電解研磨の加工方法やメリットなど解説します!
本日は電解研磨の加工方法やメリットなど解説します!
知ってる人も知らない人も是非ご覧いただければと思います。
電解研磨とは
電解研磨とは金属加工の一つで、電気分解を利用して金属の表面を溶かすことで、美しい仕上がりにできる技術です。
また、金属の表面を均一に美しく仕上げられることに加え、物理研磨では難しいキズの除去といった形状の修正や汚れの除去なども行えます。
そんな電解研磨は、主にステンレスやアルミニウム、チタンなどに対して用いられます。
電解研磨の原理
電解研磨の原理は、電気分解を利用して金属の表面を溶かすというものです。
対象の金属を陽極(正極)として、電解液を介して電流を流します。
これにより、陽極で酸化反応が起こり、金属の表面に酸化層が形成されます。
そして、この酸化層との距離がうまく関係して、金属の表面を凹凸がなくなるように溶かすのです。
①電解液への浸漬
電解液は、導電性を持つ溶液のことです。
導電性を持つことから、電解研磨において、電流を流す役割を持ちます。
そのため、まずは対象の金属をこの電解液に浸漬させます。
ちなみに、一般的には水溶液や有機溶液などが使用されます。
②酸化膜の成形
電解液に浸漬させた金属を陽極とし、電流を流します。
この時、電流は陽極から陰極へ流れますが、電子は陰極から陽極へ流れます。
その結果、陽極としている金属で酸化反応が起こります。
金属が電子を受け取ろうとして、イオンが電解液に溶けだし、同時に表面に酸化膜が形成されます。
③酸化層との距離がうまく関係して金属の表面を溶かす
酸化膜はほとんど平らな状態で成形され、この範囲は電気抵抗が高くなっています。
そのため、金属の表面の凸部分は電流が流れやすく、凹部分は電流が流れにくい状態となります。
結果、金属は電流の流れやすい凸部分から溶かされていきます。
そして、徐々に表面が平らになっていくのです。
④不動態被膜が成形される
金属の表面が平らになると、どの部分においても電流は流れにくくなります。
そして、金属の表面には不動態被膜が成形されます。
これにより、金属の耐食性が高くなります。
なお、不動態被膜も電流が流れることにより、厚みが均一となってきます。
電解研磨の方法
電解研磨は、陽極として対象の金属を、そして陰極の電極を、電解液を入れた電解槽に入れて、電流を流すというのが基本的な方法となります。
このとき、以下の2点がポイントとなります。
・金属と陰極の電極の距離はだいたい同じにする
・陰極の電極に面した部分しか電解研磨の効果は得られない
金属と陰極の電極距離がばらばらだと、電解研磨の効果もばらばらになってしまいます。
つまり、金属の表面の場所によって、仕上がりが異なっていたり、キズの修正や汚れの除去ができたりできていなかったりするということです。
また、これらと同じような意味ではありますが、電解研磨の効果は、陰極の電極に面した部分しか得られません。
例えば、金属の左面は電解研磨の効果を得られますが、右面は電解研磨の効果を得られないということです。
ちなみにこのような電解研磨の方法は成り行きと呼ばれます。
この場合、陰極の電極を複数用意するといった対策を行う必要があるのです。
このような対策を行うことで、箱形状の金属や円筒形状の金属の内面に、電解研磨も行うことができます。
電解研磨のメリット
・金属の表面の凹凸が溶かされて平滑化される
・金属の表面が鏡面仕上げになる
・金属の表面の傷の除去といった形状の修正がされる
・金属の表面の汚れが除去される
・金属の表面が平滑化されるため汚れがつきにくい
・金属の表面に不動態被膜が成形されるため耐食性が高くなる
電解研磨のデメリット
・金属の表面の場所によって得られる効果にばらつきが生じる恐れがある
まず挙げられるのは、対象の金属の表面の場所によって得られる効果にばらつきが生じる恐れがある点です。
すでにご紹介していますが、陰極の電極との距離がばらばらだったり、陰極の電極に面していなかったりすると、金属の表面に均一に電解研磨の効果を得られません。
・導電性を持たないものは電解研磨を行えない
また、根本的なことではありますが、そもそも導電性を持たないものは電解研磨を行えないことも挙げられます。
電気分解を利用して金属の表面を溶かすという原理のため、導電性を持つものでなければいけません。
・電解研磨を行った後に液だれが起こる恐れがある
そして、電解研磨を行った後に液だれが起こる恐れがあることもデメリットの一つです。
電解研磨は、金属を電解液に浸漬させて行います。
そのとき、金属に隙間があると、そこに電解液がしみ込んでしまうのです。
そのため、電解研磨を行った直後は大丈夫でも、時間の経過とともに液だれが起こる恐れがあるのです。
こちらの記事はJig Match様の記事を参照しております。
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