LINEでお問い合わせ

試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

精密板金とは?メリットや板金加工の違いを簡単解説!

本日は弊社でも加工可能な「精密板金」について解説していきます!!

必達試作人
必達試作人
短納期の精密板金加工は大阪のアスクへ!

精密板金とは

ヘリサートされた試作品

精密板金とは、薄い金属板を切断・曲げ・溶接などの加工によって、機械部品や筐体などの高精度な製品を製造する技術のことです。
通常の板金加工と異なり、精密板金は寸法精度や仕上がりの美しさが求められるため、設計段階から加工方法や組立工程を綿密に計画する必要があります。
加工対象の材料には、ステンレス、アルミニウム、銅、鉄などが使われ、それぞれの材質特性を活かした加工ノウハウが要求されます。
特に、精密機器や電子機器、医療機器などの分野では、部品同士のわずかなズレが製品全体の性能に大きく影響するため、高度な品質管理が不可欠です。
加えて、近年ではCAD/CAMの導入により、設計データから直接加工プログラムを作成できる環境が整い、さらなる高精度化と短納期対応が実現されています。

精密板金加工と板金加工の違い

一見すると似た言葉である「板金加工」と「精密板金加工」ですが、実際には加工の目的や求められる精度、使用される設備や工程管理のレベルに大きな違いがあります。
まず、板金加工とは、金属板を切断・曲げ・溶接するなどして、部品や構造物を作る加工全般を指す幅広い用語です。
車のボディパネルや建築の屋根材、空調ダクトなど比較的大きなサイズで、強度重視の製品も多く含まれます。
一方で、精密板金加工は、その中でも特に寸法精度が高く、外観品質も求められる部品を製造するための高度な加工を意味します。
電子機器の筐体や医療機器のフレーム、制御盤の内部構造など、ミリ単位、時には0.1ミリ単位の精度が求められる部品を対象にしています。

また、設備面でも違いが見られます。
一般的な板金加工では手作業や汎用機を使用するケースが多いのに対し、精密板金加工では、レーザー加工機、NCタレットパンチプレス、NCベンダー、CAD/CAMシステムなどが導入されており、設計から加工までのデジタル化が進んでいます。
さらに、検査工程においても、精密板金では三次元測定機や画像測定機などの高精度な測定機器を使用し、品質保証体制が整備されているのが一般的です。

つまり、精密板金加工は、板金加工の一種ではあるものの、その中でも特に「精度」「品質」「工程管理」の面で高度な水準が要求される専門分野といえます。
したがって、単なる「切って・曲げて・つなげる」という作業ではなく、製品全体の性能や信頼性に直結する精密なモノづくりが求められるのです。

精密板金加工のメリットとデメリット

精密板金加工は、さまざまな分野で重宝されている高度な加工技術ですが、当然ながらメリットだけでなくデメリットも存在します。
以下にそれぞれの特徴を整理して解説します。

メリット

1つ目の大きなメリットは、高精度な部品の製作が可能な点です。
精密板金では、ミリ単位はもちろん、0.1mm以下の寸法精度を維持することができ、厳しい公差が求められる電子機器や医療機器の筐体部品に最適です。
また、複雑な形状にも対応できる柔軟性も大きな強みです。
レーザー切断やNC制御のベンダーを活用することで、試作や一品物なども迅速かつ正確に加工できます。

さらに、金型不要の加工方法(例えばレーザー加工やタレパン)により、小ロット生産や多品種少量生産に向いており、コストや納期面でのメリットもあります。
CAD/CAMの活用によって、設計から製造までのデジタル化が進んでおり、設計変更やトライアルの対応もスピーディです。
また、最終製品の見た目や仕上がりも重要視されるため、外観品質も高く、美観性が必要な製品においても信頼されています。

デメリット

一方で、デメリットとして挙げられるのは、コストの高さです。
精密板金加工では、高精度な設備・工具・測定機器が必要であり、それらの維持費や技術者の人件費が製品コストに反映されやすくなります。
大量生産には不向きであり、数千個以上の製品を作る場合は、プレス金型を用いた大量生産の方が効率的になるケースが多いです。

また、高度な技術や経験が必要である点も課題です。
特に曲げ加工や溶接では、材料ごとのクセを理解し、バネ戻りや熱変形を考慮した加工が求められます。
そのため、熟練した技術者の確保が重要であり、人材不足が品質に直結するリスクもあります。

総じて、精密板金加工は「少量・多品種・高品質」を必要とする製品に最適な一方で、「大量・低コスト」を求める用途にはあまり向かない加工技術です。
製品の用途や生産規模に応じて、他の加工法との使い分けが必要になります。

精密板金加工に必要な設備

精密板金加工では、部品の高精度・高品質を実現するために、一般的な板金加工とは異なる専用設備が多数導入されています。
これらの設備は、切断・加工・接合・仕上げ・検査といった各工程で重要な役割を果たし、効率よく高精度な製品を製作するために欠かせません。

まず、切断工程で使用される代表的な設備が「レーザー加工機」です。
高出力レーザーを用いて金属板を高速かつ精密に切断でき、金型が不要なため試作や小ロット生産にも適しています。
また、「タレットパンチプレス(タレパン)」もよく使われる機械で、複数の金型を自動で切り替えながら穴あけや抜き加工が行えるため、効率的な生産が可能です。

次に、曲げ加工では「NCベンダー(数値制御式プレスブレーキ)」が使用されます。
この機械は、あらかじめ入力された曲げ角度や位置情報に基づいて自動制御されるため、安定した精度と再現性が確保できます。
特に精密部品では、曲げ順や材料のバネ戻りを考慮したプログラムが重要となり、CAD/CAMとの連携も欠かせません。

溶接工程では、「TIG溶接機」「スポット溶接機」「YAGレーザー溶接機」などが用いられます。
TIG溶接は薄板の接合に適しており、手作業による微細な調整が可能です。
スポット溶接は短時間で多数の接合点を形成できるため、量産に向いています。
レーザー溶接は高精度かつ美しい仕上がりが特長で、微細部品にも対応可能です。

さらに、仕上げ・研磨設備として「バレル研磨機」「バフ研磨機」「バリ取り機」なども必要です。
これらは見た目の美しさだけでなく、手触りや安全性にも関わる重要な工程を担います。

そして忘れてはならないのが、検査・測定設備です。
高精度な製品を保証するためには、「三次元測定機」「画像測定機」「板厚測定器」などを使って厳密に寸法を管理する必要があります。
これらの検査機器は、製品の信頼性を確保するために非常に重要です。

つまり、精密板金加工では、「加工機」と「品質保証機器」の両方が揃って初めて、真に高精度な製品が生まれるのです。

精密板金の主な加工技術

レーザー切断

レーザー切断は、高エネルギーのレーザー光を金属板に照射して溶融・蒸発させることで、精密なカットを行う技術です。
この方法は切断幅が非常に細く、熱影響も最小限に抑えられるため、精密部品の加工に最適です。
特に複雑な形状の輪郭切断や、小ロット生産・試作に適しており、金型が不要である点も大きなメリットです。
また、最新のレーザー加工機では、切断だけでなくマーキングや穴あけなども可能で、工程の集約化が図れます。
一方で、厚板や反射率の高い材料では加工条件の調整が求められるため、材料ごとの最適条件の設定が重要となります。

曲げ加工(ベンディング)

ブレーキプレス

曲げ加工は、金属板をブレーキプレスと呼ばれる機械で押し曲げ、所定の角度に変形させる工程です。
精密板金では、曲げ角度や位置の精度が製品の組立精度に直結するため、高精度な金型と曲げ順序の設計が重要です。
たとえば、複数の曲げがある部品では、どの順番で曲げるかによって形状が変わってしまうこともあります。
また、バネ戻り(加工後に材料がわずかに元に戻る現象)を見越した設計や、R曲げ(曲線を描くような曲げ)などの特殊形状にも対応が求められます。
最近では、NC(数値制御)による曲げ加工機が主流となっており、CADデータと連動することで、加工ミスを最小限に抑えた高品質な生産が可能です。

溶接(スポット・TIG・YAGなど)

精密板金では、部品同士の接合に溶接が不可欠です。
代表的な溶接方法には、スポット溶接、TIG溶接、YAGレーザー溶接などがあります。
スポット溶接は電極で材料を挟み、電流を流して局所的に加熱・溶融させる方法で、薄板同士の溶接に適しています。
一方、TIG溶接は電極と溶加材を用いてアークを発生させ、精密な手作業が可能な点が特徴です。
YAGレーザー溶接は、レーザー光を使って微細な溶接を行う方式で、外観が美しく、微小部品の接合にも対応できます。
いずれの方法も、熱歪みや強度、外観品質への配慮が不可欠で、熟練した技術者の存在が重要です。

精密板金加工の見積り依頼ならアスクへ

試作品や小ロットの加工も大歓迎!
特に手のひらサイズの部品製作を得意としています。
アスクなら、試作品のお見積もりが最短1時間で可能!!
お気軽にお問い合わせください。

試作全国対応!
簡単・最短1時間お見積り

アスクならこんなお困りごとを解決します!

  • 他社では納期が間に合わないと言われた
  • 急な設計変更があった
  • 他社ではできないと言われた
  • 海外調達品の手直し・追加工
今すぐ無料でお見積りを依頼する

もっとアスクの事を知りたい!という方は
こちらもご覧ください!

株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
知っているようで知らない加工に関する知識をお届けします!

ブログ記事も投稿しておりますので是非ご覧ください♪

他の動画ご覧ください♪