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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

硬質クロムめっきの基礎知識をお届けします!

本日は硬質クロムめっきについて解説していきます。
基本的なことをお伝えできればと思いますので、是非ご覧ください♪

硬質クロムめっきとは

めっきの様子のイメージ画像

硬質クロムめっきは硬度と耐摩耗性、密着性に優れていることから工業製品によく使われているため、JIS規格では「工業用クロムメッキ」とも呼ばれることがあります。
硬度はHv750以上あり、膜厚は1μm~100μmまでありますが、メッキを厚くすることでより高い耐久性を得ることも可能です。
この硬度・耐摩耗性・耐食性はめっき皮膜の物性が関係しており、その皮膜物性に大きく関わっているのがクロムめっき浴の浴組成とめっき条件です。
最近の傾向では高硬度、高耐食、高効率の「HEEF浴」と言われるマイクロクラッククロムめっき浴が増えています。
硬度や耐摩耗性があるほかにも、クロムめっきは摺動性や離型性が良いという特徴があります。
そうした性質があることも、硬質クロムめっきが工業製品や機械部品に多く使われる理由の1つです。

硬質クロムめっきの特徴

硬質クロムめっきは、直接母材にクロムめっきを施し、硬度が高く耐摩耗性がある皮膜を作る事ができます。
硬質クロムめっきの特徴は大きく、高硬度、耐食性、膜厚を厚くする、耐摩耗性などがあります。

高硬度

硬質クロムめっきのイメージ

電気めっきの中では、最も硬い皮膜をつけることができる処理です。
硬さは、膜厚が25μm以上でHV800~1000で、JIS(H8615)では、20μmのビッカース硬度がHv750以上になっています。

耐食性

クロム表面に瞬時に酸化膜を形成することで、銅より貴な電位を持ち、耐食性に優れています。
塩化物以外の化学薬品に対して安定であり、大気中でも10μm以上の厚さをもつ皮膜は、比較的良好な耐食性を示します。
また下地めっきを施すことでさらに耐食性を向上させることができます。

膜厚

1~1000μm程度とされ、10μm以上の厚さを持つ皮膜は良好な耐食性を示し、大気中で安定性のある表面を維持します。
硬質クロムめっきの皮膜は、複雑な形状に対して均一な厚みで析出させることが難しく、凸部にめっきが多く析出し、凹部に少ししか析出しない傾向が大きいです。
硬質クロムめっきの特徴として、均一電着性が悪いため、めっきの膜厚の均一化が難しいとされています。
そのため、製品の寸法や精度を保ちつつ、めっき膜厚を一定に仕上げるための、専用治具などの製作が必要になります。
また、膜厚が薄いとクラックが素地にまで達するため、湿気の多いところでの使用・保管では防錆油塗布による表面保護が必要になります。

耐摩耗性

皮膜硬度が高く摩擦係数が小さいので、耐摩耗性に優れています。
耐摩耗の目的で、摺動する面にメッキをする場合、注意すべき点としてかじり現象があります。
硬質クロムめっき同士で摺動させた場合、両者とも硬い皮膜のため、摩耗は非常に少ないようにように思われがちですが、実際にはかじり現象を起こして両者とも急速に摩耗してしまうので注意が必要です。
このようにクロム被膜と摩耗してかじり現象を引き起こしやすいものに、砲金・黄銅なども含まれています。

硬質クロムめっきのメリット・デメリット

硬質クロムめっきのメリット

・光沢のある外観(レベリングの効果はあまりない)
・皮膜が硬い Hv1000程度
・耐摩耗性が非常に良好
・厚付けが可能

硬質クロムめっきのデメリット

・めっき作業、治具に熟練を要する
・めっき厚のばらつきが大きい
・大電流を要する
・めっき速度が電気めっきで最も遅い
・有害な六価クロムが主成分の液組成(ただし、皮膜は金属クロム)

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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