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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

ユニクロメッキとは?特徴や用途など徹底解説!!

本日はユニクロメッキについて解説していきます。
特徴や用途など詳しく解説していきますので是非ご覧ください♪

必達試作人
必達試作人
ユニクロメッキもアスクで対応可能です

ユニクロメッキとは

ユニクロメッキ(ユニクロームメッキ)とは、鉄や鋼などの金属製品に対して施される表面処理の一種で、電気亜鉛メッキの上に白色クロメート(一般的には六価クロムを使用)処理を施したものです。
この処理を行うことで、製品は銀白色の美しい外観を得るとともに、耐食性が飛躍的に向上します。
ユニクロメッキの名称は「ユニバーサルクロメート処理」に由来し、かつては広く使用されていたため「汎用的なメッキ」という意味合いも持っています。
このメッキの最大の特徴は、耐食性とコストパフォーマンスのバランスが良い点にあります。
ステンレス鋼ほどの高い耐食性は持ちませんが、鉄素材の寿命を延ばすには十分な防錆効果を提供します。
また、見た目が目立ちすぎず、他の金属部品や樹脂部品と調和しやすいことから、機械部品、建築金物、家電部品など、幅広い用途で活用されています。
ただし、ユニクロメッキに使われる白色クロメート処理は六価クロムを含むため、環境や人体への影響が懸念されています。
欧州連合のRoHS指令では六価クロムの使用が制限されており、今後は三価クロムなどを用いた代替技術への移行が進むと見られています。
それでも、現在も日本国内では多くの産業分野で実用されており、品質と価格のバランスを重視する場面では欠かせない処理方法のひとつです。
ユニクロメッキは、その処理方法の確立度が高く、製造工程も比較的簡便なため、ロット単価が安く、短納期にも対応しやすいという利点があります。
そのため、特に量産品においては、他のメッキ処理と比べて優先的に採用されるケースも少なくありません。

ユニクロメッキの製造工程

ユニクロメッキの製造工程は、主に以下のようなステップで構成されています。
脱脂 → 酸洗い → 電気亜鉛メッキ → クロメート処理 → 水洗・乾燥。
これらの工程は、対象となる素材の表面状態を整え、防錆効果を持つメッキ皮膜を均一に形成するために重要です。
まず最初に行われるのが「脱脂」工程です。
素材表面に付着している油脂や汚れを化学薬品やアルカリ溶液で除去します。
これにより、次工程である酸洗いや電気メッキの密着性を高めることができます。
続いて「酸洗い」では、酸性の溶液で金属表面の酸化被膜や微細な不純物を取り除きます。
これにより、より清浄で均質な表面状態が得られます。
次に実施されるのが「電気亜鉛メッキ」です。
この工程では、電解液中で鉄や鋼材を陰極に、亜鉛を陽極にして電流を流すことで、素材表面に亜鉛を析出させます。
電気亜鉛メッキによって形成される亜鉛皮膜は、非常に薄く、均一で、滑らかな仕上がりになるのが特徴です。
この亜鉛層が防錆の基盤となります。
その後、「クロメート処理」に進みます。
これは、亜鉛メッキを施した表面をクロメート液に浸漬することで、化学反応を利用してクロメート皮膜を生成する工程です。
ユニクロメッキの場合は「白色クロメート」が使用され、光沢のある銀白色の外観が得られます。
この皮膜が防錆性能をさらに高め、耐久性を向上させるのです。
最後に行われる「水洗・乾燥」では、クロメート処理後の残留薬品を洗い流し、製品を完全に乾燥させます。
これにより、皮膜の安定性を確保し、製品の表面品質を高めることができます。
このように、ユニクロメッキの製造工程は比較的シンプルで自動化にも適しているため、大量生産に向いた表面処理法となっています。
また、処理コストも比較的安価であるため、コストパフォーマンスを重視する製品分野で広く採用されています。

ユニクロメッキの主な用途

ユニクロメッキは、その見た目の美しさと防錆効果、そしてコストパフォーマンスの良さから、多様な分野で利用されています。
とくに、屋内での使用を前提とした部品類や、耐候性よりも経済性や生産性が求められる用途において、非常に高い需要を誇っています。
最も一般的な使用分野のひとつが「機械部品」です。
たとえば、ねじ、ボルト、ナット、ワッシャーといった締結部品にはユニクロメッキが広く使われています。
これらの部品は機械装置や家電製品、自動車部品など、多岐にわたる機械に使用されており、軽度な耐食性を必要とする場合に適しています。
メッキにより適度な滑り性も得られるため、締結作業のしやすさにも寄与します。
また、「建築金物」の分野でもユニクロメッキは重宝されています。
たとえば、内装建材、配線器具、軽天材、パイプ支持金具などがその例です。
見た目が落ち着いた銀白色で、インテリアと調和しやすい外観を持つため、目立たず仕上がりが美しいという利点があります。
屋外用には耐候性の面で劣りますが、屋内環境では必要十分な耐食性を発揮します。
さらに、「家電製品の内部部品」や「OA機器部品」にも多用されています。
電子機器のシャーシやブラケット、ヒンジ、端子部分などにおいて、電気伝導性や放熱性がそれほど重要でないが、コストを抑えて腐食を防止したい部位に適しています。
特に、見えない内部構造の部品では、ユニクロメッキの合理性が際立ちます。
このように、ユニクロメッキはさまざまな製品の「機能を裏で支える存在」として重要な役割を果たしています。
ただし、塩害環境や屋外環境など、過酷な腐食環境には適さないため、使用条件に応じた選定が必要です。

他メッキとの違い

ユニクロメッキと三価クロムメッキの違い

サビている製品

ユニクロメッキと三価クロムメッキは、どちらも金属部品に施されるクロメート処理の一種ですが、環境への影響や耐食性能、外観、コストなど多くの点で違いがあります。
特に、近年では環境規制の強化に伴い、従来のユニクロメッキ(六価クロム処理)から三価クロム処理への置き換えが進んでおり、その違いを明確に理解しておくことが重要です。
まず最も大きな違いは、使用されるクロムの「化学的性質」です。
ユニクロメッキには六価クロムが使われており、これは毒性が強く、人体や環境に有害であることが知られています。
一方、三価クロムメッキでは、人体や環境への毒性が比較的低い三価クロムが使用されており、RoHS指令などの環境規制にも適合します。
このため、欧州を中心に三価クロムメッキへの移行が急速に進んでいます。
次に、外観にも違いがあります。
ユニクロメッキは光沢のある銀白色で、装飾性が高く仕上がりが美しいという特徴があります。
これに対して、三価クロムメッキはやや青味がかっていたり、光沢が控えめだったりと、ユニクロメッキと比べると外観の美しさにはやや劣るとされています。
ただし、近年では三価クロムでも外観を改良した処理液が登場しており、見た目の違いは徐々に縮まりつつあります。
耐食性能については、処理の条件や膜厚、表面処理の追加有無によっても異なりますが、従来はユニクロメッキの方が若干優れているとされていました。
しかし、技術の進歩により、三価クロム処理でも同等以上の耐食性能を持つ製品が開発されており、実用上の差はほとんど無くなりつつあります。
また、コスト面でも違いがあります。
三価クロムメッキは環境対応型であるがゆえに、専用の設備や処理液のコストが高く、ユニクロメッキよりも単価が高くなる傾向があります。
ただし、環境規制に対応できるという長期的なメリットを考えると、今後は三価クロムメッキの方が主流になると見られています。
このように、ユニクロメッキと三価クロムメッキはそれぞれに特長と課題があります。
製品の用途、求められる耐食性能、外観、コスト、環境対応などを総合的に考慮し、適切な処理を選択することが求められます。
特に輸出を前提とした製品や、法規制に準拠する必要のある業界では、三価クロムへの移行は避けて通れない課題といえるでしょう。

ユニクロメッキとクロメート処理の違い

薬品のイメージ

ユニクロメッキとクロメート処理は、どちらも金属表面に耐食性を付与する処理方法ですが、その構造や特徴、工程において明確な違いがあります。
まず、ユニクロメッキは亜鉛メッキの一種であり、ベースとなるのは電気亜鉛メッキ処理された金属表面に、さらにクロメート皮膜を施したものです。
ここでいうクロメート皮膜には、青白色(虹色)の光沢が出るように調整された透明クロメート(=ユニクロ)が使用されます。
一方、クロメート処理という用語は、より広義な意味で使われ、亜鉛やアルミニウムなどの金属に施される化成処理全般を指すことがあります。
大きな違いの一つは、処理の工程です。
ユニクロメッキは電気亜鉛メッキを行ったあと、クロメート液に浸漬するという2段階の工程になります。
一方、クロメート処理は、素材の金属表面を直接化成処理する方法で、メッキ処理が行われない場合もあります。
そのため、ユニクロメッキは見た目にも光沢があり、見栄えが良いのが特徴ですが、クロメート処理だけではあまり光沢が得られません。
また、色味にも違いがあり、ユニクロメッキは青白色系の色調を示し、虹色の干渉色が見られることがあります。
一方、クロメート処理は、用途に応じて黄色、黒色、緑色などさまざまなタイプがあります。
特に六価クロムを使用した黄色クロメートは、優れた耐食性を持つ反面、環境規制の影響で使用が制限されるケースが増えてきています。
耐食性について比較すると、ユニクロメッキは見た目を重視した処理であるため、重防錆用途には向いていません。
一方、黄色クロメートなどを用いたクロメート処理は耐食性に優れており、より過酷な環境下でも使用可能です。
ただし、環境規制の観点から、六価クロムを含む処理は敬遠される傾向が強くなっており、三価クロムを使った代替処理への移行が進んでいます。
このように、ユニクロメッキとクロメート処理は、似て非なる処理であり、それぞれの特性を理解して適切に使い分けることが重要です。
見た目の美しさやコストを重視するならユニクロメッキ、耐食性を優先するなら他のクロメート処理というように、用途に応じた最適な選択が求められます。

ユニクロメッキの用途と活用事例

自動車部品への応用

ユニクロメッキはその美しい外観と一定の耐食性を活かし、自動車部品の表面処理として広く採用されています。
特に、自動車の内装やエンジンルーム内のボルト、ナット、ワッシャー、ブラケット類など、多数の締結部品に使用されています。
その理由のひとつは、コストパフォーマンスの高さです。
自動車は年間何百万台も製造される大量生産品であり、コスト削減は重要な課題です。
その中でユニクロメッキは、他の高耐食メッキに比べて加工費が安価でありながら、一定の外観品質と防錆性能を維持できる点が評価されています。
また、自動車部品では外観も重視されます。
特にボンネットを開けた際に目につく部品は、光沢があり清潔感のある仕上がりが求められます。
ユニクロメッキは青白色の美しい反射光を持ち、視覚的にも清潔感と工業的な印象を与えるため、そうした用途に適しています。
ただし、自動車部品に求められる耐食性の水準は高く、特に下回りや外装パーツでは、より厳しい腐食環境に耐える必要があります。
こうした部位にはユニクロメッキではなく、溶融亜鉛メッキやジオメット処理が用いられるケースが多いです。
また、欧州への輸出車両ではRoHS指令に適合させるため、六価クロムを含まない三価クロム処理や代替メッキ処理への転換が急速に進められています。
今後の方向性としては、三価クロムによるユニクロメッキ代替処理を開発・導入し、環境規制に適応したうえでコストパフォーマンスを維持する流れが主流になると考えられます。
自動車業界はサプライチェーン全体での環境対応が強く求められており、ユニクロメッキの活用方法も日々見直され続けているのです。

建築・建材用途への活用

ユニクロメッキは、建築および建材の分野でも幅広く使用されています。
具体的には、ボルトやナットなどの締結部品、建物の内外装に使用される金物類、ダクトや配管の支持金具、さらには家具の構造材などにも採用されています。
これらの部品は、強度と同時に一定の耐食性、さらに視覚的な清潔感が求められるため、ユニクロメッキの光沢のある外観と防錆性能が適しているのです。
建築現場では、施工の効率化や美観向上のために、表面処理済みの部材をそのまま使用するケースが増えています。
ユニクロメッキはその見た目の美しさから、塗装や仕上げの手間を省くことができ、コスト削減にも寄与します。
また、耐久性も室内使用であれば十分であり、長期にわたって錆びにくい状態を維持することができます。
ただし、屋外や高湿度環境、海沿い地域などでは、ユニクロメッキの耐食性が不足することがあるため、ステンレス製品や溶融亜鉛メッキ製品との使い分けが重要です。
特に、建築構造材としての使用においては、安全性や長期信頼性が問われるため、用途に応じた材料選定と併せて、ユニクロメッキの性能限界を把握する必要があります。
環境規制の影響により、六価クロムを含むユニクロメッキの使用が難しくなる場面も増えており、一部の建築資材メーカーでは三価クロム処理への切り替えが進行中です。
このように、建築・建材分野でのユニクロメッキは、コストや加工性、美観など多くの面で利点がありますが、環境対応や耐久性の観点から今後の進化が求められていると言えるでしょう。

家電・電子機器への応用

家電や電子機器においても、ユニクロメッキはその機能性と経済性から多くの部品に使用されています。
例えば、冷蔵庫や電子レンジなどの白物家電の内部フレーム、ブラケット、固定金具、さらには各種ネジやスプリングなどの小型部品にも採用されています。
これらの部品は目に見えにくい内部に配置されることが多いものの、製品の長期使用に耐えうる耐食性と安定した品質が求められます。
ユニクロメッキは、比較的安価でありながら、外観に清潔感があり、製品内部の部品として使用するには十分な防錆性能を持っています。
また、電気伝導性も保持しており、導電性を損なわない表面処理として、電子機器内部での使用にも適しています。
さらに、組立時の作業性も良く、滑りの良さやねじ込み性の向上といった副次的な効果も評価されています。
ただし、家電製品が小型化・高密度化している現代では、耐熱性や環境への配慮、長期的な安全性などの観点から、より高性能な表面処理が求められる場面も増えています。
とくに、EU諸国などに輸出する製品では、RoHS指令への適合が必須であり、ユニクロメッキの六価クロム含有量が問題となるケースもあります。
そのため、家電メーカーの中には、三価クロム系処理や無電解ニッケルメッキなど、より環境に優しい処理へ移行する動きも活発になっています。
ユニクロメッキは依然として家電・電子機器の内部部品ではコストと機能性のバランスが良く、広く使われ続けていますが、今後は環境規制への対応とともに、新たな表面処理技術との棲み分けが進んでいくと考えられます。

産業機械や工具への採用例

ユニクロメッキは、産業機械や工具の分野においてもその信頼性とコストパフォーマンスから広く採用されています。
具体的には、組立ラインで使用される治具や固定具、各種装置のブラケット、作業台の補強金具、または工具類のハンドルやシャフトなど、金属部品の多くに利用されています。
これらの部品では、油分や切削液、水分に晒されることも多く、一定の防錆性が不可欠です。
ユニクロメッキは、亜鉛メッキの上にクロメート皮膜を形成することで、耐食性を高めています。
これにより、日常的な工場作業や現場使用においても、錆びにくく、長期的に安定した使用が可能になります。
また、加工性にも優れており、切削や溶接、曲げ加工後の部品に後処理として施されるケースも多くあります。
産業機械においては、構造材だけでなく、メンテナンス性を重視した部品設計が求められる場面も多いため、見た目が良く、摩耗の少ないユニクロメッキは好まれる傾向にあります。
さらに、滑りが良い表面特性を持つため、可動部分や組み立て時の作業効率を高める効果も期待できます。
ただし、過酷な腐食環境(例えば高塩分、高湿度、高温など)では、ユニクロメッキ単体の耐久性に限界があるため、使用場所や環境に応じた適切な表面処理の選定が必要です。
その場合、溶融亜鉛メッキやステンレス材への置き換え、またはコーティングとの併用が検討されます。
また、RoHSやREACHなどの環境規制により、六価クロムを含む処理が制限されつつあることから、三価クロム系ユニクロ処理への置き換えや、無電解ニッケル・カチオン電着塗装との併用など、新たな表面処理技術との統合が進められています。
産業機械や工具の分野でも、コストと機能性、環境対応をバランスよく考慮することが求められており、ユニクロメッキはその中でも依然として重要な選択肢の一つといえるでしょう。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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