072-808-5555 電話でお問い合わせ
LINEでお問い合わせ

試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

ABS樹脂の魅力と可能性:万能素材の全貌を探る

ABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体)は、優れた加工性、外観性、機械的強度を兼ね備えた熱可塑性樹脂であり、日常生活から産業分野に至るまで幅広い用途で活躍しています。
その特性により、家電製品の外装部品や自動車の内装部品、さらには医療機器など、さまざまな製品に利用されています。
本記事では、ABS樹脂の基本的な特性から応用例、さらには加工技術に至るまで、包括的に解説します。

ABS樹脂とは

ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene Resin)は、アクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)の3種類のモノマーを共重合して得られる熱可塑性樹脂です。
それぞれのモノマーが異なる性質を持ち、組み合わさることで優れた特性を発揮します。
アクリロニトリルは耐熱性や耐薬品性、剛性を高め、ブタジエンはゴム成分として衝撃強度や靭性を与え、スチレンは加工性や表面光沢を向上させます。
これらが相乗的に作用するため、ABSは「三つの特性のバランスに優れた汎用エンジニアリングプラスチック」として広く利用されてきました。
ABS樹脂は、比較的低い温度で成形可能であり、射出成形や押出成形、真空成形など多様な加工法に対応できる点が大きな魅力です。
また、成形後の表面が美しく、塗装やメッキ処理との相性も良いため、外観部品や装飾品としても多用されます。
自動車の内外装部品、家電製品の筐体、建材、玩具など、私たちの生活のあらゆる場面で目にする素材の一つです。
さらにABSは、耐衝撃性と剛性のバランスに優れるため、衝撃を受けやすい部品や強度が必要とされる構造材にも使用されます。
例えば、自動車のバンパーやインストルメントパネル、OA機器の外装、パイプ継手、レゴブロックなど、機械的強度と外観品質が同時に求められる用途に適しています。
ただし、ABS樹脂は耐候性にやや劣り、屋外で長期間使用すると紫外線や風雨により劣化・変色する傾向があります。
そのため、屋外用途では耐候性を強化したグレードや、他樹脂とのブレンド品(ASA樹脂など)が使用されます。
また、耐熱性もエンジニアリングプラスチックの中では中程度にとどまるため、使用環境に応じた適切な材料選択が重要です。
このようにABS樹脂は、三種のモノマーの特徴を兼ね備えた万能型の熱可塑性樹脂であり、加工性・外観性・機械的強度をバランス良く求められる場面で欠かせない存在となっています。

ABS樹脂の歴史と開発の背景

ABS樹脂は、第二次世界大戦後の1940年代後半から1950年代にかけて工業化された比較的新しい合成樹脂です。
戦前にはすでにスチレン系樹脂やアクリル樹脂が登場していましたが、これらは剛性や透明性に優れる反面、衝撃に弱く割れやすいという欠点を抱えていました。
一方で、ブタジエンゴムは柔軟性と耐衝撃性を備えていたものの、成形性や耐熱性に乏しく、大規模な工業用途には向きませんでした。
そこで研究者たちは「剛性と外観性に優れるスチレン系樹脂」「耐衝撃性を持つゴム」「耐熱性や耐薬品性を付与するアクリロニトリル」を組み合わせることで、欠点を補い合い、バランスのとれた新素材を作り出すことを目指しました。
その成果がABS樹脂だったのです。
1950年代にアメリカやヨーロッパで商業生産が始まり、その後日本を含むアジアでも製造が拡大しました。
特に日本では高度経済成長期に入る1960年代以降、家電製品、自動車、建材など多様な産業でABSの需要が急速に高まりました。
例えば、テレビや冷蔵庫、洗濯機といった白物家電の筐体、ラジオや電話機などの外装部品、自動車の内装部品など、当時の「モノづくり」を象徴する製品の多くにABSが使われています。
また、レゴブロックに代表されるように、玩具産業においてもABSは欠かせない素材となり、子供から大人まで幅広い層に親しまれる製品を生み出しました。
ABSの歴史を振り返ると、その普及の背景には「バランスの良さ」と「加工性」があります。
既存の樹脂では実現できなかった強度と外観の両立を可能にし、しかも射出成形や押出成形といった量産性の高い加工方法に適していたため、急速に産業界へ浸透しました。
さらに、添加剤や他樹脂とのブレンドによる改良余地が大きかったことも普及を後押ししました。
その結果、ABSは「金属代替材」としてだけでなく、「装飾性と実用性を兼ね備えた樹脂」として多様な場面で利用され、現在も最も汎用的なエンジニアリングプラスチックの一つとして地位を確立しています。

ABS樹脂の物性と特性値

ABS樹脂は、その組成比率やグレードによって物性が変化しますが、一般的な特性値を示すことで、その性能を理解することができます。
まず、機械的特性としては、引張強さが約40〜50MPa、曲げ強さが約60〜80MPa程度であり、剛性と靭性のバランスに優れています。
また、アイゾット衝撃強さは10〜20kJ/m²と比較的高く、衝撃による割れに強いのが特徴です。
これは、分散したブタジエンゴム粒子が衝撃エネルギーを吸収し、クラックの進展を防ぐ働きをするためです。
熱的特性については、ガラス転移温度が約90〜105℃、ビカット軟化温度が90〜110℃程度となっており、日常的な使用環境では十分な耐熱性を示しますが、長時間高温にさらされる環境では性能が低下する可能性があります。
電気特性としては、絶縁抵抗が高く、電子・電気製品の筐体や内部部品に適しています。
また、吸水率が低いため、寸法安定性にも優れています。
化学的特性に関しては、酸やアルカリ、アルコール類に対しては比較的安定ですが、ケトン類やエステル類、有機溶剤には侵されやすい傾向があります。
さらに、紫外線に対しては脆化や黄変が進みやすいため、屋外使用には耐候性グレードや表面コーティングが必要です。
これらの特性値はあくまで標準的なABSのものですが、配合比や改良剤の添加によって大きく変化させることが可能です。
たとえば、ポリカーボネートをブレンドしたPC/ABSでは耐熱性が向上し、難燃剤を加えたABSではUL規格に準拠する難燃性を持たせることができます。
つまりABSは、基本性能に加えてカスタマイズ性が高く、幅広い用途に対応できる「応用範囲の広さ」が大きな魅力となっています。

ABS樹脂のメリットとデメリット

ABS樹脂の最大のメリットは「バランスの良さ」です。
剛性・靭性・加工性・外観性といった要素を総合的に備えているため、特定の特性に偏らず、多様な分野で利用できます。
加工性に優れるため複雑形状の部品でも容易に成形でき、塗装・めっきなどの二次加工との相性が良いためデザイン性の高い製品づくりに適しています。
また、電気絶縁性が高いことから電子機器の安全性向上にも寄与します。
一方で、デメリットも存在します。
まず、耐候性が低く紫外線による黄変や劣化が進みやすいことが挙げられます。
そのため、屋外用途ではそのままでは使用しにくく、ASA樹脂や表面コーティングで補う必要があります。
さらに、耐熱性も中程度であり、120℃以上の環境では軟化や変形が起こりやすいため、エンジンルームや工業炉周辺など高温環境下での使用には向きません。
また、有機溶剤に弱いため、化学薬品を扱う装置や環境では注意が必要です。
さらに、難燃性も標準グレードのままでは十分ではなく、家電や自動車部品など安全規格を満たすためには難燃剤を配合したグレードを選定しなければなりません。
リサイクル性についても、ABS単体では再利用が容易ですが、難燃剤やフィラーを含むグレードでは再資源化が困難になる場合があります。
このようにABS樹脂は「万能型」であるがゆえに突出した性能は持たないものの、コストパフォーマンスと設計自由度の高さから依然として多くの産業で重宝されており、弱点を補う技術開発も並行して進められています。

ABS樹脂の構造と性質

三元共重合による特性の発現

ABS樹脂の特性は、三種類のモノマーの組み合わせ方に大きく依存します。
アクリロニトリルは剛性と耐薬品性を与える役割を果たし、特に酸や油に対する耐性を強化します。
スチレンはガラスのような透明感や表面の美しさをもたらし、同時に加工のしやすさを実現します。
ブタジエンはゴム成分であり、分子内に分散することで衝撃吸収性を発揮します。
これらが相互に作用することで、ABSは硬さと柔軟性、光沢と強度、加工性と耐久性といった相反する特性をバランス良く兼ね備えることができるのです。
分子レベルで見ると、ABSはブタジエンゴムを基盤にした粒子にアクリロニトリル-スチレン共重合体が結合している構造を持っています。
この構造により、衝撃エネルギーがゴム粒子によって吸収・分散され、割れにくい性質が実現されています。
同時に、スチレン成分によって成形時に流動性が高く、複雑な形状の部品でも容易に成形可能です。
さらに、ABS樹脂は配合比を調整することで特性を自在に変化させることが可能です。
例えば、アクリロニトリルの割合を増やせば耐熱性や耐薬品性が向上し、ブタジエンを多くすると耐衝撃性が高まります。
スチレンを増やすと表面光沢や成形性がさらに良くなる反面、衝撃強度は低下する可能性があります。
このように、配合バランスの調整によってさまざまなニーズに対応できる点もABSの強みです。
また、ABSは電気絶縁性に優れているため、電子機器の筐体や内部部品に適用されることも多くあります。
さらに、無機フィラーや難燃剤を加えることで難燃性や剛性を強化した改良グレードも存在し、用途に応じて幅広く選択肢が用意されています。
結果として、ABS樹脂は単なる「汎用樹脂」にとどまらず、設計者が求める特性に合わせて調整できる「カスタマイズ可能な素材」として産業界での活用範囲を広げ続けています。

ABS樹脂の加工方法

射出成形による成形

ABS樹脂の代表的な加工法は射出成形です。
ABSは流動性が高く、金型の隅々まで樹脂が行き渡りやすいため、複雑な形状や微細なディテールを持つ部品でも高精度で成形できます。
例えば、自動車の内装部品や電子機器の筐体など、寸法精度と外観品質が求められる製品に適しています。
射出成形では、樹脂ペレットを加熱して溶融させ、スクリューで金型内に射出して冷却・固化させます。
このとき、ABSは溶融温度が比較的低いため(約200〜250℃)、他のエンジニアリングプラスチックに比べてエネルギーコストを抑えながら加工できます。
また、冷却後の収縮率が小さいため、寸法精度に優れた成形品が得られる点も大きなメリットです。
さらに、ABSは表面の仕上がりが良く、光沢感のある成形品を得やすいという特徴があります。
このため、成形後の追加加工を最小限に抑えられることも多いです。
加えて、ABSはめっき処理や塗装との親和性が高いため、成形品に高級感を与えるための二次加工が容易に行えます。
実際、クロムめっきを施したABS部品は、自動車のグリルや装飾部品、家電の装飾パーツなどに広く使われています。
ただし、射出成形時にはガスの発生やフローマーク(樹脂の流れ跡)が生じやすいため、金型設計や成形条件の最適化が必要です。
また、ABSは熱分解しやすいため、成形温度を過度に上げると変色や物性低下を招く恐れがあります。
そのため、成形機の温度管理や金型の冷却設計が品質を左右する重要な要素となります。
こうした理由から、ABSの射出成形は「高精度・高外観品質を実現できる方法」として幅広い業界で採用され続けています。

押出成形とシート成形

ABS樹脂は射出成形だけでなく、押出成形によっても幅広く利用されています。
押出成形では、樹脂ペレットをスクリューで加熱溶融し、一定の断面形状を持つ金型(ダイ)を通して連続的に成形します。
この方法によって、パイプ、異形材、板材、フィルムなどを製造することができます。
特に、ABSの寸法安定性と加工性の良さは押出成形に適しており、建材や家電部品の部材などに多用されています。
ABSの押出シートは、厚みが均一で表面が滑らかであり、さらに熱成形(真空成形や圧空成形)の前駆体としても利用されます。
例えば、自動車の内装パネル、浴槽、冷蔵庫のライナーなどは、ABSシートを熱成形して作られています。
ABSは耐衝撃性があるため、成形後の部品が割れにくく、また表面仕上げが良好なため、美観を重視する用途にも適しています。
押出成形時の注意点としては、ABSは熱分解しやすいため、シリンダー温度を過度に上げるとガスや変色が発生する可能性があります。
また、押出シートの冷却工程では、冷却速度が不均一だと反りや内部応力が発生するため、ロール温度や引き取り速度を最適化する必要があります。
さらに、厚物のシート成形では冷却効率の差によって収縮ムラが出やすいため、設備側の管理も重要です。
このように、押出成形とシート成形はABSの加工法の中でも特に重要な位置を占めており、成形後の二次加工や複合化を前提とした中間素材として広く活用されています。

真空成形・ブロー成形

ABS樹脂製品

ABSシートを原料とした真空成形は、家電製品や自動車内装部品の製造に多用される方法です。
加熱して軟化させたシートを金型に密着させ、真空で吸引して形を転写する成形法で、比較的低コストで大面積の部品を成形できる点がメリットです。
冷蔵庫の内装、バスタブ、ヘルメットの外殻など、大型かつ軽量で剛性が必要な部品に適しています。
ABSの耐衝撃性が高いため、成形後の製品は強度を保ちながらも軽量であり、加工後の切削や穴あけにも対応可能です。
ブロー成形は、ABSをパリソン(中空のチューブ状)に押し出し、金型で挟み込みつつ内部に空気を吹き込んで膨らませる方法です。
中空成形に適しており、燃料タンク、パイプ、容器、玩具などに応用されています。
ABSはブロー成形時に流動性が良いため、複雑な形状の中空部品も比較的容易に成形できます。
ただし、ポリエチレンやポリプロピレンに比べると延伸性に劣るため、大型の中空体にはやや不向きであり、比較的中小サイズの製品が中心となります。
真空成形やブロー成形に共通する課題は、加熱条件と冷却条件の制御です。
温度管理が不十分だと、表面の光沢不良やシワ、厚みムラが発生します。
また、ブロー成形では空気圧やパリソンの肉厚制御が重要であり、均一な製品を得るためには高度なプロセス管理が必要です。
それでも、ABSが持つ加工性と機械的強度のバランスは、これらの成形法において非常に有効に働いています。

ABS樹脂の用途と活用分野

自動車分野での利用

ABS樹脂は、自動車産業で非常に重要な材料です。
軽量でありながら剛性と耐衝撃性を兼ね備えているため、車両の安全性や燃費向上に貢献します。
特に、バンパー、インストルメントパネル、ピラーガーニッシュ、エアコンダクト、ドアトリムなどに広く採用されています。
これらの部品は外観品質や寸法精度が求められると同時に、衝撃を受ける可能性も高いため、ABSの特性が最適に活かされます。
また、ABSは塗装やめっき加工との相性が良く、高級感を持たせるための装飾部品にも用いられます。
自動車のグリルやホイールキャップ、内装の加飾パネルなど、外観の印象を左右する部品にABSが多用されているのはこのためです。
さらに、ABSは寸法安定性に優れているため、組み付け精度が重要な部品でも性能を発揮します。
環境規制の観点からも、ABSの利用は注目されています。
金属部品を樹脂化することで車体重量を削減し、燃費や電動車の航続距離を向上させることができます。
近年では、リサイクルABSや再生材を利用した部品開発も進められており、自動車業界の持続可能性への取り組みにも貢献しています。
ABSの自動車分野での応用は、単に材料の特性に依存するだけでなく、加工性や二次加工性、デザイン性の高さによって支えられています。
そのため、自動車産業においてABSは今後も欠かせない材料であり続けるでしょう。

家電製品における活用

ABS樹脂は、家電製品分野において最も広く使用されているプラスチックの一つです。
その理由は、①成形性に優れ複雑な形状の部品を容易に作れること、②外観品質が高く光沢性に富むこと、③衝撃や熱に対して十分な強度を持つこと、にあります。
冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジ、エアコン、テレビといった白物・黒物家電の外装や内部部品にABSは欠かせない存在となっています。
例えば冷蔵庫の場合、内部のライナーやドアポケットには押出シートから真空成形されたABSが多用されます。
低温環境でも耐衝撃性が維持されるため、食材の出し入れで衝撃が加わっても割れにくいという特長があります。
テレビやパソコンの筐体では、表面の光沢仕上げや塗装性の良さを活かし、高級感のあるデザインが可能となっています。
さらに、電気絶縁性が高いことから電子機器の安全性確保にも寄与しています。
家電製品は環境規制が厳しい分野でもあるため、近年では難燃グレードのABSやリサイクルABSの採用が進んでいます。
特に欧州RoHS指令やREACH規制への対応として、ハロゲンフリー難燃ABSが注目されています。
また、循環型社会の実現に向けて、使用済み家電から回収されたABSを再利用するリサイクル技術も普及しつつあり、環境負荷を低減する新しい動きも盛んになっています。
このように、ABSは「外観の美しさ」と「機能性のバランス」を求められる家電分野において非常に重要な役割を果たしており、今後も持続可能な材料として進化しながら活用されていくと考えられます。

玩具・日用品分野での応用

ABS樹脂の用途の中でも特に有名なのが「玩具」です。
その代表例はレゴブロックであり、世界的にABSを象徴する製品の一つです。
ABSは衝撃に強く、形状の寸法精度を高く保てるため、複雑な組み合わせを必要とするブロック玩具に最適でした。
さらに、鮮やかな着色性と表面の光沢性により、美観と耐久性を兼ね備えた玩具が可能になったのです。
玩具以外にも、文房具(ボールペンの軸、修正テープのケース)、キッチン用品(ミキサーの外装、収納ケース)、スポーツ用品(ヘルメット、ゴーグルの枠)、医療機器(カバーや持ち手部分)など、日常生活におけるABSの存在は非常に身近です。
これらは「軽量」「耐衝撃性」「加工性」といったABSの基本特性が、ユーザーが日常的に扱う道具に適しているためです。
また、ABSは印刷や加飾の自由度が高いため、デザイン性を重視する消費財に多用されています。
たとえば、家電と同様に日用品でも「表面の質感」や「カラーバリエーション」が重要視されることから、ABSはブランド戦略を支える素材の一つともいえます。
ただし、玩具や日用品は安全性規制が厳しいため、ABSの中でも食品衛生法や各国の玩具安全規格(EN71、ASTM F963など)に適合したグレードが使用されます。
こうした規格対応によって、子供から大人まで安心して使える製品づくりが可能となっています。

建築・インフラ分野での展開

ABS樹脂は建築資材やインフラ関連でも利用されています。
特に配管材、フィッティング部品、パネル材などに多く使われます。
ABS管(ABSパイプ)は、軽量で耐衝撃性に優れ、耐寒性も良好であるため、住宅やビルの排水・給水配管に用いられています。
塩ビ管に比べて柔軟性があり、衝撃による破損リスクが低いため、寒冷地での配管材として選ばれるケースも多いです。
建築分野では、ABS樹脂製の壁材、天井材、床材なども使用されます。
特にABSは他樹脂とのブレンド性に優れるため、耐候性を補ったASAや耐熱性を強化したPC/ABSを建材に応用する事例が増えています。
また、室内のインテリア部材として、成形性とデザイン性を活かした装飾パネルやハンドル、カバー類にもABSが利用されています。
さらに、鉄道車両や航空機の内装材、公共施設の備品などにもABSが応用されており、その軽量性と加工性が輸送効率や施工性の向上に貢献しています。
インフラ分野においては、メーターボックスや電気設備の筐体、通信機器のケースなど、耐久性と電気絶縁性を両立させた部材としても採用されています。
建築・インフラ分野でABSが重宝される理由は、「施工のしやすさ」と「安全性」です。
金属材料に比べて軽量で扱いやすく、加工現場での作業性を向上させるとともに、衝撃や落下に対しても破壊しにくい特性が評価されています。
今後は省エネ・環境対応建材として、リサイクルABSの活用も期待されています。

試作全国対応!
簡単・最短1時間お見積り

アスクならこんなお困りごとを解決します!

  • 他社では納期が間に合わないと言われた
  • 急な設計変更があった
  • 他社ではできないと言われた
  • 海外調達品の手直し・追加工
今すぐ無料でお見積りを依頼する

もっとアスクの事を知りたい!という方は
こちらもご覧ください!

株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
知っているようで知らない加工に関する知識をお届けします!

他、ブログ記事もご覧ください♪

動画の投稿もしておりますので良ければご覧ください♪