SS材とは!?誰でもわかるように解説します!
本日はSS材について解説していきます。
特性など基本知識を解説しますので、是非ご覧ください♪
SS材とは
SS材は、Steel Structureの略称で、正式名称は一般構造用圧延鋼材です。
JIS規格鋼材の中でも不良品が少なく、不留まりが良いことから、合理性と利便性を追求する建築現場や土木作業現場に使用されています。
鋼材に含まれる炭素の量が、0.15~0.2%の低炭素の軟鋼で、含有不純物はリンと硫黄の含有量を0.05%以内と決めているほかは、明確な基準はありません。
引張り強さや、降伏度に重点を置いている鋼材ですので、熱処理を施すよりそのまま使うことからナマ材という別名もあります。
SS材をはじめとする構造用鋼は、60年代から80年代半ばまで、旧式の鋳造法である分塊鋳造法で製造されていました。
分塊鋳造法で作られたSS材は、今以上に中身の成分に偏析があり不安定でした。
そのためシールドガスを用いた溶接を行うと、含有硫黄により、ひび割れが起こる点が欠陥だったのです。
分塊鋳造
分塊鋳造は、精錬が終わった溶鉄を鋳型に流し鋼の棒を作って冷まし、再加熱する際に、複数の金属を混ぜて脱酸する鋳造法です。
脱酸の具合により、キルド鋼、セミキルド鋼、リムド鋼の3種類に分けられていました。
昔のSS材は、リムド鋼と呼ばれる溶鉄にフェロンマンガンを混ぜ、軽く脱酸したものを熱間圧延して作られていました。
70年代後半に連続鋳造法が本格的に稼働し、大手鉄鋼メーカーが製鉄、鋳造、鋼材製作のオートメーション化に乗り出してから、SS材も不純物が取り除かれるようになり、現在9割のSS材は脱酸がなされているキルド鋼から作られています。
SS材=SS400と言われる理由
SS材の主流と言えばSS400です。
SSの後の数字は「SS材に最低保証されている強度」を国際基準の数値で表したものです。
SS400とすれば、引張強度が400~510N/mm2あります。
この数値はあくまで計測上のことで、建築鋼材に使うのであれば、1㎡あたり、荷重は235㎡に収まるようにしなければなりません。
板の厚さが厚くなるほど降伏強度が小さくなるので、1㎡あたりの荷重は少なくなります。
建築鋼材として使うときは、この点を頭に入れておきましょう。
SS材はこのほかにも、400よりやわらかめの330、炭素含有量の多い490、540があります。
330は曲げやスチール缶製造など、工場内で使用されるのに使われ、540も規格としてはありますが、利便性や汎用性の問題から市場に出回りません。
市場で売りに出されるのは400と490のみで、400が「曲げ」「切断」「組織調整」目的の焼き鈍しが可能なのに対し、490は炭素含有量が多く汎用性が少ないことから、SS材=SS400と言われることもたびたびあります。
SS材の特性
世の中にはSS材だけでなく、様々な構造用鋼があります。
SS材はどのような特性を持ち、他の構造用鋼と役割分担をしているのでしょうか?
建築基準法の性能規定化や、95年の阪神大震災に伴い、柱や梁に使われている各種鋼材の見直し、適材適所による使い分けが推奨されています。
SS材は低炭素の軟鋼ですので、溶接や肌焼きなど金属そのものを焼いて補強することは向いていないのです。
建築現場では、焼入れによる強度補強ができる他の鋼材や、溶接に向いている鋼材、金属含有量や強度に明確な基準が設けられている構造用鋼を、用途別に用います。
SS材、SM材、SN材の違い
では、建築現場ではSS材のほかにどのような構造用鋼を組み合わせているのでしょうか?
建築現場では、SS材のほかに以下の2つの構造用鋼材として使われています。
SM材(溶接構造用圧延鋼材:Steel Marine)
SN材(建築構造用圧延鋼材:Steel New)
SM材はかつて造船に使用されていた鋼板で、リンと硫黄の含有比率がSS材よりも少なく、溶接に向いているのが特徴です。
高温よりも中低温に靭性を発揮し、梁同士を剛接合する際に使われます。
SN材は94年に誕生し、95年の阪神淡路大震災を境に規格が厳格化した構造用鋼です。
SS材やSM材が建物以外に使用されるのに対し、SN材は建造物の耐震補強を目的に作られた構造用鋼です。
炭素含有量だけでなく、板厚許容量、耐力、降伏力の上限が厳格に定められています。
引張強度別に400と490があり、400にはA,B,C、490はB,Cの2種類の鉄鋼があります。
Aは溶接および焼入れをしないナマ材専用、Bは溶接可能鋼材、Cの硫黄含有率はJS鋼材の中でも最も低い0.008%で、なおかつ超音波検査をクリアしています。
SN材がSS材やSM材に比べ、成分含有量、耐力、降伏力、鋼材別加工方法を厳密に定める理由は、SN材の使用用途が支柱や大黒柱だからです。
耐震基準が厳格化した現在の建築現場では、SN材を支柱や大梁に使い、SS材は二次鋼材になることも珍しくありません。
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