溝加工の種類などをご紹介します!
本日は溝加工について解説していきます。
溝加工の種類などご紹介していきますので、是非ご覧ください♪
溝加工の目的
溝加工は、部品の設計にそって被削材に溝を掘る加工のことです。
組み合わせる部品同士の位置決めや、部品を取り付ける場所を設けるために行います。
例えば、回転軸に別の部品を取り付ける場合、そのまま部品に軸を通してはめ込んでも、回転時の惰性や回転にかかる負荷によって空回りしてしまいます。
しかし、回転軸と取り付ける部品に溝加工を施して組み合わせれば、両方が確実に固定された状態になって、空回りを防ぐことが可能です。
このように、溝加工は回転の力を伝えたり、部品同士を確実に組み合わせたりする重要な役割を持っています。
溝加工の種類
溝加工は、掘る溝の形状や使用目的などから、複数の種類に分けることができます。
キー溝加工やT溝加工、アリ溝加工、スプライン加工などが代表的な溝加工の例です。
加工には、フライス盤やマシニングセンタ、スロッター、ブローチ盤などの工作機械が使われ、それぞれ加工方法や使用する切削工具も異なります。
ここでは、代表的な溝加工の特徴と、フライス盤で加工する場合に使用する切削工具をご紹介します。
キー溝加工
キー溝加工は、機械部品をはめ込むためのキー溝を作る加工です。
キー溝の断面は四角形で、はめ込んだ部品がずれないようにする役割を持ちます。
フライス盤で加工する場合は、側フライスや溝フライス、エンドミルといった切削工具を使用します。
T溝加工
断面がアルファベットのTをさかさまにしたような形状に見える、T溝を作る加工です。
下部の広くなっている部分に、ナットやボルトの頭部を入れることで、ねじによる固定が行えるようになります。
フライス盤で加工する場合は、キー溝と同様に、側フライスやエンドミルで1本の溝を掘った後に、「T溝フライス」「Tスロットカッター」と呼ばれる専用の刃物を使い、下部の広い部分を加工します。
アリ溝加工
T溝は下部の広い部分が四角形なのに対し、Yをさかさまにして底辺を平らにしたような見た目をしているのがアリ溝の特徴です。
位置決めステージやシリンダーなど、正確に位置決めしたいものの案内機構として使われます。
アリ溝の加工には、「アリ溝フライス」と呼ばれる専用の切削工具を使います。
スプライン加工
回転軸の外周や取り付ける部品の内周に、嵌合させるための溝を作る加工です。
スプラインによる嵌合は、四角形状の溝がいくつも施されているため、高い強度を持たせることができます。
スプライン加工は、フライス盤だと行えないため、加工の際はスロッターやブローチ盤を使用します。
溝加工時の注意点と対策方法
溝という貫通していない形状を加工する溝加工では、特有の課題が発生する場合があります。
加工精度や工具寿命の低下、切粉の排出不良などが、溝加工の代表的な課題です。
ここでは、溝加工ならではの注意点と対策方法をご紹介します。
加工面の精度低下
溝加工においては、生産性を高める目的で、一発溝入れのような手法がとられることがあります。
一発溝入れでは加工面の仕上げ加工がおこなわれないので、仕上げ精度が低下し、不良が連続発生することも考えられます。
特に、加工面の精度が下がる原因になるのが、ビビリの発生です。
深い溝を作る場合は、工具の突き出し量も長くなるため、ビビリが発生しやすくなってしまいます。
ビビリの対策としては、剛性が高い超硬の切削工具や、突き出し量が短い切削工具を使うことが有効です。
切削工具の寿命低下
深い溝加工は切削工具への負荷が高く、寿命が短くなりやすい点も課題として挙げられます。
工具寿命を長くするために、切粉の排出性改善や高性能なクーラントの使用、コーティングの見直しなどを行う必要があります。
切粉の排出不良
深い溝加工では、切粉の排出も大きな課題の一つです。
逃げ場のない溝の最深部に切粉がたまりやすいため、切粉の排出不良が原因で、加工精度の低下につながる恐れがあります。
切粉を確実に排出するために、クーラントの適切な供給や切削条件の調整などを行うことが重要です。
また、エンドミルよりも溝フライスのほうが切粉の排出性が高いです。
切削工具の使い分けといった工夫も、有効な切粉の排出不良対策になります。
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