半導体の製作にも用いられるエッチング加工とは?
本日は半導体や金属の加工に用いられるエッチング加工について解説していきます!
知っている人も知らない人も是非ご覧ください♪

エッチング加工とは
エッチング加工とは、金属やガラスなどの表面に薬品やレーザーを用いて微細な加工を施す方法です。
主に、不要な部分を化学的または物理的に溶解・除去することで、精密な模様やパターン、溝を形成します。
この技術は、精密部品の製造や電子部品の基板加工、装飾品の模様形成など、多岐にわたる分野で利用されています。
エッチング加工は、写真製版技術と非常に似ており、特定のエリアのみを選択的に処理できる点が特徴です。
工程としては、まず素材表面に感光性のレジスト(保護膜)を塗布し、マスクを使って露光・現像します。
露光された部分が溶けて剥がれ、そこに薬品やレーザーを当てて素材を除去する仕組みです。
除去された部分だけが凹状に加工されるため、高精度なパターン形成が可能となります。
この加工法は、特に微細な加工が求められるプリント基板(PCB)の製造や、金属メッシュ、マイクロフィルターなどの製造で力を発揮します。
また、加工時に工具が素材に直接接触しない非接触型の手法であるため、材料への負荷が小さく、変形やバリがほとんど発生しないという利点もあります。
使用される材料と対応金属
エッチング加工に適用できる材料は多岐にわたりますが、特に金属材料との相性が良く、産業用途でも金属エッチングが主流となっています。
使用される金属には、それぞれエッチング液との反応性や加工性に違いがあり、目的や精度要求に応じた選定が重要です。
まず、代表的な対応金属としては以下が挙げられます。
・ステンレス鋼(SUS):耐食性と機械的強度に優れた金属であり、フィルターやスクリーン、装飾プレートなどに広く用いられています。
一般的には塩化第二鉄(FeCl₃)や硝酸系のエッチング液を使用します。
・銅(Cu)・銅合金:プリント基板(PCB)や電子部品の回路形成に使われる最も代表的な材料です。
過酸化水素と硫酸の混合液や、アンモニア系のエッチング液が使用されます。
・真鍮(黄銅):比較的加工しやすく、美しい金色光沢が得られるため、装飾用やネームプレート、メダルの製造にも利用されます。
・アルミニウム(Al):軽量で加工しやすい金属ですが、エッチングには特殊な薬品(苛性ソーダなど)を必要とするため、取り扱いに注意が必要です。
・ニッケル(Ni)・チタン(Ti):耐薬品性や耐熱性を持つ特殊金属で、医療用部品や精密機構部品に用いられます。
加工には高濃度の酸や混合薬品を使用します。
金属以外にも、ガラス、セラミックス、ポリイミドフィルムなどもエッチング加工の対象になることがあります。
ただし、金属と比較すると加工条件が異なり、レーザーやプラズマ、ドライエッチングといった方法が使われることが多くなります。
また、エッチング加工に用いる材料は、板厚が非常に薄いことが多く、通常は0.01mm〜1.0mm程度が標準です。
これは、エッチングの精度や深さ制御をしやすくするためで、厚すぎる材料には深堀り加工が難しくなるという課題があります。
素材選定時には、最終製品の用途・必要精度・加工後の耐久性・コストなどを総合的に考慮する必要があります。
たとえば、フィルター用途ならステンレス、電子回路なら銅、意匠性を求めるなら真鍮というように、目的に応じて最適な材料を選ぶことが、エッチング加工の成功を左右します。
加工原理と種類
エッチング加工は、大きく分けて「化学エッチング(ウェットエッチング)」と「物理的エッチング(ドライエッチングやレーザーエッチング)」の2系統に分類されます。
それぞれの原理と特徴を理解することで、用途に応じた最適な加工方法を選択できるようになります。
1. 化学エッチング(ウェットエッチング)
化学エッチングとは、酸やアルカリなどの液体薬品を使って材料の表面を溶解・除去する方法です。
もっとも一般的なエッチング方式であり、電子部品の製造や精密金属加工で広く使われています。
この方法では、まず加工対象の表面にレジスト(感光性保護膜)を塗布し、パターンが描かれたマスクを使って露光・現像します。
レジストが除去された部分のみがエッチング液にさらされ、化学反応によって素材が除去されます。
例えば銅には塩化第二鉄やアンモニア性過酸化水素が、ステンレスには硝酸やフッ化物が使われます。
特徴:
・非接触加工であり、バリや応力が生じにくい。
・同時に大量の部品を処理可能。
・微細な形状でも均一な深さで加工できる。
一方で、液体の広がり方や反応速度の制御が難しいため、加工精度には限界があり、アンダーカット(横方向への削れ)も発生します。
また、薬品管理や廃液処理など、環境負荷や安全性への対応も必要です。
2. レーザーエッチング(物理エッチング)
レーザーエッチングは、レーザー光を使って材料の表面を直接加熱・蒸発させることで、不要部分を除去する方法です。
マスキングや薬品を必要とせず、データから直接加工できるため、デジタルファブリケーションの一つとして注目されています。
レーザーの種類としては、CO₂レーザーやファイバーレーザー、YAGレーザーなどがあり、対象となる素材や求められる精度に応じて使い分けます。
加工速度が速く、小ロットや多品種生産、刻印・名入れなどに適しています。
特徴:
・薬品不要でクリーンかつ安全な加工が可能。
・CADデータから即時加工でき、柔軟性が高い。
・凹凸表現や彫りの深さも調整可能。
ただし、熱を加えるために材料に熱影響が及び、微細加工では精度に限界があります。
また、薄板では素材の変形リスクもあるため、適切な出力調整が必要です。
3. その他のエッチング方法
ドライエッチング(プラズマエッチング):プラズマやイオンビームを用いて、材料を気相で反応・除去する方法。
半導体製造で主流。
・電解エッチング:電気分解を応用して、金属を電極として溶解させる方法。模様形成や表面仕上げに用いられる。
・フォトエッチング:感光性レジストを使い、露光・現像・化学エッチングを組み合わせた精密加工手法。精密金属パーツの量産に最適。
このように、エッチング加工にはさまざまな方式があり、それぞれの特性を理解することで、製品の品質向上や工程の効率化に大きく貢献できます。
エッチング加工の工程と方法
エッチング加工における工程の中でも、レジスト塗布とマスキングは加工精度を左右する非常に重要なステップです。
この工程は、加工対象となる金属表面を薬品による腐食から一部守り、必要な部分のみを選択的に除去するための「準備段階」となります。
1. レジストとは?
レジスト(resist)は、エッチング液から素材を保護する役割を担う耐薬品性の高い樹脂膜のことです。
一般的には感光性レジスト(フォトレジスト)が用いられ、紫外線などで硬化または溶解する性質を持ちます。
レジストには以下の2種類があります。
ポジ型レジスト:光が当たった部分が溶解して現像されるタイプ。解像度が高く、微細なパターン形成に適しています。
ネガ型レジスト:光が当たった部分が硬化して残るタイプ。耐薬品性に優れ、大面積のパターンに向いています。
2. レジストの塗布方法
素材表面に均一なレジスト膜を形成するには、以下のような方法が取られます。
スピンコート:材料を回転させながらレジスト液を塗布し、遠心力で均一に広げる方法。電子部品など高精度加工に使用されます。
ロールコート:シート状の材料にロールを使って連続的にレジストを塗る方法。量産向けです。
ラミネート:ドライフィルム状のレジストを熱と圧力で貼り付ける方法。均一な厚さを得やすく、操作も容易です。
塗布後は乾燥工程(プリベーク)を行い、レジストを安定化させます。
3. マスキングの役割と露光
マスキングとは、レジスト塗布後に光を通すパターン付きのマスク(フォトマスク)を使って、目的の図柄のみを選択的に露光する工程です。
このマスクは、精密な回路や模様が描かれた透明フィルムやガラスで構成されており、露光装置を使ってレジストに紫外線を照射します。
この露光によってレジストが反応し、次の現像工程で不要なレジストを除去することが可能になります。
つまり、マスクは“どこを削るか、どこを残すか”という設計図のような役割を果たすのです。
露光時には以下のような注意点があります。
・光の波長や照射時間を適切に制御する必要がある
・マスクと素材の密着度を高めることで、鮮明なパターンを得られる
・ホコリや異物があると欠陥につながるため、クリーンな環境が必要
4. レジストとマスキングの重要性
このレジストとマスキングの工程がうまくいかなければ、エッチング精度の低下・パターンの歪み・不要な腐食などの問題が発生します。
とくに微細加工や大量生産においては、これらの前工程が最終製品の品質に直結するため、設備・環境・ノウハウの整備が極めて重要です。
現像・エッチング液の処理工程
エッチング加工において、レジスト塗布とマスキング(露光)が終わると、次は現像処理によって不要なレジストを除去し、エッチング液による実際の加工(腐食)を行う工程に移ります。
この段階は、製品の精度や仕上がりに直結する重要なフェーズです。
また、使用されたエッチング液の管理や廃液処理も、品質管理と環境配慮の両面で欠かせません。
1. 現像工程の概要
現像とは、露光されたレジストに化学反応を起こさせ、削るべき部分のレジストを除去する作業です。
ポジ型レジストであれば、光が当たった部分が溶解し、ネガ型レジストなら光の当たらなかった部分が除去されます。
これにより、金属表面のうちエッチング液にさらされる部分と、守られる部分とが明確に分かれます。
現像には通常、専用の現像液を用い、スプレー式・浸漬式・シャワー式などの方法で処理します。
現像液の濃度・温度・処理時間などの条件管理が不適切だと、レジストが完全に除去されなかったり、逆に必要な部分まで溶かしてしまう恐れがあります。
この工程の後には「検査」や「リンス(洗浄)」が行われ、不具合や異物がないかを確認し、表面を清潔に保ちます。
2. エッチング液による加工処理
次に行うのが、エッチング液を使った本加工です。
現像によってレジストが除去された部分が、化学薬品と反応して溶解・腐食されます。
エッチング液の種類は素材により異なりますが、以下が代表的です。
塩化第二鉄(FeCl₃):銅や真鍮などに使われる、最も一般的な薬品。安価で扱いやすいが、アンダーカットがやや大きめ。
硝酸+フッ化水素酸系:ステンレスやニッケルに使用。腐食力が強く、高精度加工に向く。
苛性ソーダ(NaOH):アルミニウム向け。強アルカリ性のため、取り扱いに注意が必要。
アンモニア性過酸化水素:銅の精密エッチングに。ガスが発生するため、換気・安全対策が必要。
エッチングの方法としては、以下の方式があります。
ディップ式(浸漬式):素材を薬品槽に浸す方式。シンプルで一括処理が可能。
スプレー式:ノズルからエッチング液を噴霧する方式。薬品の循環効率が高く、均一な加工が可能。
フロー式:エッチング液を薄い膜状に流して素材に接触させる方式。制御性に優れ、微細加工向け。
エッチング時間は、板厚や目的に応じて数秒〜数十分程度。
処理中は液温や濃度の管理、泡の除去、液の攪拌などにより、均一かつ再現性の高い加工が行えるようにします。
3. エッチング後の中和・洗浄・廃液処理
加工が終わると、素材は速やかに中和・洗浄されます。
これは、残留した薬品による過剰腐食や素材変質を防ぐためです。
中和にはアルカリまたは酸の溶液を使い、素材表面を安定させます。
その後、純水などでしっかりとリンスし、乾燥させます。
一方、使用済みのエッチング液には、溶け出した金属イオンや薬品成分が含まれており、環境汚染の原因となるため、適切な廃液処理が不可欠です。
多くの企業では以下のような処理方法を採用しています。
・金属イオンの回収(電気分解、沈殿処理など)
・中和・濾過による無害化
・専門業者による産業廃棄物処理
これらの工程を適切に管理することで、製品品質の安定化と環境への負荷軽減の両立が可能になります。
レジストの除去と仕上げ処理
エッチング加工における最終段階は、加工後に不要となったレジストの除去(剥離)と、製品としての完成度を高めるための仕上げ処理です。
この工程を丁寧に行うことで、製品の見栄えや機能性、品質の一貫性が保たれます。
1. レジスト除去(ストリッピング)
エッチングが完了した後、加工対象の表面にはまだレジストが残っています。
このレジストはすでに役目を終えているため、完全に除去する必要があります。
この工程は「ストリッピング(剥離)」とも呼ばれ、通常以下のような方法で行われます。
アルカリ性剥離液:感光性レジスト用に最も一般的な方法。薬品の温度や濃度、処理時間を適切に管理することで、素材にダメージを与えることなくレジストを除去できます。
有機溶剤系:強力な溶解力を持ち、厚膜や高分子系レジストに対して有効。ただし、臭気や引火性、環境への配慮が必要です。
プラズマ処理:微細なレジスト残渣や有機物を分解・除去するため、半導体やMEMS(微小電気機械システム)分野で使用されます。
レジストが完全に除去できていないと、後工程でのコーティングや接着に悪影響を及ぼすほか、外観不良の原因にもなるため、残渣の有無を確認する目視検査や顕微鏡観察が重要です。
2. 洗浄と乾燥
レジスト除去後は、素材表面に残った薬品成分や微細な異物を洗浄で取り除きます。
通常は純水(超純水)を使用し、リンス処理を行います。
必要に応じて、超音波洗浄機によって細部の汚れを除去することもあります。
その後、完全に乾燥させることで、水シミや酸化による変色、腐食を防ぎます。
乾燥方法には以下があります。
・ホットエアーブロー(温風乾燥)
・吸湿フィルムを使った無接触乾燥
・真空乾燥
素材や用途によって適切な方法を選定します。
3. 仕上げ処理
製品としての完成度を高めるため、エッチング後にはさまざまな仕上げ処理が行われることがあります。
以下は主な仕上げ処理の例です。
研磨(バフ、電解研磨など):表面の光沢を出したり、微細なバリを除去する。
防錆処理:加工面が金属の場合、酸化や腐食を防ぐために防錆コートやパッシベーション処理を行う。
寸法測定・外観検査:設計通りの寸法・形状・外観であるかを確認し、不良品の流出を防止。
パッケージング:搬送や保管時の傷・酸化を防ぐために適切な包装を行う。
また、製品の使用目的に応じて、後加工(曲げ、打ち抜き、接着など)が行われることもあります。
エッチングは基本的に「形状を作る」工程なので、最終製品としての完成には後工程との連携が不可欠です。
エッチング加工のメリット
1. 微細加工が可能
エッチング加工は、μm(マイクロメートル)単位の微細形状の加工が可能です。
フォトレジストを使ったリソグラフィと組み合わせることで、高精度な加工ができ、特に電子部品やMEMS(微小電気機械システム)のような微細・高密度な製品製造に最適です。
2. 非接触加工でバリが出にくい
化学反応や気体を使って材料を除去するため、物理的な接触がないというのも大きな利点です。
その結果、バリ(加工による突起)やひずみが発生しにくく、表面の平滑性が保たれやすいのが特徴です。
3. 多様な材料に対応可能
エッチング加工は、金属(銅、ステンレス、アルミなど)やシリコン、ガラス、樹脂など幅広い材料に対応可能です。
加工対象によって薬液やプロセスを選定できるため、多種多様な製品に応用できます。
4. 大量生産に適している
フォトエッチングの場合、一度に複数個の部品を同時に加工できるため、量産性に優れており、コスト効率も高いです。
精密なパターンを同じ精度で繰り返し再現できる点も、量産における品質安定化に寄与します。
5. 金型不要で短納期対応も可能
機械加工やプレス加工とは異なり、金型を必要としないため、試作や少量多品種生産にも向いています。
設計変更にも柔軟に対応でき、短納期の試作品製造にも重宝されています。
エッチング加工のデメリット
1. アンダーカットのリスク
エッチングは化学的に材料を溶解するため、加工エリアの下側まで横方向に腐食が進行する「アンダーカット」が発生することがあります。
これにより、寸法精度や形状が設計通りにならないリスクがあります。
特にエッジの直線性や角のシャープさを求める場合には注意が必要です。
2. 材料の厚みに制限がある
一般的な化学エッチングでは、厚みのある材料(例えば1mm以上)を加工するのは難しいとされています。
厚くなるとエッチング時間が長くなり、寸法精度が低下しやすくなるため、薄板向けの加工方法と言えます。
3. 薬品の管理・環境負荷がある
使用する薬品(例えば塩化第二鉄、過酸化水素など)は腐食性が高く、取り扱いや廃液処理に専門的な管理が必要です。
適切な排水処理や廃液リサイクルができないと、環境への影響が懸念されます。
4. 立体加工や深掘りには不向き
エッチング加工は平面的なパターン形成に向いていますが、三次元的な立体加工や高アスペクト比の深掘り加工には不向きです。
これらが必要な場合には、機械加工や放電加工、ドライエッチングとの使い分けが必要です。
5. 材料ごとのプロセス最適化が必要
素材によって適したエッチング液や処理条件が異なるため、一律の条件で加工できない点が難しさのひとつです。
また、特定の材料(チタンや難削材など)は化学的に安定しており、加工効率が悪くなるケースもあります。
半導体業界におけるエッチング加工の活用事例
エッチング加工は、半導体製造プロセスの中核技術のひとつであり、極めて重要な役割を担っています。
微細化が進む現代の半導体デバイスでは、数ナノメートル単位の構造を形成する必要があるため、フォトリソグラフィとエッチングを組み合わせた加工プロセスが不可欠です。
ここでは、半導体分野におけるエッチング加工の具体的な応用について解説します。
1. トランジスタや配線の形成
MOSFET(電界効果トランジスタ)などの基本的な素子構造の形成には、フォトエッチングとドライエッチング(プラズマエッチング)が用いられます。
シリコンウェハー上に酸化膜や窒化膜、金属膜などを積層し、それを選択的にエッチングして構造を作ります。
たとえば、ゲート電極やソース・ドレインのコンタクトホールを形成する工程では、垂直方向への高アスペクト比の深掘りエッチングが必要であり、反応性イオンエッチング(RIE)という方法が使われます。
これにより、数十nm以下の高精度なパターン形成が可能です。
2. フォトマスクの加工
半導体製造には、複雑な回路パターンを描いたフォトマスク(レチクル)が不可欠です。
フォトマスクは、石英ガラスにクロム膜を蒸着し、パターン部分だけをエッチングで除去することで製作されます。
この工程でもエッチングによる高精度な図形形成が要求され、最終的なICの性能と歩留まりに直結します。
3. 絶縁膜・バリア膜のパターン加工
半導体では、金属とシリコンが直接接触すると不都合が生じるため、間に絶縁膜(SiO₂やSi₃N₄など)やバリア層(TiN、TaNなど)を挟む必要があります。
これらの膜も、エッチング加工によって細かく加工・形成されます。
選択的なエッチング性能が求められ、膜ごとに異なるエッチングガスの選定と工程制御が重要です。
4. TSV(Through Silicon Via)加工
3D ICやSiP(システム・イン・パッケージ)では、チップを縦方向に積層し、電気的に接続するためにTSV(貫通ビア)という技術が使われます。
TSVでは、シリコン基板を数十μm〜数百μmの深さまで貫通させるため、深堀りの異方性ドライエッチングが活用されます。
これにより、高密度かつ高性能な3次元構造の形成が実現します。
5. エッチングによる微細化の推進力
半導体業界では、ムーアの法則に従って、微細化が長年にわたって進められてきました。
その中で、露光技術(EUVなど)とともに、エッチングの高精度化が限界微細化を支える柱となっています。
例えば、従来の等方性エッチングでは対応できなかった微細構造も、異方性エッチング技術の進化により可能となり、7nm、5nm、さらには3nmプロセスへの対応が進んでいます。
6. 環境・安全対応の課題も
高性能なエッチング加工を実現するには、高度な薬液やガスを使用するため、作業環境の安全性や薬品の管理、廃棄処理などの環境負荷対策も課題となります。
近年では、フッ素系ガスに代わる環境負荷の少ない代替ガスや、排ガス処理装置の高度化など、環境対応も重要視されています。

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