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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

ラップ加工とは?加工の勉強タイム☆

本日はラップ加工について解説していきます。
お勉強として見ていただければと思いますので、是非ご覧ください♪

ラップ加工とは

鏡面のイメージ

ラップ加工は、ラップと呼ばれる定盤の上に加工ワークを置き、圧力をかけながらワークをこすりあわせることで、精密に研磨する加工方法です。

ラップ処理とも呼ばれ、特に鏡面仕上げを目的として行う場合はラップ仕上げと呼ばれます。

砥粒を含んだラップ材を加えることで、加工ワークの表面を滑らかに研磨できるので、平面研削に比べて精度が高く、0.1ミクロンの表面粗さの鏡面仕上げができます。
ラップ加工にはラップ盤が使われます。

ラップ加工に使われるラップとラップ材

ラップ

ラップは、加工ワークを置くための円形の定盤(水平の台)です。
主に鋳鉄が使われますが、ワークの素材に合わせて、銅合金や鉛などの柔らかい金属が使われていることもあります。

ラップ材

ラップ材は、砥粒に少量の潤滑油を混ぜたものです。
砥粒には、用途に合わせて様々な素材が使われます。

ラップ材の素材

・アルミナ
硬度や耐熱性が安定した砥粒です。
鉄鋼のワークに使われます。

・炭化ケイ素
アルミ合金や銅合金など、非鉄金属のワークに使われる砥粒です。

・ダイヤモンドスラリー
人工ダイヤモンドを使った砥粒です。
超硬合金やセラミックスなどのワークに使われます。

湿式ラッピングと乾式ラッピング

ラップ加工は仕上げの目的によって、湿式と乾式に分けられます。
ラップ材に混ぜる工作液の量によって、仕上がりが変わります。

湿式ラッピング

ラップ材に工作液(石油や機械油など)を加え、低圧でラップ加工を行います。
砥粒が転がることで、ワークが削られます。

加工量が大きいため、粗仕上げや中間仕上げの工程で使われ、表面は梨地の無光沢に仕上がります。

乾式ラッピング

ラップの微小な凹凸にラップ材をすり込み、高圧でラップ加工を行います。
砥粒の上をワークが滑ることで、削られていきます。

加工量が少ないため、精密仕上げ工程で使われ、表面は光沢のある鏡面に仕上がります。

ラップ盤の種類

加工のイメージ

ラップ盤は、ラップ加工で使われるNC工作機械です。

ラップと加工ワークをそれぞれ回転させ、圧力をかけながらこすり合わせることで、表面を滑らかに研磨します。
ラップにV溝を作る事で、球状のワークのラップ加工もできます。

ラップの数によって、「片面」「両面」などのタイプがあります。
両面ラップ盤は作業効率が高く、量産に最適です。

片面ラップ盤

一つのラップを使い片面のみをラップ加工します。
リングの中に加工ワークを入れ、ウェイトで荷重をかけます。

両面ラップ盤

2台のラップを使い、両面をラップ加工します。
キャリアの中に加工ワークを入れて、上下をラップで挟みます。

心なしラップ盤

心なし研削盤と同じ要領でラップ加工を行う機械です。
円筒状ワークの精密仕上げで使われます。

ラップ加工以外の研磨加工

研磨加工には、ラップ加工以外にも様々な種類があります。
砥石や砥粒を使った研磨加工をご紹介します。

ホーニング加工

ホーニング加工は、「ホーン」と呼ばれる回転工具を往復運動させ、加工ワークの内面を精密に研磨する加工方法です。

ホーンの周りには、複数のダイヤモンド砥石が取り付けられており、ばねや油圧による内圧で砥石を加工ワークお内面に押し付けます。

1ミクロン以下の高い精度で、公差が厳しい穴や真円度の高い穴の仕上げが可能です。
リーマ加工やNC研削盤による内面研削に比べ精度が高く、量産部品の最終仕上げに適しています。

ホーニング加工にはホーニング盤が使われます。

超仕上げ

超仕上げは、低速で回転する加工ワークに砥石を押し付けて、ワークの表面を精密に研磨する加工方法です。

砥石に小さな振動を与えながら、ばねや油圧を使い、低圧で押しつけることで、円筒状の加工ワークの表面を滑らかに仕上げます。

円筒研削に比べ精度が高く、0.1ミクロン以下の表面粗さの鏡面仕上げができます。

テープ研磨

テープ研磨は、砥粒を塗布したテープを加工ワークに押し付けて、精密に研磨する加工方法です。
形状の加工ではなく、磨きによる表面粗さの仕上げや、コントロールが目的となります。

粒度の細かいテープや粗いテープなどのフィルムを交換することで、鏡面仕上げや荒仕上など、目的の表面粗さに調整することができます。

テープ研磨には専用のテープ研磨機や、NC研削盤・各種工作機械に取り付けられるテープ研磨ユニットなどが使われます。

バレル加工

バレル加工は、プレス加工や切削加工で出来たバリを除去するための後工程です。
バレルと呼ばれる容器に製品と研磨剤を入れ、回転させながらバリをこすり落とすことで、細かな傷がなくなり、光沢のあるきれいな表面に仕上がります。

小さな部品や複雑な形の製品でも一度に研磨することができるため、鋼材からプラスチックの研磨まで幅広く使われています。
平らな容器内で、振動させながらバリを落とす振動バレル加工もあります。

こちらの記事ははじめの工作機械様の記事を参照しております。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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