エンドミルの使い方や種類など徹底解説!!
本日はエンドミルについて解説していきます!
使い方や種類など解説していきますので、是非ご覧ください♪
エンドミルとは
エンドミルは、外周刃と底刃によって素材を切削する工具です。
よく似ている切削工具としてドリルがありますが、それぞれ加工の目的や方法が異なります。
ドリルはボール盤やマシニングセンタに取り付け、軸(上下)方向の移動のみによって穴あけを行う工具です。
一方、エンドミルはマシニングセンタやフライス盤に取り付け、水平面や垂直面、曲面などに三次元方向に移動させることで、様々な加工が行えます。
また、ドリルは先端の切刃のみで切削しますが、エンドミルは先端だけでなく側面にも切刃を有しているため、三次元的な動きで切削が行える点も両者の大きな違いです。
エンドミルのメリット・デメリット
エンドミルのメリット
鍛造やせん断加工、プレス加工といった塑性変形を伴う加工に比べ、エンドミルによる切削加工は寸法精度が高く、複雑な形状の加工が可能です。
放電加工やレーザー切断、ガス切断などのように、大きな熱を加えないため変形が少なく、被削材の表面を変質させずに加工できます。
サイズによって異なりますが、エンドミルは摩耗しても再研磨して使用できるので、経済的に優れている点もメリットといえるでしょう。
エンドミルのデメリット
エンドミルによる加工では、切りくずとして除去する部分が多くなるため、材料の歩留まりは悪くなります。
また、エンドミルの再研磨は、ドリルやバイトの研磨と比較すると難易度が高いです。
この点は他の切削工具に対して、デメリットになると言えます。
エンドミルの種類と形状
エンドミルは刃の形状以外にも、構造・材質・ネック形状・歯数などによって細かく分類されます。
経てば深彫りを行う際は、ロングネックと呼ばれる形状のものを、硬い金属を切削する場合には超硬エンドミルを使うといったように、種類を把握したうえで目的に適したエンドミルを想定することが大切です。
加工形状や被削材の材質などに合わせてエンドミルを使い分けることで、作業効率や加工精度、工具寿命は大きく変わります。
エンドミルの外周刃による種類
スクエアエンドミル
スクエアエンドミルは最も汎用性が高く、一般的に普及しているエンドミルです。
底刃がほぼ平坦で、水平面・垂直面の溝加工、肩削りなどに使われます。
また、切刃の種類も多く、荒削り、中仕上げ、仕上げのいずれにも対応できます。
ラフィングエンドミル
ラフィングエンドミルはスクエアエンドミルと同様に、底刃はほぼ平坦ですが、外周刃が波状になっているのが特徴です。
並状の部分により、切りくずが小さく分断されるため、切りくずの排出性に優れ、切削抵抗が小さいので被削材を大きく切り込むことができます。
ただし、大きく切り込む分、切削面が粗く、仕上げはできません。
コーナーR付きも多く存在します。
ボールエンドミル
ボールエンドミルは、刃の先端が球面(R形状)になっています。
三次元加工やR加工など曲面の切削には必須で、様々な加工形状に対応できるエンドミルです。
ラジアスエンドミル
ラジアスエンドミルはスクエアエンドミルに似ていますが、底刃と外周刃がつながる部分が球面(R形状)になっている点が特徴で、コーナー部の強度アップや高送りに適しています。
ボールエンドミルに比べ、使用できる形状は限定されるものの、平面切削だけでなく曲面切削にも使われます。
また、常に外周刃で切削することから、均一な切削面を作りやすいため、粗取りや中仕上げ、最終仕上げなど、幅広い用途で使われるエンドミルです。
テーパエンドミル
外周刃が円錐状になっていて、テーパ加工が可能なエンドミルです。
加工に応じて様々な角度のものを使い分ける必要がありますが、金型の抜け勾配を作る際に活躍し、リブ溝加工やインロー部の加工などにも使われます。
エンドミルの底刃の種類
スクエアエンド
スクエアエンドまたはフラットエンド、普通刃などと呼ばれ、コーナー部がピン角になっていて、水平面・垂直面の切削加工が得意です。
スクエアエンドは、さらにセンタカットとセンタ穴付きでタイプが分かれます。
センタカットはドリルのように、軸方向切込みによる穴あけ加工が可能です。
センタ穴付きは穴あけ加工できませんが、再研磨の際に両持ちできるため、優れた振れ精度の再現というメリットがあります。
ボールエンド
ボールエンドは、先端が丸くなっていて曲面の加工が得意です。
倣い加工などの三次元的な形状を加工する場合に活躍しますが、先端中心部のチップポケットが小さいため、切りくずの排出性は良くありません。
ラジアスエンド
スクエアエンドとボールエンドの中間的存在が、ラジアスエンドです。
先端の底刃部はほぼ平坦ですが、コーナー部にRがついていることから、隅肉部をR加工するときに用いられています。
また、水平面を切削する場合には、高硬度の被削材の高送り加工が可能です。
ネック部の種類による違い
ストレートシャンク
汎用的に使われているのがストレートシャンクで、一般的なネック形状です。
ロングシャンク
深堀用に使われることが多く、ストレートシャンクに比べ、少し長めのシャンクを持つため、突き出し長さの選択幅が広くなります。
ロングネックシャンク
ネック部分が一度くびれるように細くなるのが特徴で、全長も長いため深堀に最適です。
テーパネックシャンク
ネック部分がシャンクから刃部に向けて細くなっていく形状で、抜け勾配のついた壁際の深堀に使われます。
エンドミルの使い方
エンドミルは、マシニングセンタなどに取り付けて使うフライス工具の一種です。
同じく切削工具であるドリルが軸(上下)方向のみ移動するのに対し、マシニングに取り付けられたエンドミルは上下・左右・奥・手前と三次元に動かすことができます。
そのため、エンドミルを使用するフライス加工では、平面・壁面・穴あけ・溝切・肩加工・ポケット加工など様々な加工が可能です。
エンドミルの種類別の使い方
スクエアエンドミル
スクエアエンドミルはほぼ平坦な先端形状を持ち、水平面と垂直面を切削するのに使われます。
粗削りから仕上げまで用いることができる汎用的なエンドミルです。
ラフィングエンドミル
先端はほぼ平坦刃ですが、外周刃に小さな溝(または波状)があり、切削能力を上げているものはラフィングエンドミルと呼ばれます。
基本的な切削の特徴はスクエアエンドミルと同様ですが、切削能力が高く粗削りに向いている反面、切削面に細かい溝が残るため仕上げには向いていません。
ボールエンドミル
ボールエンドミルは先端が球状で、曲面加工を得意とするエンドミルです。
曲面を再現できるため、型を成型する際の加工で役割が大きく、主に仕上げで使用されます。
ラジアスエンドミル
スクエアエンドミルの底刃と外周刃がR形状(球面)に形成されており、R形状の切れ刃部分でも切削を行うものがラジアスエンドミルです。
ヘリカル加工も含め、水平面・垂直面の加工も可能な、汎用性の高い万能型のエンドミルで、ボールエンドミルと同様の用途で使われることもあります。
しかし、隅肉の直角を出すことはできず、使用できる曲面の形状も限定される点には注意が必要です。
テーパエンドミル
テーパエンドミルは、円錐状の外周刃が特徴です。
角度のついた面を作れるため、抜き勾配を考えなければならない金型製作をはじめ、リブ溝やインロー部の切削を行う場面で活躍します。
エンドミルの選び方とは
エンドミルを選ぶ際は、加工の目的から選定することもあります。
溝加工や粗削りなど、切りくずの排出性が重要となる加工をするなら2~4枚刃、高精度が求められる加工や高硬度の材料を切削するなら4枚刃以上といったように、作業や被削材の種類から考えるのも良い方法です。
エンドミルの選び方のポイント
エンドミルには様々な種類がありますが、目的に沿った最適なエンドミルを選ばなければ、加工速度や精度が落ちたり仕上げが悪くなったり、最悪の場合は機械や工具を壊してしまう可能性もあるため注意が必要です。
エンドミルの構造から選ぶ
エンドミルを構造から分類すると、シャンクから刃先の先端まで同一母材で一体型になっているソリッドエンドミルと、インサートと呼ばれる刃が別体となっていて、交換が可能なスローアウェイエンドミルの2つに大きく分けられます。
どちらにもそれぞれメリットがありますが、小径でも剛性が高く、摩耗しても再研磨すれば使用可能なソリッドエンドミルの方が、需要は高いと言えるでしょう。
加工したい被削材や精度から考える
エンドミルに使用される刃部の素材は、主にハイス鋼と超硬合金の2種類です。
ハイス鋼(超速度鋼)で作られたハイスエンドミルは、コストパフォーマンスに優れているものの切削速度の面では劣ります。
一方の超硬エンドミルは超硬素材で作られており、耐摩耗性が高く切削時の送り速度も上げられますが、靭性が低く高価格などのデメリットがあります。
それぞれ対応できる被削材が異なるため、被削材の材質や硬度によってエンドミルを使い分ける必要があります。
エンドミルの形状で選ぶ
エンドミルは外周刃や底刃の形状に応じて、ストレート刃・ラフィング刃・テーパ刃・スクエアエンド・ボールエンド・ラジアスエンドなどの種類があり、それぞれ得意とする切削加工が異なります。
ストレート刃は水平面と垂直面の切削に向いており、仕上げも可能です。
この外周刃に波状の加工を施したものがラフェング刃で、切削速度が速く粗削りに向いています。
インロー部やリブ溝などのテーパ刃を使うのが一般的です。
また底刃としては、隅肉まで直角の加工ができるスクエアエンド、曲面の加工を得意とするボールエンド、その中間的存在のラジアスエンドなどがあります。
加工内容に応じて歯数を選ぶ
エンドミルは歯数によっても切削能力と適した使用法に違いがあります。
一般的に歯数が少ないほど切削抵抗が小さく、切りくずの排出性も良くなるので、切りくずの排出性が重要となる溝加工や粗削りでは2枚刃が有利です。
しかし、歯数の少ないものは芯厚が小さくなるため、剛性が低くなりたわみが起こりやすくなります。
反対に、歯数が多いものは剛性が高くたわみが起こりづらいので、高精度が求められる場面では4枚刃を用いるのが一般的ですが、送りが高いと切りくずの排出性が悪くなるため、切りくずを多く排出する加工には向いていません。
刃長は加工する形状の深さや精度に合わせて選ぶ
刃長は、一度に切削できる深さに影響します。
刃長の長いものほど深く切削を行えますが、ビビりが発生しやすくなります。
また、無理な切削抵抗を受けた場合に折れやすいなどの注意点もあります。
加工形状から適切な刃長のエンドミルを選定することが重要です。
エンドミルの全長、大は小を兼ねない
エンドミルの全長は彫の深さに影響するため、深彫りが求められる場面では全長の長いエンドミルが必要です。
しかし、全長が長ければたわみも大きくなり、切削制度は落ちてしまいます。
また、エンドミルを保持具で保持する際、エンドミルの突き出しを長く出しすぎると、振れが悪化し刃が欠損したり破損の恐れがあり大変危険です。
必ず目的の加工に適した長さのものを選びましょう。
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