SUS630の性質や加工性など徹底解説!
本日はSUS630について解説していきます。
SUS630の性質や加工性などについて解説していきますので、是非ご覧ください♪
SUS630とは
SUS630は析出硬化系ステンレスで、SUS304と同等の耐熱性と耐食性を有しており、熱処理後に高い強度と硬度を持たせることができる材質です。
SUS630は、基本的に固溶化熱処理の後に、析出硬化熱処理を行ってから使用されます。
JIS規格では、熱処理によってH900・H1025・H1075・H1150から4段階の熱処理に分けられており、H1150からH900にかけて硬度が高くなります。
SUS630の時効処理は低温で実施されるので、大きな歪みが発生しにくく、長いシャフトなどの用途に使用されます。
また、SUS630は磁性を持つステンレス鋼のため、磁石につきます。
磁性を持つステンレス鋼は、トラブルが発生しないよう、磁気を扱う場所では使えません。
SUS630の機械的性質
種類 | 熱処理記号 | 熱処理条件 | 耐力 MPa (N/㎟) |
引張強さ MPa (N/㎟) |
伸び | 絞り | 硬さ | ||
HBW | HRC | HV | |||||||
固溶化熱処理 | S | 1020~ 1060℃ 急冷 |
- | - | - | - | 363以下 | 38以下 | 383以下 |
析出硬化熱処理 | H900 | S処理後 470~ 490℃ 空冷 |
1175以上 | 1310以上 | 10以上 | 40以上 | 375以上 | 40以上 | 396以上 |
H1025 | S処理後 540~ 560℃ 空冷 |
1000以上 | 1070以上 | 12以上 | 45以上 | 331以上 | 35以上 | 350以上 | |
H1075 | S処理後 570~ 590℃ 空冷 |
860以上 | 1000以上 | 13以上 | 45以上 | 302以上 | 31以上 | 320以上 | |
H1150 | S処理後 610~ 630℃ 空冷 |
725以上 | 930以上 | 16以上 | 50以上 | 277以上 | 28以上 | 292以上 |
SUS630はJIS規格によると、固溶化熱処理をS、析出硬化熱処理をH900・H1025・H1075・H1150の計5種を規定しています。
SUS630は、耐力・引張強さに優れ、熱処理によってはSUS304と比べて2倍以上の数値があります。
SUS630の加工性、切削性
SUS630は、固溶化熱処理の場合でも硬さがあるため、切削速度が上げにくく、工具寿命は短くなる傾向にあります。
SUS304と比べると切削性は良好であるものの、析出硬化処理を行うと、寸法が0.10~0.15%程度縮む傾向にあるため、精度の求められる加工が必要な場合は注意しなければなりません。
析出硬化後の硬度はHRC40程度のため、析出硬化後の加工もできますが、析出硬化前と比べると、加工はしにくくなります。
こちらの記事はMitsuri Media様の記事を参照しております。
試作全国対応!
簡単・最短1時間お見積り
他、ブログ記事もご覧ください♪
動画の投稿もしておりますので良ければご覧ください♪