バレル研磨についての基礎知識!
本日は表面がピカピカになるバレル研磨について解説していきたいと思います。
基礎知識をしっかり身に付けたい方にはおススメですので、是非ご覧ください♪
バレル研磨とは

バレル研磨とは、製造品を仕上げて研磨する手法の一つです。
研磨は摩擦の力を利用してバリ取りを行い、表面に光沢をつけるための工程であり、バレル研磨の他には研磨布を使う「バフ研磨」や、砥石と一緒に回転させる「ロール研磨」などの方法があります。
バレル研磨の仕組み
バレル研磨は、タンク型の機械のなかに研磨させる製造品と研磨石や研磨剤、水を合わせて混ぜ合わせます。
混ざるときには一定の圧力がかかり動かすことになりますが、製造品や研磨石は重量や形状が異なるため、別の動きが発生します。
結果として製造品と研磨石が内部でぶつかり合うことになり、この衝撃で製造品を磨くというものです。
バレルという言葉には「樽」という意味があり、もともとは樽型のタンクを利用し槽内で研磨していたことからこの名前が付きました。
さらにタンクの中でどのように動かすかによって、バレル研磨の方法も細かく種類が分けられます。
バレル研磨の特徴
いくつかある研磨方法の中には手作業が必要となるものがありますが、手作業だと仕上がりにばらつきが出てしまいます。
バレル研磨の場合には装置で混ぜることで、作業担当者に関係なく仕上がりを一定にすることができます。
またタンクの中に複数の製造品を投入するために、多くの量を一度に研磨することができます。
バレル研磨に使用されるもの

コンパウンド:研磨の働きを助ける「潤滑剤」で、液体と粉末の2種類があります。
水:コンパウンドと一緒に入れます。
メディア:研磨石。セラミックや天然石など複数種類あり、研磨用途で使い分けます。
ワーク:製造品。工作物やパーツとも呼ばれています。
バレル研磨のコンパウンドの役割
コンパウンドは、バレル研磨の際に合わせて投入することで製品の精度を高める、前後の工程を省くことができるような機能を持っています。
コンパウンドの種類によってどの役割をもっているかが異なるため、コンパウンドの選定も最終的な仕上げに大きな影響を与えます。
製造品との相性や完成時の要望などによる選定が重要となります。
洗浄
メディアや製造品を投入することで研磨の性能を高める効果があります。
金属脱脂の目的などもあります。
光沢
コンパウンド自体に光沢を持たせる薬品が含まれているケースもあります。
防錆
水と金属を混ぜ合わせるバレル研磨の最中に、腐食しない目的の薬剤を含んでいるものです。
クッション
製造品とメディアが直接ぶつかることで、摩擦研磨以上のダメージを受けることを防ぐ役割となります。
粉末の分散
バレル研磨によって発生した製造品の粉末が再度付着する事のないように除去・分散させる目的です。
分散させることで粉末は装置の集塵フィルターなどに集積されます。
バレル研磨の主な種類
回転式バレル研磨
タンク全体を回転させることで内部を動かしゆっくりと研磨させる方法で、柔らかい印象の仕上がりになります。
比較的ランニングコストは控えめで、機器のメンテナンスも簡単であるという特徴があります。
一度に対応できる量は他と比較すると少なめで、数十分から長いものであれば数日間研磨作業を続けます。
振動式バレル研磨
タンク全体に振動を与えることで、内部を混ぜて衝突させる方法です。
タンクはお椀型で中央に振動モーターがついている形状が一般的となっており、密閉されていないため都度状況を確認することができます。
製造品を投入する面積が広く、大量生産するものに向いており、大きなものや長いものなどの対応が可能ですが、小物はあまり向いていません。
遠心式バレル研磨
一つの機器に観覧車のような形式で複数のタンクがついており、それぞれのタンクが自転し、かつ全体的に公転するようになっており、高速回転することで遠心力により内部を混ぜ合わせます。
一度に対応できるのは少量ですが、短時間で処理したい場合に向いています。
密閉状態のため途中でチェックすることができません。
小物製品に向いていますが、製造品に打痕が残ったり変形してしまう可能性があります。
流動式バレル研磨
洗濯機のような縦長のタンクで、底面の回転盤を回すことで流動する部分を作り出して混ぜます。
振動式と同様で、作業中に製造品の状態チェックが可能です。
作業時の騒音は少なめで装置は多数の種類があり、小型少量用から大型な大量用まで機種により幅広く対応できます。
しかし、構造上あまり長めの製品には向いていません。
バレル研磨のメリット
バレル研磨のメリットは、大量ロットの製品を一定の状態で仕上げることが可能ということです。
作業自体は装置の操作、経過状況のチェックなどのため、担当作業者によって品質が左右されることはありません。
人の手で研磨を行うと大変な小物部品でも、バレル研磨であれば大量に作業を行うことが可能であるということも大きなメリットです。
手作業が必要となる研磨機を用いた研磨の方法では、求めている製造ラインの商品量やコストに達しない場合に、バレル研磨で対応できることも多くあります。
バレル研磨のデメリット
デメリットとして装置に複数入れることのできないような大きな製品や、一つの装置を動かすだけの量がない少ロット製品の研磨には不向きです。
また、混ぜ合わせることで研磨する方法のため、製品の形状が複雑であったり、凸凹が多かったりするような面も同じように研磨したい場合には向いていません。
どのような手法やメディアを使用するかによっても仕上がりが左右されるため、事前の選定がとても重要になります。
一度に大量投入できる反面、向いていない方法やメディアで実施すると、そのときに入っていた大量のロットすべてが商品化できないという事態になることも注意しなければなりません。
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