集・解析するインテリジェントマシンへと進化しています。
また、省エネルギー化や静音化、安全性向上も重要なテーマとなっており、作業者負担の軽減や環境負荷低減に向けた開発が続けられています。
このように、プレス機械は単なる金属加工の道具から、産業の生産基盤を支える高度なシステムへと進化してきました。
今後も軽量化素材の普及や電動化、自動化の進展により、その役割と技術はさらに広がっていくことが期待されます。
プレス加工の種類と用途
板金プレス加工の代表例(曲げ・絞り・切断など)
板金プレス加工は、金属板に圧力を加えて形状を変化させる加工法であり、その代表的な工程として「曲げ加工」「絞り加工」「切断加工」があります。
これらは自動車、家電、建材など幅広い分野で利用されており、それぞれ異なる特徴と用途を持っています。
曲げ加工は、板材を一定の角度や曲率で折り曲げる工程です。
一般的にはV型やU型の金型を使用し、スライド(ラム)が上型を押し下げることで板を変形させます。
曲げ角度は、材料の板厚や材質、スプリングバック(加工後の戻り変形)の特性を考慮して設定します。
精密部品では角度のばらつきが許容されないため、NC制御やサーボプレスを用いて高精度に制御するケースが増えています。
用途としては、自動車の補強リブや家電の筐体部品、建築用金具などがあります。
絞り加工は、平板の一部を引き延ばして立体的な形状にする工程で、深絞りや浅絞りに分類されます。
深絞りは高さのある容器形状を作るのに適しており、浅絞りは曲面や皿状の部品製作に使われます。
この加工では、材料が金型の角部で破れないよう、潤滑剤の塗布や加工速度の制御が重要です。
代表例として、自動車の燃料タンク、調理器具の鍋やフライパン、飲料缶などがあります。
切断加工(せん断加工)は、金属板を希望する形状に切り出す工程です。
パンチとダイ(金型)で板材を挟み込み、一気にせん断して切断します。
穴あけ、外形打ち抜き、スリット加工など、用途は多岐にわたります。
切断面の品質は金型の精度やクリアランス(隙間)に大きく依存し、バリや変形を抑えるために高精度の金型と適切な潤滑条件が求められます。
これらの板金プレス加工は単独で行われる場合もありますが、順送プレスやトランスファープレスのラインに組み込まれ、複数工程を連続して行うことで生産効率を大幅に向上させることができます。
また、最近ではCAE解析を活用し、加工時の材料流れや応力分布を事前に予測して金型設計を最適化する取り組みも進んでいます。
トランスファープレスと順送プレスの違い
プレス加工では、効率的に複数工程を処理するために「順送プレス」と「トランスファープレス」という代表的な方式があります。
両者は見た目が似ていても、工程の構成や製品の特性に大きな違いがあり、製造現場では用途に応じて使い分けられています。
順送プレス(Progressive Press)は、1枚のコイル材(ロール状の金属板)を送りながら、1台のプレス機に設置された複数の金型ステーションで順番に加工を行う方式です。
材料はフィーダーによって一定ピッチで送られ、各ステーションで打ち抜き、曲げ、絞りなどが順次行われます。
加工がすべて終わった段階で製品が完成し、同時に次の製品の加工が始まるため、サイクルタイムが非常に短く、大量生産に適しています。
代表的な用途は、端子やブラケット、シンプルな板金部品など、比較的平面的で薄肉の製品です。
順送プレスは材料歩留まりが良く、1台の機械で完成まで行えるため、省スペース・省人化にも有利です。
ただし、大きな立体形状や深絞りを伴う部品には不向きで、工程数が多い場合には金型構造が複雑になりコストが上昇する傾向があります。
トランスファープレス(Transfer Press)は、製品や半製品を搬送装置(トランスファーフィンガーやロボットアーム)で工程間に移動させながら加工する方式です。
こちらは通常、ブランク(板材を切り出した状態)を一つずつ金型にセットし、複数の独立した工程で成形を行います。
工程間では部品が持ち上げられて次のステーションへ移動するため、順送プレスでは困難な深絞りや複雑形状の加工が可能です。
自動車の大型パネルや燃料タンク、構造部材など、大型かつ立体的な製品に多く利用されます。
搬送装置は機械と同期して動作し、金型交換時にはフィンガー形状も変更する必要があるため、段取り替えに時間がかかる点はデメリットです。
両者の比較ポイント
・生産効率:順送はサイクルタイムが短く、大量生産向き。トランスファーは比較的遅いが、複雑形状に対応可能。
・製品形状:順送は平面的な板金、トランスファーは深絞り・大型部品向き。
・金型構造:順送は複数ステーションが一体化、トランスファーは工程ごとに独立。
・材料供給:順送はコイル材、トランスファーはブランク材が一般的。
・段取り性:順送は金型交換が比較的容易、トランスファーは搬送装置の調整が必要。
近年では、サーボプレスやロボット搬送技術の発展により、順送とトランスファーの中間的な「ハイブリッドライン」も登場しており、生産性と柔軟性の両立を図る動きが進んでいます。
自動車・電子機器など産業別の活用事例
プレス加工は、その高い生産性と寸法精度から、さまざまな産業で不可欠な加工方法となっています。
ここでは、自動車産業、電子機器産業、家電産業、建築・インフラ分野の4つに分けて、活用事例を詳細に解説します。
1. 自動車産業
自動車は数万点の部品から構成され、その多くにプレス加工品が使われています。
外板パネル(ドア、フェンダー、ルーフなど)は大型トランスファープレスで成形され、滑らかな曲面や強度を持たせるためのリブ形状が加えられます。
内装部品やブラケット、補強板なども順送プレスで大量生産されます。
特に最近は軽量化のためにハイテン材(高張力鋼板)が多用され、従来よりも成形荷重が増加しているため、サーボプレスや成形シミュレーションの活用が進んでいます。
また、電気自動車(EV)ではバッテリーケースや冷却プレートなど新しいプレス部品が登場し、深絞りや複合加工の技術が重要性を増しています。
2. 電子機器産業
スマートフォンやパソコン、家電製品の内部には、多数の微細なプレス部品が組み込まれています。
例えばコネクタ端子、シールドケース、ヒートシンク、バネ部品などです。
これらは高精度の順送プレスで製造され、数十〜数百工程を1台で連続加工することもあります。
材料には銅合金やステンレス、リン青銅などが用いられ、導電性やバネ性が求められるため、形状精度と材料特性の両立が課題です。
また、スマートフォン向けの部品では肉厚が0.1mm以下の極薄材加工も行われ、金型精度はミクロン単位で管理されます。
微細加工用プレス機には高精度フィーダーやサーボ制御が搭載され、歩留まり向上と量産安定性が重視されます。
3. 家電産業
冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの家電製品でも、プレス加工部品は外装・内装問わず多用されています。
外装カバーやフレームは大型の板金プレスで製造され、形状の美しさと表面品質が求められます。
一方で、内部のブラケットや機構部品は順送プレスで大量生産されます。
家電分野ではコスト競争が激しいため、材料の歩留まりや加工効率の向上が重視され、金型設計段階から材料展開の最適化が行われます。
また、海外工場での生産も多く、現地での金型メンテナンス体制や品質管理手法が重要になります。
4. 建築・インフラ分野
建築金物や配管部品、橋梁部品などにもプレス加工は活用されます。
例えば、配管用フランジやブラケット、電気配線用の端子やジョイント部品などです。
これらは耐食性や強度が求められるため、ステンレスや亜鉛メッキ鋼板が使用されます。
建築分野では製品サイズや形状が多様で、受注生産品も多いことから、汎用性の高いプレス機や金型の柔軟な段取り替えが重要です。
近年は耐震・耐風性能を高める部材や、エネルギー関連設備(太陽光パネル架台など)の部品でもプレス加工の活用が拡大しています。
このように、プレス加工は産業によって求められる材料や精度、コスト条件が異なるため、適切な機械選定や金型設計、加工条件の最適化が不可欠です。
今後は、軽量化材料の増加、製品の高機能化、短納期化といったトレンドに対応するため、サーボプレスや自動化システム、IoTによる生産監視の導入がさらに進むと考えられます。
プレス機械の構造と種類
プレス機械の基本構造(フレーム・スライド・クラッチ・駆動系)
プレス機械は、金型を介して材料に力を加え、成形や切断を行うための装置であり、その構造は大きく「フレーム」「スライド(ラム)」「クラッチ・ブレーキ」「駆動系」の4つの主要要素で構成されます。
これらは機械の性能や加工精度、耐久性に直結するため、設計段階から慎重な検討が必要です。
1. フレーム
フレームはプレス機の骨格部分で、加圧時に発生する荷重や反力を受け止める役割を担います。
剛性が不足すると加工中にたわみや振動が生じ、製品精度が低下します。
一般的には鋳鋼や溶接構造で製作され、C型(片側開放型)や門型(両柱型)などの形状があります。
C型は作業スペースが広く、段取り替えや材料供給が容易ですが、門型に比べて剛性が劣ります。
一方、門型は剛性が高く、大型・高精度加工に適します。
2. スライド(ラム)
スライドは上金型を取り付け、上下運動によって材料に圧力を加える部分です。
ガイド機構によってフレームに対して平行に動くよう制御され、ガイド精度が高いほど製品の寸法精度も安定します。
スライドのストローク長や速度は加工内容に応じて設定され、深絞りや曲げでは長めのストロークが、打ち抜きでは短く高速なストロークが有効です。
3. クラッチ・ブレーキ
クラッチは駆動系とスライドを接続・切り離しする装置で、必要なタイミングでスライドを作動させます。
従来は機械式の板クラッチやドッグクラッチが主流でしたが、現在ではエアクラッチや油圧クラッチが多く採用され、制御精度や安全性が向上しています。
ブレーキはスライドを確実に停止させるための装置で、安全面からも非常に重要です。
クラッチとブレーキが一体化したユニット構造も一般的です。
4. 駆動系
駆動系はモーターの回転力をスライドの上下運動に変換する仕組みです。
代表的な方式にはクランク機構、リンク機構、サーボ駆動があります。
クランク機構はシンプルで高速運転に適しますが、一定のストロークカーブを持つため加工タイミングの調整には限界があります。
リンク機構はスライドの下死点付近での滞留時間を長くでき、深絞りや精密曲げに有利です。
サーボ駆動はモーターの回転数や停止位置を自由に制御できるため、加工条件に合わせた最適なスライドモーションが可能です。
これら主要構造の設計・選定は、加工する製品の材質、形状、精度要求、量産規模などによって最適化されます。
例えば、高速・大量生産の小物部品にはC型フレーム+クランク式駆動、大型の自動車外板には門型フレーム+リンク式またはサーボ式が採用されることが多いです。
クランク式・リンク式・サーボ式の特徴と使い分け
プレス機械の駆動方式は、スライド(ラム)の上下運動の特性や加工適性を大きく左右します。
代表的な方式として「クランク式」「リンク式」「サーボ式」があり、それぞれに特徴と得意分野があります。
加工品の材質や形状、求められる精度や生産性に応じて使い分けることが重要です。
1. クランク式プレス
クランク式は最も一般的な駆動方式で、モーターの回転をフライホイールに蓄え、クランク機構を介してスライドの直線運動に変換します。
構造がシンプルで耐久性が高く、部品点数が少ないため保守も容易です。
ストローク中の速度はほぼ一定で、上下動が規則的なため高速加工に向きます。
打ち抜きや簡単な曲げ加工、薄板の大量生産などで広く用いられています。
ただし、下死点付近での滞留時間が短く、深絞りや塑性変形量の多い加工では材料に過度な負荷がかかりやすいという課題があります。
2. リンク式プレス
リンク式は、クランクとリンクを組み合わせた特殊機構を用いることで、スライドの動きを変化させた方式です。
特に下死点付近でスライドの速度を低く抑え、滞留時間を長く取れるのが大きな特徴です。
この動作特性により、深絞り加工や精密曲げ加工で材料の流動を安定させ、しわや割れを防ぎます。
また、下死点での衝撃荷重が低減されるため、金型寿命の延長にもつながります。
一方で、構造が複雑になり部品点数が増えるため、製造コストやメンテナンス性ではクランク式に劣ります。
主に自動車外板や家電筐体などの成形に用いられます。
3. サーボ式プレス
サーボ式はサーボモーターによってスライドを直接駆動する方式で、動作パターンをプログラムで自由に制御できます。
これにより、下死点での長時間滞留、途中停止、低速成形、高速戻しなど、多彩なモーションを実現できます。
深絞りや複合加工、異種金属加工など、条件が厳しい成形にも柔軟に対応でき、成形品質と歩留まりの向上に寄与します。
また、スライド動作の最適化によりエネルギー効率が高く、騒音・振動も低減できます。
ただし、初期投資コストが高く、制御系のメンテナンスやプログラム設定に専門知識が必要です。
近年はEV部品や高精度電子部品、自動車の高張力鋼板成形など、高度な加工分野で急速に普及しています。
4. 適材適所の使い分け
・高速量産・単純形状 → クランク式(コスト効率重視)
・深絞り・精密成形 → リンク式(成形性・金型寿命重視)
・多品種少量・高付加価値加工 → サーボ式(柔軟性・高精度重視)
現場では、同一工場内で3方式を併用し、製品や生産ロットごとに最適な機種を割り当てるケースも多く見られます。
Cフレーム・門型フレームなどの構造的違い
プレス機械のフレーム構造は、剛性・耐久性・作業性に大きく影響します。
代表的なのが Cフレーム(ギャップフレーム) と 門型フレーム(ストレートサイド) で、それぞれの特性と用途が異なります。
さらに近年ではハイブリッド構造や特殊フレームも登場しており、加工条件や製品仕様に応じた選定が重要です。
1. Cフレーム(ギャップフレーム)
C字形状のフレームを持つ構造で、前面・側面からの作業アクセスが容易です。
金型交換や材料供給がしやすく、段取り替えの効率が高いのが最大の利点です。
比較的コンパクトな設計が可能で、床面積の制約がある工場にも適します。
ただし、片持ち構造であるため、加圧時にフレームが開く「オープニング(たわみ)」が発生しやすく、大型部品や高荷重加工では製品精度が不安定になる場合があります。
そのため、主に小型〜中型の部品加工や試作、打ち抜き加工などに用いられます。
例としては、電子部品端子、家電の小型パネル、金属ブラケットなどの製造です。
2. 門型フレーム(ストレートサイド)
左右に2本の柱を持ち、上梁と下梁で構成される門型構造で、荷重を均等に受けることができます。
剛性が高く、加圧時の変形が少ないため、大型部品や高精度加工に適します。
門型ではダイ空間が広く、複数の金型を直列に配置するトランスファー加工や大型順送金型も搭載可能です。
その反面、構造が大きく重量も増すため、設置スペースや基礎工事の負担が大きくなります。
また、金型交換や段取りにはCフレームに比べて時間がかかる傾向があります。
主な用途は自動車外板、産業機械部品、大型家電の筐体などの成形です。
3. ハイブリッド構造・特殊フレーム
近年では、Cフレームの作業性と門型の剛性を両立させたハイブリッド構造も開発されています。
また、フレーム内部の応力集中を分散させるためにリブ補強や鋳鋼一体構造を採用した機種もあります。
さらに、大型化に伴い、溶接構造フレームと鋳物部材を組み合わせることでコストと剛性のバランスを取るケースも増えています。
特殊用途では、Hフレーム、4ポスト(四柱)型、Oフレームなども存在し、特定の加工プロセスに最適化されています。
例えば4ポスト型は金型交換の自由度が高く、試作や研究開発現場で好まれます。
4. 選定のポイント
・作業性重視・小型部品 → Cフレーム
・剛性重視・大型部品 → 門型フレーム
・両立や特殊形状 → ハイブリッド・特殊フレーム
このように、フレーム形状は単に外観の違いではなく、加工精度・耐久性・生産効率に直結する重要な要素です。
油圧プレスとメカニカルプレスの比較
プレス機械の大きな分類として「油圧プレス」と「メカニカルプレス」があります。
両者は駆動方式や動作特性、適用加工が異なり、それぞれのメリット・デメリットを理解することで、加工内容に最適な機械選定が可能となります。
1. メカニカルプレスの特徴
メカニカルプレスはモーターの回転をクランクやリンク機構を介してスライドの上下運動に変換する機械で、一般的に高速で繰り返し加工を行うのに適しています。
大量生産向けに向いており、サイクルタイムが短く生産性が高いのが特徴です。
加工ストロークや速度は機械構造で固定されるため、加工条件の柔軟性は限定的ですが、単純な打ち抜きや曲げ加工には非常に効率的です。
構造は比較的シンプルで耐久性が高く、メンテナンスも容易ですが、下死点でのスライドの動きが決まっているため、深絞りや複雑形状の成形には不向きな場合があります。
また、加工時に大きな衝撃が生じるため、振動や騒音が発生しやすい点も課題です。
2. 油圧プレスの特徴
油圧プレスは油圧シリンダーの圧力でスライドを押し下げる方式で、ストロークや圧力を自由に調整できるのが最大の利点です。
加工速度はメカニカルプレスに比べて遅いものの、一定の圧力を長時間かけ続けることが可能なため、深絞りや大型部品の成形に適しています。
また、油圧制御によりストローク途中で停止・保持できるため、複雑な成形工程にも対応できます。
油圧プレスは騒音や振動が少なく、加工精度も高いですが、構造が複雑でメンテナンスコストが高い傾向があります。
大きな荷重を発揮できるため、厚板加工や特殊材料の成形に用いられることが多いです。
3. 比較まとめ
項目 | メカニカルプレス | 油圧プレス |
---|---|---|
駆動方式 | モーター→クランク/リンク | 油圧シリンダー |
加工速度 | 高速 | 低速 |
ストローク調整 | 固定的 | 任意に調整可能 |
加圧時間の制御 | 短時間のみ | 長時間圧力維持が可能 |
騒音・振動 | 大きい | 小さい |
加工精度 | 一定だが柔軟性は低い | 高い柔軟性と精度 |
適用加工 | 打ち抜き、曲げの大量生産 | 深絞り、大型部品、複雑成形 |
メンテナンス | 比較的容易 | 複雑でコスト高 |
4. 最近の動向
近年はメカニカルプレスにサーボモーターを組み合わせた「サーボプレス」が普及し、メカニカルの高速性と油圧の柔軟性を併せ持つハイブリッド的な性能を実現しています。
一方、油圧プレスでもデジタル制御やIoT技術を用いた監視システムが導入され、生産性と安定性が向上しています。
プレス加工の現場では、生産規模や製品仕様に応じて両者を使い分けることで、コスト削減と品質向上を両立させています。
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