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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

ワイヤー放電加工とは?ー精密加工を支える技術ー

本日はワイヤー放電加工について、記事を書いていきたいと思います!
製造業に携わっている方であれば当たり前のことかもしれないですが、本日もお付き合いください♪

必達試作人
必達試作人
ワイヤー放電などの精密加工は大阪のアスクへ!

ワイヤー放電加工とは

ワイヤー放電加工(Wire-cut Electrical Discharge Machining:略してワイヤーカット)は、金属材料を電気的な火花(放電)によって精密に切断・加工する方法です。
加工には細い真鍮やモリブデン製のワイヤーが使用され、このワイヤーが電極となり、工作物とワイヤーの間で放電を発生させて金属を溶融・蒸発させながら除去していきます。
この加工方法は非接触で行われるため、機械的な力による歪みがほとんど発生せず、硬い材料や複雑な形状の加工に適しています。

放電加工の仕組みと特徴

ワイヤー放電機 ワイヤー放電機

放電加工では、加工液(一般的には絶縁性のある水や油)中にワークと電極(ワイヤー)を置き、高電圧をかけることで電気的な火花を生じさせます。
この火花が発生する瞬間の局所的な高温により、材料が溶けて蒸発し、少しずつ削られていきます。
このプロセスを繰り返すことで、精密な形状が形成されます。
切削加工と違って直接工具が接触しないため、極めて精密な寸法公差が得られ、また工具の摩耗もほとんどありません。

ワイヤー放電加工の用途と活用分野

金型製造における応用

ワイヤー放電加工は、特に金型製造の分野で重要な役割を果たしています。
プレス金型や射出成形金型など、精密な輪郭や細かいパーツを必要とする部品に対して、高い精度と再現性を持って加工できる点が強みです。
エッジがシャープで角が立った形状が求められる場合でも、ワイヤーカットならそれを実現できます。
また、硬度の高い焼入れ鋼なども難なく加工できるため、後熱処理品にも対応可能です。

医療・航空・電子分野でのニーズ

医療機器や航空機部品、電子部品といった、高い精度と耐久性が求められる分野でもワイヤー放電加工は多用されています。
特にチタンやインコネルなどの難削材は、通常の切削加工では難しいため、放電加工の力が発揮されます。
たとえば、心臓用のインプラントや航空機のエンジン部品、精密コネクタの金型など、高精度な形状が求められる製品の製造に最適です。

ワイヤー放電加工機の構成と機能

ワイヤー供給・制御機構

ワイヤー放電加工機の中核をなすのがワイヤー供給機構です。
ワイヤーはリールから自動で供給され、常に一定のテンションで送り出されながら加工点を通過していきます。
加工中にワイヤーが摩耗したり汚れたりするため、連続して新しい部分が供給されることで安定した加工品質が維持されます。
テンションや送り速度の調整は高精度加工に直結するため、最新の機械では自動制御による微調整が可能になっています。

放電制御装置とサーボシステム

放電加工では、電圧や電流の制御が非常に重要です。
火花放電を安定して発生させるためには、加工点で適切なタイミングとエネルギーで放電が行われるよう制御する必要があります。
これを担うのが放電制御装置です。
また、加工点でワイヤーとワークの間隔(ギャップ)を常に一定に保つために、サーボシステムがリアルタイムで位置調整を行います。
このギャップ制御が不十分だと、加工精度の低下やワイヤー切断の原因になります。

ワイヤー放電加工のメリットと課題

高精度・高品質な加工が可能

ワイヤーカット最大のメリットは、非常に高い精度での加工が可能である点です。
±2μmといった極めて厳しい寸法公差も実現可能で、加工面の仕上がりも滑らかです。
また、硬い材料でも問題なく加工できるため、素材選定の自由度も高くなります。
機械的な力がかからないため、微細なパーツでも歪みが発生せず、形状の安定性も優れています。

加工速度やコストの問題

一方で、ワイヤー放電加工にはいくつかの課題も存在します。
まず、加工速度は切削加工に比べて遅いため、量産には向いていません。
また、電極ワイヤーの消耗や加工液の管理といったランニングコストも高くつきます。
さらに、導電性のない材料(セラミックスなど)は加工できないという制約もあります。
そのため、コストと精度のバランスを考慮した加工計画が求められます。

今後の技術動向と展望

自動化とスマート加工の進展

近年、ワイヤー放電加工も他の工作機械と同様に自動化やIoT化が進んでいます。
加工条件の自動最適化や遠隔監視システムの導入により、無人運転や多品種少量生産への対応が進んでいます。
また、AIによる加工条件の最適化も実用化されつつあり、誰でも高品質な加工ができる時代が訪れつつあります。

新素材対応や微細加工への展開

ワイヤー放電の試作品 ワイヤー放電の試作品

今後、さらに多様な新素材や複雑形状への対応が求められる中で、ワイヤー放電加工の技術はより微細・高精度な方向へ進化していくと考えられます。
たとえば、5ミクロン以下の極細ワイヤーを用いたマイクロ加工技術や、複雑な3次元形状の対応など、技術的ブレイクスルーも起きています。
これにより、医療や半導体、ナノテクノロジー分野での応用範囲がさらに広がることでしょう。

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所有設備:ワイヤー放電加工機
対応数量:単品から小ロットが得意です。
対応材質:鉄、SUS、アルミ、銅、真ちゅうなどの一般的な金属から、チタン、インコネル、など一部の難削材、樹脂などもお任せください。※詳しくはお問い合わせください

株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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