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試作人基礎講座

公開日: | 更新日: | 試作人基礎講座

ニッケルめっきとは!?種類や特徴など簡単解説!!

本日はニッケルめっきについて解説していきます!
種類や特徴などわかりやすく解説していきますので、是非ご覧ください!!

ニッケルめっきとは

ニッケルメッキとは、金属表面にニッケルの薄い被膜を形成する加工技術であり、主に耐食性や外観の向上、機能性の付加を目的として広く使用されています。
ベースとなる金属素材(鉄、銅、亜鉛合金、アルミニウムなど)の表面にニッケルを均一にコーティングすることで、素材自体の性質を補強・保護することができます。
ニッケルメッキは、「電解ニッケルメッキ」と「無電解ニッケルメッキ」の2種類に大別されます。
電解メッキは、電流を用いてニッケルイオンを素材表面に析出させる方式で、古くから利用されてきた伝統的な方法です。
一方、無電解メッキは、還元剤を用いて化学反応によりニッケルを析出させる方式で、複雑形状や非導電体にも均一な膜厚を得ることができるため、近年需要が増加しています。
このニッケルの皮膜は、光沢があり美観に優れるだけでなく、化学的に安定しており、空気中で酸化しても酸化膜が保護膜の役割を果たすため、腐食や摩耗に対して非常に高い耐性を持っています。
また、ニッケルは比較的硬く、耐摩耗性にも優れるため、機械部品や金型の寿命延長にも寄与します。
さらに、はんだ付け性や密着性にも優れていることから、電子部品や精密機器の分野でも重宝されています。
用途は多岐にわたり、自動車部品、建築金物、家電製品、電子基板、医療機器、航空機部品など、身近な製品から産業用途まで幅広く採用されています。
特に、装飾性と耐久性を兼ね備えた特性から、クロムメッキの下地処理や高級感のある仕上げ材としての役割も担っています。
一方で、ニッケルはアレルギーの原因となることがあるため、人体に直接触れる製品(アクセサリーや装身具など)に用いる場合は注意が必要です。
また、メッキ処理には毒性を持つ化学物質が関与するため、環境対応や排水処理も重要な管理ポイントとなります。
ニッケルメッキは、単なる外観処理にとどまらず、機能性・耐久性・加工性を兼ね備えた「機能性皮膜」として、今後も多くの分野で進化と発展が期待される技術です。

メッキ方法の種類(電解メッキと無電解メッキ)

ニッケルメッキには主に「電解メッキ」と「無電解メッキ」の2つの方式が存在し、それぞれに特徴と適用分野があります。
どちらも金属表面にニッケルをコーティングする技術ですが、仕組みや得られる皮膜の特性が異なり、用途に応じて使い分けられています。

■ 電解ニッケルメッキ

電解メッキは、電流の力を利用して金属イオンを素材に析出させる方法です。
メッキ槽には、硫酸ニッケルや塩化ニッケルなどを含む電解液が使用され、メッキしたいワークを陰極(マイナス極)として、ニッケルを陽極(プラス極)として配置します。
電流を流すと、陽極から溶け出したニッケルイオンが電解液中を移動し、陰極表面に金属ニッケルとして析出・付着していきます。
この方法の利点は、短時間で高いメッキ速度が得られること、光沢仕上げが容易であること、そして工程管理が比較的簡単であることです。
特に装飾用途や下地メッキ、電気接点などで多く用いられています。
ただし、電流の流れに依存するため、形状の複雑な部品や凹部にはメッキ厚が不均一になりやすいという欠点もあります。

■ 無電解ニッケルメッキ

無電解メッキは、電流を使わず、化学的な還元反応によりニッケルを素材表面に析出させる方法です。
主にニッケル塩と還元剤(たとえば次亜リン酸ナトリウム)を含むメッキ液が使用されます。
ワークをメッキ液に浸すだけで自動的にニッケル皮膜が形成されるため、電気導通性のない樹脂やセラミックにも対応可能であり、形状の複雑な部品にも均一な膜厚が得られます。
この方式の利点は、膜厚の均一性、優れた密着性、耐食性や硬度の高さなどが挙げられます。
特に、次亜リン酸を用いた無電解メッキでは、ニッケルとリンの合金層が形成されるため、耐摩耗性や耐薬品性にも優れています。
そのため、精密機械部品、電子部品、金型など、機能性を重視する分野で多用されています。
一方で、無電解メッキはメッキ速度が電解に比べて遅く、薬液の管理が複雑でコストも高くなる傾向にあります。
また、使用済み薬液の廃棄処理には高度な環境対応が必要です。

■ 使い分けのポイント

電解メッキは装飾性やコストパフォーマンスに優れ、大量生産に適しています。
一方、無電解メッキは精密性や耐食性が要求される高機能部品に向いており、設計や形状の自由度が高い場面で力を発揮します。
近年では両方式の特長を活かして、ハイブリッド的に活用される例も増えています。

ニッケルメッキの歴史と発展

ニッケルメッキの起源は19世紀半ばにさかのぼります。
最初に実用化されたのは、1843年にドイツの科学者が電気分解によってニッケル皮膜を金属表面に析出させた技術で、これが現在の「電解ニッケルメッキ」の基礎となっています。
当初は科学実験の一環として開発されましたが、19世紀後半になるとその防錆性や装飾性が注目され、産業用途にも広がっていきました。
19世紀末から20世紀初頭にかけて、工業化の進展とともに金属製品の大量生産が本格化し、ニッケルメッキは特に家庭用品、自転車、自動車部品、工具などにおいて、防錆と美観を両立する処理として定着していきます。
とりわけアメリカでは、自動車業界の隆盛によりニッケルメッキの需要が飛躍的に増大しました。
当時は「装飾メッキ」としての役割が主流であり、光沢ニッケルメッキとクロムメッキの組み合わせによって、耐久性と外観を兼ね備えた高級感のある部品が量産されました。
1930年代にはメッキ液の改良が進み、硫酸ニッケルをベースとした安定的な電解液が普及。
これにより皮膜の均一性や光沢性が格段に向上し、ニッケルメッキはより高品質な仕上げとして地位を確立しました。
また、航空機や精密機器の部品に用いられることで、機能性メッキとしての役割も加速していきます。
一方で、20世紀中盤になると、従来の電解法では対応しきれない複雑形状や高精度が求められる部品が増え、これに対応するために1950年代に「無電解ニッケルメッキ」が登場します。
これはアメリカの研究者が開発したもので、電気を使わず化学的にニッケルを析出させる方式です。
この革新により、電子機器、精密部品、樹脂材料への均一なメッキが可能となり、半導体や自動車のエンジン部品など多くの先端分野で利用されるようになります。
1980年代以降、環境問題が注目されるようになると、ニッケルメッキ工程における排水処理や重金属管理が課題となりました。
特にニッケルは金属アレルギーの原因となることから、装飾品や医療機器では代替材への置き換えや規制対応が進められています。
また、EUによるRoHS(有害物質制限指令)やREACH(化学品規制)など、法的規制の影響もあり、より安全で環境にやさしいメッキ技術の開発が加速しています。
現在では、ニッケルメッキは「装飾・防錆」といった伝統的な目的だけでなく、「精密性・機能性・環境対応」といった新たなニーズにも対応した先端技術へと進化を遂げています。
さらにナノ技術や複合メッキ、自動化ラインとの融合など、技術革新が進行しており、21世紀においてもその価値と需要は高まり続けています。

ニッケルメッキの特性と利点

耐食性・耐摩耗性の向上

ニッケルメッキの代表的な特性として、優れた耐食性と耐摩耗性が挙げられます。
これらの性質は、金属部品の寿命延長や信頼性の向上に直結するため、工業製品において極めて重要な要素です。
特に、自動車や機械、電子機器といった過酷な環境下で使用される部品では、ニッケルメッキが施されることで、錆や摩耗による劣化を大幅に抑えることができます。

■ 耐食性の向上

ニッケルは空気中で酸化しやすい金属ですが、その酸化膜(酸化ニッケル)は安定しており、酸素や水分の侵入を防ぐバリアとして働きます。
このため、ニッケルの薄膜でも母材金属が外部環境から保護され、錆の発生が大幅に抑制されます。
特に鉄や銅など、酸化しやすい金属に対してニッケルメッキを施すことで、表面の防食性能が飛躍的に向上します。
また、無電解ニッケルメッキでは、ニッケルとリンの合金層が形成されることが多く、リンの含有量が増えるほど耐食性が高まる傾向があります。
高リンタイプの無電解ニッケルは、塩水噴霧試験(SST)においても優れた成績を示し、海水や化学薬品が存在するような環境下でも長期的な耐久性を発揮します。
そのため、海洋機器、石油化学プラント、電子機器など、耐食性能が特に重要な分野において活用されています。

■ 耐摩耗性の向上

ニッケルは比較的硬度の高い金属であり、摩耗に強い性質を持ちます。
電解ニッケルメッキでも十分な耐摩耗性が得られますが、無電解ニッケルメッキ(特に中リン~低リンタイプ)ではさらに高い硬度が得られ、熱処理を加えることで600~1000HV(ビッカース硬度)まで硬化させることも可能です。
これは、一部の硬質クロムメッキにも匹敵するレベルであり、摺動部品や金型部品、軸受などにおいて非常に有効です。
加えて、無電解ニッケルにセラミック粒子(たとえばSiCやB4C)を分散させた「複合無電解ニッケルメッキ」では、さらに耐摩耗性が強化され、超高精度な部品や厳しい摩耗条件下でも性能を発揮します。
これらのメッキは、繰り返しの摺動や衝撃が加わる場面でも、金属表面を長期にわたり保護し続けることができます。

■ 実用効果と評価方法

実際の耐食性・耐摩耗性の評価には、塩水噴霧試験、腐食電位測定、ピンオンディスク試験、摩耗痕観察などが用いられます。
これらの試験結果に基づき、メッキ皮膜の品質が管理され、最適なメッキ種・膜厚が選定されます。
このように、ニッケルメッキは、素材の防錆・耐摩耗性を飛躍的に高め、製品の信頼性と寿命を向上させる強力な手段となっています。
コストと性能のバランスに優れることから、今後も多くの産業分野で不可欠な技術として活用されていくでしょう。

装飾性と光沢仕上げの特徴

化学反応

ニッケルメッキは、耐食性や耐摩耗性といった機能的な側面に加えて、非常に優れた装飾性を持つ表面処理としても高く評価されています。
特に「光沢ニッケルメッキ」は、金属の美しさを引き立て、高級感や清潔感を演出する仕上げとして、自動車部品、建築金物、家電製品、日用品、楽器、家具の金具など、幅広い分野で採用されています。

■ 光沢ニッケルメッキの美観効果

ニッケル自体はやや灰色がかった金属ですが、表面に細かい結晶構造を形成させることで、高い反射性と鏡面のような仕上がりを得ることができます。
特に「光沢添加剤(ブライトナー)」をメッキ液に加えることで、メッキ皮膜の結晶粒を微細化し、強い光沢と均一な外観が得られます。
この光沢は、単に見た目が美しいだけでなく、製品の高級感や精密感、さらには清潔感や先進性を演出する要素となります。
たとえば、浴室金具やキッチン製品などの水回り製品では、光沢ニッケルメッキによって清掃性の高い表面と美しい見た目が両立され、ユーザーの満足度向上にも貢献しています。

■ 下地処理としての装飾ニッケル

ニッケルメッキは、クロムメッキなどの最終装飾仕上げの「下地メッキ」としても重要な役割を担っています。
クロムメッキは耐候性や硬度に優れますが、その前処理としてニッケルを下地にすることで、表面の平滑性と密着性が向上し、結果として仕上がりの美しさと性能が格段に高まります。
この「ニッケル+クロム」の2層構造は、自動車の外装部品(ドアハンドルやグリル)、オートバイ部品、家具の装飾金具などにおいて広く採用されており、過酷な屋外環境においても長期間美しい外観を維持することができます。

■ デザイン性の多様化とニーズ対応

近年では、単なる光沢仕上げにとどまらず、半光沢(セミブライト)やマット仕上げ、さらにはブラックニッケルやサテン調など、さまざまなテクスチャを持つニッケルメッキの需要が高まっています。
これにより、製品の用途やデザインコンセプトに応じた表面処理の選択が可能となり、インダストリアルデザインの自由度も拡大しています。
また、ニッケルメッキは表面硬度が高いため、傷つきにくく、長期間にわたり美観を維持できるという利点もあります。
これにより、製品の外観劣化を防ぎ、ブランド価値の保持にもつながります。

■ 注意点と環境配慮

ただし、光沢ニッケルメッキに使用される添加剤や補助薬品には、人体や環境への影響が懸念される物質が含まれている場合もあります。
そのため、RoHSやREACHといった規制への対応を求められるケースも多く、環境配慮型の添加剤の開発や、メッキ液のリサイクル技術も進んでいます。
また、ニッケルアレルギーの問題から、肌に触れる製品には無ニッケルやニッケルフリー仕上げが求められることもあり、用途によって適切な対応が必要です。

下地メッキとしての役割

ニッケルメッキは、そのままでも優れた防錆性・装飾性・硬度を持つ仕上げとして活用されますが、実は「下地メッキ」としても非常に重要な役割を果たしています。
特に、最終的な表面処理としてクロムメッキや金メッキ、銀メッキを行う場合、ニッケルメッキはその密着性・外観品質・耐久性を大きく左右するベース層として利用されます。

■ 密着性の向上

最終メッキ層がどれだけ高機能であっても、母材との密着が不十分であれば簡単に剥離してしまい、性能も美観も損なわれます。
ニッケルメッキは、多くの金属素材に対して優れた密着性を発揮し、クロムや金などの貴金属とも相性が良いため、安定した多層メッキ構造を実現できます。
例えば、鉄や銅合金などの基材は、酸化や腐食が進みやすく、直接貴金属をメッキしても剥がれやすい傾向があります。
そこで、まずニッケルメッキを下地として施すことで、母材の影響を遮断し、表層メッキとの橋渡しを行う役割を果たすのです。

■ 表面平滑性の確保

ニッケルメッキには、素材表面の微細な凹凸を埋めて平滑化する「バリア層」としての効果もあります。
特に光沢ニッケルは、粒子が非常に細かく、平滑で美しい鏡面状の表面を形成できるため、クロムメッキなどの最終仕上げ時に、より均一で輝きのある外観を得ることが可能となります。
自動車の外装部品や水栓金具、電化製品の装飾パーツなどでは、「下地:銅 → 中間層:ニッケル → 仕上げ:クロム」といった多層構造がよく使われます。
これにより、表面の美しさと耐久性が両立され、かつコストも抑えることができます。

■ 耐食性の強化

ニッケル自体が耐食性に優れるため、下地として用いることで、表面仕上げメッキの耐久性も高まります。
たとえば、クロムメッキは薄膜であるため、微細なピンホールや欠陥から腐食が進行するリスクがありますが、その下層にニッケルメッキを挿入することで、腐食の進行を食い止める「犠牲防食」のような働きも期待できます。
特に多層ニッケルメッキ(デュプレックスニッケル)では、「高硫黄層」と「低硫黄層」を交互に重ねることで、腐食の進行を層間で止める構造が実現されており、自動車業界などで広く採用されています。

■ 加工性と経済性のバランス

下地ニッケルは、機械加工性や成形性にも優れており、メッキ後の切削・研磨・プレス加工などに対応しやすいという利点があります。
また、金や銀といった貴金属に比べてニッケルは比較的安価であり、コストを抑えつつも性能と外観の両面を補完できる材料として重宝されています。
そのため、特に装飾性と機能性の両立が求められる製品においては、「まずニッケルで下地を作り、その上に目的の機能を持つ層を重ねる」という発想が基本的なメッキ戦略として浸透しています。

主なニッケルメッキの種類

電解ニッケルメッキの特徴と用途

電極イメージ

電解ニッケルメッキは、金属表面に電気分解の原理を利用してニッケルを析出させる代表的なメッキ技術です。
電解液(メッキ浴)中で被メッキ物を陰極(マイナス極)に、ニッケルを陽極(プラス極)に接続し、直流電流を流すことで、陽極から溶け出したニッケルイオンが陰極側の被メッキ物に還元・析出して金属皮膜を形成します。
このプロセスの最大の特長は、比較的低コストかつ短時間で厚膜のニッケル層を形成できる点です。
また、電流密度の制御により、析出速度や皮膜の性状を調整することが可能であり、装飾性や防食性、さらには硬度の調整も比較的自由に行えます。
ただし、形状の複雑な部品に対しては、電流の流れやすい部分にメッキが厚く付き、陰になった箇所には十分に析出しにくい「電流分布の偏り」が課題となります。
このため、均一な膜厚を求める用途にはやや不向きです。
用途としては、自動車部品、機械部品、工具、装飾品、電子部品など非常に幅広く、特に耐食性や光沢が重視される部品に多用されます。
さらに、下地メッキとして銅メッキと併用することで密着性や外観を向上させる手法も一般的です。
工業製品の信頼性と外観品質の両立を図るうえで、電解ニッケルメッキは極めて重要なプロセスといえるでしょう。

無電解ニッケルメッキの特性と選定理由

無電解ニッケルメッキ(ENメッキとも呼ばれる)は、電気を使わずに化学反応によってニッケルを析出させるメッキ技術です。
被メッキ物を還元剤を含むメッキ液に浸すことで、化学的な還元反応によってニッケル皮膜が生成されます。
主に使用される還元剤は次亜リン酸ナトリウムであり、これによってリンを含んだニッケル-リン合金メッキが形成されます。
最大の特長は、「複雑形状の部品にも均一な膜厚でメッキができる」ことです。
電解メッキのように電流の影響を受けないため、凹凸のある形状や内壁部分、微細な部位にも均質なメッキが可能です。
また、リン含有率の調整によって硬度や耐食性を制御でき、高リンタイプは耐食性に優れ、低リンタイプははんだ付け性が良好といった特性があります。
さらに、無電解ニッケルメッキは硬度が高く、熱処理によってさらに強化できるため、耐摩耗性が要求される部品にも適用されています。
また、下地材の種類を選ばないため、鉄、アルミ、銅、プラスチックなど多様な素材へのメッキが可能です。
用途としては、電子部品や半導体製造装置部品、油圧機器、金型、光学機器などで広く使用されており、特に寸法精度が要求される部品や、複雑形状部品においては電解メッキよりも無電解メッキが選定される傾向にあります。

複合メッキ(クロムや銅との組み合わせ)の詳細

ニッケルメッキは単独でも優れた性能を発揮しますが、他の金属と組み合わせることでさらなる機能向上が図られる「複合メッキ」も多く利用されています。
代表的なものに「ニッケル-クロムメッキ」や「銅-ニッケル-クロムメッキ」、または「複合粒子入りニッケルメッキ」などがあります。
たとえば、ニッケル-クロムメッキは、まずニッケル層を電解メッキで形成した後、その上に薄いクロム層をメッキする構成で、耐食性と美観性の両立を実現します。
ニッケルが下地として密着性と耐食性を確保し、クロムが光沢・耐摩耗性・耐熱性を向上させる役割を果たします。
この組み合わせは、自動車部品(バンパー、モール)、水栓金具、家電製品など装飾性と機能性の両方が求められる製品に用いられています。
銅-ニッケル-クロムメッキは、さらに下地に銅メッキを加えることで、被膜の平滑性や密着性を高める構成です。
銅層が細かい凹凸を埋め、上に重ねるニッケルやクロムがより均一で美しい仕上がりとなるため、鏡面仕上げが必要な装飾部品に最適です。
一方で、複合粒子入りニッケルメッキ(たとえばニッケル-テフロン、ニッケル-セラミック粒子など)は、メッキ液に固体粒子を分散させ、それをニッケルとともに析出させる技術です。
テフロンを含めば自己潤滑性、セラミック粒子を含めれば耐摩耗性が付与されるため、機械的特性の大幅な向上が期待できます。
このような複合メッキは、単一金属では得られない高度な特性を発揮でき、用途や目的に応じた最適な表面処理技術として幅広い分野で活用されています。

ニッケルメッキの用途と実例

自動車部品での活用(耐摩耗性・装飾性)

ニッケルメッキは自動車業界において非常に広く採用されており、その理由は「高い耐摩耗性」と「優れた装飾性」という二つの特徴にあります。
まず、ニッケルは非常に硬く、摩耗や擦過に強い性質を持つため、エンジンやトランスミッション内部の部品、ブレーキ部品、サスペンション部品など、金属同士が接触しながら運動する箇所での寿命向上に寄与しています。
特に、無電解ニッケルメッキは均一な膜厚を得やすいため、複雑形状の部品や微細な溝のある部品にも対応可能で、精密性が要求される箇所で重宝されています。
一方で、ニッケルメッキは美しい金属光沢を持つことから、ドアハンドル、エンブレム、グリル、ホイールなど外装部品の装飾用途にも用いられています。
これらはクロムメッキと組み合わせることも多く、ニッケルが下地として使われることでクロムの光沢と密着性を高め、耐久性を向上させる役割を果たします。
さらに、腐食環境に晒されやすい部位でも、ニッケルの防食性によって長期的に美観を維持することが可能です。
また、電解ニッケルメッキはコストパフォーマンスが高いため、大量生産される部品でも使用しやすく、自動車メーカーや部品サプライヤーから高く評価されています。
環境負荷の低減やリサイクル性の観点からも、近年では無電解メッキをはじめとした省エネルギー型ニッケルメッキ技術の導入が進んでおり、今後さらに適用範囲が拡大すると考えられています。

電子部品・コネクタでの利用(導電性と防食)

電子部品やコネクタなどの分野では、ニッケルメッキは「導電性の確保」と「防食性の向上」を目的に数多く採用されています。
ニッケルは比較的高い電気伝導性を持ち、かつ酸化被膜が薄く安定しているため、電子接点部の信頼性を確保するのに適しています。
特に、金メッキの下地としてニッケルメッキが使われるケースが多く、これは金と基材(金属)との拡散反応を防止し、金メッキの性能と寿命を支える役割を果たしています。
また、コネクタや端子、プリント基板のパターン部分など、接点や通電部ではメッキの均一性と密着性が求められるため、無電解ニッケルメッキが重宝されます。
この方式では電流を用いないため、複雑形状や凹部にも均等に皮膜を形成でき、接点抵抗を一定に保ちやすくなります。
また、ハンダ付け性にも優れており、組み立て工程での信頼性を確保する上でも有効です。
さらに、電子機器は高湿度や化学薬品にさらされることも多いため、防食性が重要です。
ニッケルメッキは酸化や硫化に対して耐性があり、部品内部への腐食進行を防ぐ役割を担っています。
これにより、長期的な安定性が必要な通信機器や車載電子装置、産業機器の制御基板などでも活用されています。
現代の電子機器の高密度化・高精度化に伴い、ニッケルメッキにはより薄く、均一で、高密着性な処理が求められるようになっており、ナノレベルの膜厚制御技術や複合メッキとの組み合わせなど、技術開発が進められています。

産業機械・金型部品での実用例

産業機械や金型部品では、部品の耐摩耗性・耐食性・寸法精度保持が極めて重要です。
ニッケルメッキはこうしたニーズに応える表面処理技術として、多くの現場で活用されています。
特に、無電解ニッケルメッキは厚みが均一に仕上がるため、切削や研磨後の精密部品に対しても寸法制度を損なうことなく処理が可能です。
このため、射出成形金型やプレス金型、機械の可動部品など、厳しい精度管理が求められる部品に最適です。
また、潤滑性の付与を目的として、リンやフッ素、PTFE(テフロン)などを含有した複合無電解ニッケルメッキが用いられるケースもあります。
これにより、潤滑油を使わなくても摩耗を抑えられる「ドライ潤滑」の環境が実現でき、装置のメンテナンス性向上にも貢献しています。
さらに、ニッケルメッキは腐食環境下でも劣化しにくいため、化学プラントや食品機械、医療機器など、湿気や薬品にさらされる装置の部品保護にも利用されています。
ニッケルメッキ処理を施すことで、母材を錆や化学腐食から守り、長期間の安定稼働を可能にします。
工場の生産ラインで使われる搬送ローラーや、成形金型のキャビティ部などでは、製品との接触摩耗を抑えながら、寸法精度と清浄性を維持する必要があります。
ニッケルメッキはそのような厳しい条件下でも性能を維持できるため、産業用途において欠かせない技術としての地位を築いています。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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