造形方式やメリット・デメリットなど!3Dプリンターについて解説します!
本日は3Dプリンターについて解説していきます!
造形方式やメリット・デメリットなど解説しますので、是非ご覧ください♪
3Dプリンターとは
何もない空間に立体モデルの材料を断面層に積層し、3Dデータに基づいて立体モデルを完成させる技術を3Dプリンティングといいます。
3Dプリンターとは、この3Dプリンティングを使った新しい造形方法の製造装置の総称です。
紙に印刷する2次元プリンターのようにインクジェット方式を採用したものがあったり、それまでの高速試作装置に比べて小型で扱いやすい点をアピールするために、なじみやすい「3Dプリンター」という名前が使われるようになったとも言われています。
また、3Dプリンターには「金属3Dプリンター」という種類も存在します。
こちらは金属を使用して、金属の造形を行うときに利用する3Dプリンターです。
機械の小さな部品やねじなどを造形する際に利用できます。
3Dプリンターを使うメリットとデメリット
3Dプリンターのメリット
開発期間と製造コストの削減
3Dプリンターとは3DCADのデータを取り込むことで造形ができる機械です。
図面のデータから3Dプリンターを動かすことができるので、その間に余計な工程がなくスピーディにものづくりができます。
試作品を社内で作成することで、外注コストなどを削減することができ、スピーディな製造やデザインの検証が可能になります。
品質・デザインの向上
前述の金型や従来の製造技術では難しかった形状の造形が作成できるようになります。
モデリングや出力の設定次第で、今までにない形状の造形も可能と言えるでしょう。
様々な材料が使える
3Dプリンターとは色々な材料を積層して造形し、形を作り込みます。
目的により材料が変わりますが、3Dプリンターは様々な材料が使えます。
プラスチック樹脂から金属まで、3Dプリンターに対応する材料は年々増えています。
15種類以上の材料を使うことのできる3Dプリンターもあります。
後述の造形方式や3Dプリンターの機種によって、使用できる材料の種類や数は変わります。
主な材料は「PLA」「ABS」「PC」です。
中でもPLAは多くの家庭向け3Dプリンターで使用でき、材料の色も豊富です。
アイデアをすぐに造形することができる
3Dプリンターとはアイデアをすぐ形にできます。
それには3DCADで3Dプリンター用のデータを作成するだけで造形できます。
従来は思いついたアイデアがあっても、すぐ手軽に造形することができませんでした。
ですが、3Dプリンターを使えばアイデアの具現化を簡単に行うことができます。
3Dプリンターのデメリット
層の積み重ねの造形に強度面で制約がある
一層一層の積み重ねで造形するので、一層一層のつながりが弱く、力を加えると壊れる場合があります。
量産には不向き
大量生産するのには材料、時間がかかり向いていません。
少量生産又は検討用試作向きの製法です。
3Dプリンターの材料
ABS
ABSは、一般的なプラスチック製品で広く使われて素材です。
大きな造形を苦手としていますが、他の材質と比べると粘着性と柔軟性にやや優れており、強度があります。
曲げや伸びに耐性があります。
後加工(やすりがけ作業や着色などの加工作業)が簡単で、出力後も扱いやすいです。
後工程で研磨などを行う試作品や、プラモデル・フィギュアのパーツ、稼働機構を持たせたいもの向きです。
PLA
PLAは、対応している3Dプリンターの多い素材です。
トウモロコシやじゃがいもなど、自然由来の素材を原料にしています。
そのため出力中の嫌な臭いがほとんど出ません。
造形中の冷えによっておこる歪みや反りに強く、出力が安定しています。
表面が硬くて丈夫なところが特徴で、削ったり磨いたりといった後加工がしづらい材料となっています。
形状確認や後工程の少ない実用品、大きいもの、耐摩耗性を確保したいもの向きです。
PC
PCは、プラスチック素材の中では最高レベルの耐衝撃性を持ちます。
ABSの5倍、塩化ビニール樹脂の10倍、アクリル樹脂の50倍の強さです。
加工にも優れ、外観が美しい光沢を放つことから、高級感を出したい家電製品や日用品などに使われています。
他のプラスチック素材に比べて、比較的軽量な特徴があります。
身近ではスマートフォンケースに使用されることもあります。
3Dデータの作り方
3DCAD
立体的な図を作成します。
高精度の部品も製品もできますが、扱いが難しいところがあるので慣れが必要です。
無料のソフトも多くあり、最初は操作が易しいソフトを選びましょう。
3DCG系ソフト
流線形のデータ作成に向いています。
人形など寸法が明確でない、自由曲面のある製品を作るのに適しています。
ゲームやアニメのフィギュアを作るのに利用されます。
3Dスキャナ
3Dスキャナですでにある製品をスキャンして3Dのデータにします。
一からデータ作成が不要で、3Dデータが作れます。
簡単に操作ができますが、スキャナ本体の価格が高いというデメリットがあります。
3Dプリンターを使う手順
①3Dデータを作成
3Dデータを3DCAD・3DCG・スキャナでデータを作成します。
または配布サイトからデータをダウンロードして造営します。
②3Dプリンターで印刷
次にパソコンと3Dプリンターをつないで、作成した3Dデータを送ります。
3DプリンターにWi-Fi機能があれば、Wi-Fiで操作、確認もできます。
メモリソケットがあれば、メモリーカードでデータを送れます。
後は3Dプリンターの手順に従って、サポート材や積層ピッチの設定をしてプリントを行います。
③造成物の後処理
プリンターの種類によりますが、乾燥、冷却、サポート材除去、洗浄などがあります。
光造成方式は造成後アルコール洗浄の必要があります。
熱溶解積層方式の場合は、表面をより滑らかにするのにやすり掛けなどする場合があります。
3Dプリンターの造形方式
材料押出法(FDM/FFF法)
FDMとは熱溶解積層方式の造形方法のことで、業務用でも使われる熱に溶ける樹脂を、一層ずつ積み上げていき造形していく造形方法になります。
FFFとも呼ばれますが、これらは呼び方が異なるだけで同じ造形方式を指しています。
溶けた樹脂はすぐに冷えて固まるため、危険性が少なく扱いやすいのが特徴です。
試作品や治具、簡易型の造形などに適しています。
ただ、素材を溶かして積み上げていくため、断層が目立ちやすいというデメリットがあり、表面の滑らかさが求められる造形物の出力には向いていません。
光造形(SLA法)
光造形方式は最も歴史が古く、世界で最初に1987年に3Dシステムズ社で実用化されたものがこの方式の3Dプリンターです。
そのため製造業などでは、3Dプリンターという言葉よりも「光造形」や「RP」といった言葉の方が浸透している会社もあります。
光造形方式で使用する樹脂は、光硬化性のものになります。
液体状の光硬化性樹脂を、紫外線レーザーで一層ずつ硬化させて積層していき造形します。
タンクにためた樹脂の液面から光を照射する「自由液面法」と、タンクの底のガラス板など透明な面を通して光を当てる「規制液面法」があります。
FDMに比べ、高精細かつ表面の滑らかな造形物を作成することが可能です。
粉末焼結(SLS法)
粉末焼結方式は、レーザー光線により粉末の材料を焼結させる造形方式です。
粉末焼結方式は光造形法と似たような方式で、ステージ上にある粉末をレーザー光線を照射させて焼結させます。
粉末が硬化したらステージを下げ、この作業をモデルが完成するまで繰り返し行います。
耐久性のある造形物を製作でき、また、金属素材も使用可能なので最終製品や鋳型の製造にも用いられます。
現状、金属材料を造形できる3Dプリンターは、この方式を採用するものがほとんどです。
材料噴射(インクジェット方式)
インクジェット方式というと、家庭やオフィスで普段使用している紙のプリンターを思い出すかもしれません。
紙のインクジェットプリンターの場合には、印刷用紙の上に、液体のインクをヘッドから細かい粒子にして吹き付けて文字を印刷していきます。
3Dプリンターの場合には、インクの代わりに液状の樹脂を吹き付けていきます。
液状の紫外線硬化樹脂を噴射して、それを紫外線などの特定の波長の光で照らすことにより、硬化させ積層させる方法です。
この方式は、一般に積層ピッチがFDM方式より薄くより細かい造形をすることが可能で、表面の仕上がりも滑らかに仕上がる特徴があります。
そのため、出力したいパーツに対して細かい造形がある場合に向いています。
また、高速に造形できることも特徴の1つです。
結合材噴射(インクジェット方式)
材料噴射法と同じくインクジェット・ノズルを使う方法ですが、造形材料ではなく、材料を固めるための結合材(バインダ)を噴射します。
造形エリア全体に敷き詰められた粉末状の造形材料に対して、上からバインダを吹き付けることで断面を硬化させ、一層分が出来上がったら、その上に次の層の粉末を供給して、同じプロセスを繰り返す方法です。
粉末状であればどのような材料でも使用できるそうで、石膏や砂、セラミックス、金属などのほかにも、チョコレートなど食品を造形できる3Dプリンターも開発が進められています。
シート積層法
薄いシート状の材料を断面形状で切断し、隣り合う層を接合しながら積層していく方法です。
シート状の厚さが、そのまま積層ピッチになります。
シート状であれば、どのような材料でも使用できることが特徴で、金属や樹脂のほかにも、紙を用いた3Dプリントなどが話題になったことがあります。
あらかじめ紙に色をつけておけば、立体モデルのフルカラー化も可能です。
指向性エネルギー堆積(レーザーデポジション)
レーザービームを照射した位置に、粉末材料を吹き付けることで肉盛溶接する技術(レーザークラッディング)をベースにした方法です。
レーザー照射と粉末材料の吐出しを行う加工ヘッドの位置を制御することで積層造形します。
原理上は、複数の材料が混在した立体モデルを一体造形することが可能ですが、金属材料の仕組みから、サポート部が必要になる形状を造形するには不向きです。
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