精密板金とは?メリットや板金加工の違いを簡単解説!
本日は弊社でも加工可能な「精密板金」について解説していきます!!

精密板金加工とは

精密板金加工は、厚みが0.1mmから3mm程度の比較的薄い金属板を加工して、電子機器・通信機器・半導体製造機器・自動車などの筐体や部品を製造することを言います。
金属板を加工する主な方法としては、精密板金加工のほかにプレス加工があります。
プレス加工が専用金型を用いた大量生産に適しているのに対し、精密板金加工は、専用金型を用いずに汎用金型や治具を組み合わせ、多品種を少量~中量生産するのに適した加工方法です。
精密板金加工では、切断・穴あけ・曲げ・溶接といった様々な加工方法を用いて、金属板を図面で指示されたとおりの複雑かつ精密な製品形状に仕上げていきます。
使用される金属板は、鉄・ステンレス・アルミニウム・銅・真鍮が主流となっています。
材料によって少しずつ特性が異なるため、技術者は材料に応じて加工条件を微調整しつつ、厳しい寸法公差を満たせるように製造する必要があり、高い技術力を要する加工方法だと言えます。
メリットとデメリット

精密板金加工のメリット
①寸法精度が高く、精密な製品を製造できる
②金属の板から複雑な形状の製品を製造できる
③専用金型を作らずに製造するため、イニシャルコストを抑えられる
④試作品をスピーディに作って試すことができる
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精密板金加工のデメリット
①作業者の力量によって仕上がりにバラツキが生じる可能性がある
※弊社では機械板金の1級技能士が加工します!
②人の手で作業するため、単価が高くなる傾向にある
③曲げ加工や溶接で実現できない形状は製造できない
精密板金加工と板金加工の違い
寸法精度の違い
板金加工は、手板金やたたき板金と呼ばれる手作業での加工も含んでおり、寸法公差が±0.5~2mm程度といったように、高い精度は必要とされませんでした。
主に建築材料などの、サイズが大きくて比較的単純な形状のものを製造するために用いられています。
しかし、精密板金加工は電子機器の中に入るような小さい部品や、気密性の求められる筐体など、複雑かつ精密な製品を製造する場合がほとんどです。
そのため、曲げ加工で0.1mmや0.2mm以下、抜き加工の精度に至っては0.05mm以下といった厳しい寸法公差を満たす必要があり、とても高い技術力を要する加工となっています。
金属材料の違い
板金加工で扱う材料の厚みは、1mmから6mmのものが多く、中には10mm以上の分厚い金属板を加工する場合もあります。
一方、精密板金加工で扱う材料は、厚みが0.1mm程度のものから3mm程度の比較的薄い金属板が主流となっており、薄いものだと0.1mm以下の金属板を加工することもあります。
また、使用する材料素材にも違いがあります。
板金加工で扱う材料は鉄やステンレスが大半ですが、精密板金加工では上記に加えて、アルミや銅・真鍮といった材料も扱います。
これらの材料は鉄やステンレスに比べると柔らかいため変形しやすく、また、熱伝導性が高いためレーザー加工や溶接がしにくいといった理由から、取り扱いがやや難しく加工の難易度が高くなります。
このように、扱う金属材料自体が板金加工とは異なるため、板金加工の工場へ精密板金加工を依頼しても、材料調達ができない、加工対応できないといった場合も多く、加工会社選定に悩む原因となっています。
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精密板金加工の製造工程
①工程設計・提案
図面を確認し、どのようにして図面通りの製品を仕上げていくか、工程設計を行います。
精密板金加工では基本的に専用金型を使わないため、汎用金型を組み合わせて加工していくことになりますが、製品形状や寸法精度の要求次第ではどうしても専用金型を準備しないといけないことがあります。
専用金型を準備するとコストアップしてしまうので、場合によっては汎用金型で加工可能な形状への提案を行うなどしてコストダウンしていきます。
②図面展開
図面は基本的に加工完成形状が書かれているため、金属板から製造するためには展開図に変換する必要があります。
展開図で形や寸法を間違えると後で修正するのは困難なため、製品の仕上がりを左右する重要な作業です。
また、図面の寸法通りに展開すればいいわけではなく、金属は曲げ加工によって伸び縮みするため、それを考慮した展開図を作成する必要があります。
難しい加工であれば、何度も展開図を微調整しながら製品を仕上げていく場合もあります。
③抜き加工
展開図のとおりに、金属板を切りだしていくのが抜き加工です。
抜き加工では、、タレットパンチプレスやレーザー加工機といった設備を用います。
1,000mm×2,000mmといったようにサイズの決まった定尺材と呼ばれる金属板を設備にセットし、抜き加工の順番などをプログラムすると、設備が稼働して自動で抜き加工を行っていきます。
④前加工・バリ取り・タップ加工・バーリング加工・皿もみ加工など
抜き加工では、バリと呼ばれる金属の残留物や付着物が発生します。
バリが残っていると、手で触ってケガをしたり、製品に傷がついて不具合の原因になるため、除去する必要があります。
また、曲げ加工後にタップを立てるのは難しいため、この時点でタップ加工なども実施しておくことになります。
⑤曲げ加工
プレスブレーキ(ベンダー)と呼ばれる曲げ加工用の設備に金型を取り付けて、金属板を曲げて形をつくっていきます。
上型と下型の間に金属板を差し込み、上型を下降させて圧力を加えることで金属板を曲げることができます。
曲げの形状も直角形状、R形状、折り返し形状(ヘミング)など様々です。
一度の曲げで製品形状が完成する事はほとんどないため、何度も曲げ加工を繰り返す必要があります。
その際、曲げ形状にあった金型を何度も取り替えていく必要があり、その段取り工数もコストとなっていきます。
⑥溶接加工
1つの材料から曲げや切断により最終形状に仕上げることが難しい場合、部品端面を接合させたり、別の部品を取り付けることがあります。
その際に行われる工法の一つが、溶接加工です。
溶接加工には、頻度の高いものは主に電気を使って行うアーク溶接と、レーザー光で金属を溶かして接合するレーザー溶接があります。
⑦仕上げ加工・表面処理
溶接をした後は焼けと呼ばれる溶接の跡が残るので、仕上げ作業として溶接焼け取り作業を行います。
また、筐体などの使用環境上、見た目の美しさが求められる製品や、腐食防止が必要な製品は、塗装やメッキ等の表面処理を行います。
⑧組立・検査
出来上がった製品をさらに組み立てて最終形状に仕上げる場合もあります。
製品の完成後は検査を行い、図面通りの寸法や外観要求を満たしているかを確認して出荷します。
ここでは出荷前の最終検査を行うことになりますが、各工程では工程内検査を行っており、、それぞれの加工後の仕上がりを随時確認していくことが一般的です。
精密板金加工の製品例
パソコンのフレーム
操作パネルの筐体
基板部品
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