鋳造の歴史や種類などご紹介♪
本日は鋳造について解説していきます!
鋳造の歴史や種類などなど解説しますので、是非ご覧ください♪
鋳造とは
鋳造は、純度の高い金属原料を熱で溶かし、型に流し入れ「冷やし固める」加工法です。
鋳造の歴史は古く紀元前4000年ごろから行われ、日本でも弥生時代の銅鐸や東大寺の大仏などに鋳造の技術が使われています。
現代では自動車のシリンダーブロックや機械部品の製造技術として、様々な業界で活用されています。
鋳造で鋳塊(インゴット)=金属素材をつくる
金属の原料から、鋳塊(ちゅうかい)と呼ばれる金属素材を作ります。
鋳塊は「インゴット」とも呼ばれ、あらゆる金属製品のもとになる金属の塊です。
鋳塊は圧延され、塑性加工・除去加工を経て、製品になります。
鋳造で鋳物=金属製品をつくる
金属の原料から、鋳物(いもの)と呼ばれる製品を鋳造します。
鋳物はそのまま製品として利用されますが、最終仕上げで加工されることもあります。
鋳物は大きな製品や複雑な形でも低いコストで量産でき、大量生産には欠かせません。
金属を叩いて強くする鍛錬工程がないため、強度はやや落ちます。
そのデメリットを補うため、様々な鋳造方法が開発されています。
鋳造の用途
鋳鉄の生産量の約60%は「自動車部品」へと加工されます。
また、低コストで大量生産に向いているため、デジカメや家電など民生品の部品加工にも多く使われています。
自動車部品での鋳造例
・エンジンのシリンダブロック
・エンジンのシリンダヘッド
・エンジンブラケット
・クランクシャフト
・カムシャフト
・ブレーキキャリパ
・アルミホイール
鋳造の種類
連続鋳造
溶けた鋼から金属になる「鋼片」をつくる技法です。
鋳型に注入した鋼を鋳型の底から引き出し、圧延して帯状の鋼片を製造します。
鋼片は形によって「棒材用のビレット」「形鋼用のブルーム」「板材用のスラブ」に分けられます。
ビレットはさらに塑性加工により、棒材・線材・形材・管材と呼ばれる半製品に加工され、自動車部品や機械部品の材料になります。
砂型鋳造
砂型鋳造は、砂を固めた「砂型」と呼ばれる鋳型を使って鋳物を作る技法です。
砂型鋳造のメリット
・鋳型が低コストで作れ、コストが削減できる
・鋳型に柔軟性があり、形の自由度が高い
砂型鋳造のデメリット
・砂型を壊して鋳物を取り出すため、大量生産に向いていない
・溶湯の凝固速度が遅いため、鋳物の強度が落ちる
砂型鋳造は用途に合わせて様々な技法があります。
機械エンジニアが現場でみかける代表的な鋳造法を、簡単にご紹介します。
●生砂型鋳造法
水と粘土を混ぜた鋳物砂で鋳型を作り、乾燥させずに溶融金属を注入する鋳造法です。
工期が短く低コストで、部品の試作や多品種少量生産に使われます。
●ロストワックス法
ワックスで作った模型を砂で固め、ワックスを溶かしだし鋳型にする鋳造法です。
古くからある伝統的な鋳造方法ですが、精度が高く複雑な形の鋳物が可能。
工程が多いためコストがかかりますが、インペラやタービンなど航空機部品の鋳造にも使われます。
インベストモールド法とも呼ばれます。
●乾燥型鋳造法
水と粘土を混ぜた鋳物砂で鋳型を作り、焼成乾燥させる鋳造法です。
生砂型鋳造法と比べ、鋳物の強度が高いのが特徴です。
●シェルモード法
加熱した金属模型に「RCS(熱硬化性樹脂)」をかけ固化させ、鋳型をつくる鋳造法です。
鋳型のガス抜けが良いため、巣のないきれいな鋳肌になります。
肉薄の金属や、精度の高い自動車エンジン部品などの精密鋳造に使われます。
●ガス硬化型鋳造法
水ガラス(ケイ酸ナトリウム)で作った鋳型を、炭酸ガスで硬化させる鋳造法です。
鋳型が強固で鋳型のバラシが難しいですが、精度の高い鋳物が得られます。
●フルモールド法
発泡スチロールで作った模型を砂に埋め込み、溶解金属を注入する鋳造法です。
溶解金属の熱で発泡スチロールを消失させることで、バリが少なく、複雑な形の鋳物が得られます。
「消失模型鋳型鋳造法」とも呼ばれ、自動車部品をはじめ様々な分野で使われます。
Vプロセス法
模型に特殊フィルムを重ね、真空状態の砂型内に鋳型をつくる鋳造法です。
ガスの発生が少なく、巣のないキレイな鋳肌になります。
鋳砂は回収して再利用できますが、成形できる形に限界があり、「減圧造形鋳造法」とも呼ばれます。
●石膏鋳造法
石膏で鋳型を作り、溶融金属を注入する鋳造法です。
鋳型の製作がしやすく、低コストで精度の高い鋳物ができます。
多品種小ロットの部品製作や、ダイカストの試作品の製作としても使われます。
金型鋳造
金型鋳造は、耐熱合金鋼で作られた「金型」を使い鋳物を作る技法です。
金型鋳造のメリット
・鋳型(金型)が繰り返し使えるため、大量生産ができる
・溶湯の凝固速度が速いため、機械的性質に優れる
・寸法精度が高く、鋳肌のきれいな鋳物ができる
金型鋳造のデメリット
・切削加工で金型を作るため、製作コストがかかる
・金型の加工に限界があるため、形の自由度が低い
金型鋳造は用途に合わせて様々な技法があります。
自動車部品や精密機器など、精度が求められる精密部品の鋳造に使われています。
●ダイカスト鋳造法
アルミや亜鉛・マグネシウムなどの溶融金属を、ダイカスト金型に高速・高圧で注入する鋳造法です。
溶融金属を高速で圧入するため、巣や充てん不足が起きやすいですが、鋳肌がきれいで肉薄の鋳物ができます。
生産性が高く、ダイカストマシンによる大量生産が可能です。
自動車部品をはじめ、民生品や建築材料など、様々な業界で使われています。
ダイカスト鋳造による鋳物は、「ダイカスト」や「ダイキャスト」と呼ばれます。
●金型重力鋳造法
重力(金属の自重)を利用して、金型に溶融金属を注入する鋳造法です。
溶湯の凝固スピードが速く、鋳物の強度に優れます。
●低圧鋳造法
圧縮空気で加圧して、金型に溶融金属を注入する鋳造法です。
低速・低圧で鋳造するため、ガスによる空洞やひけ巣が少なく、歩留まりが良いのが特徴です。
凝固スピードが遅いため、サイクルタイムは長くなります。
●高圧鋳造法
アルミなどの溶融金属を金型に低速で注入し、高圧で凝固させる鋳造法です。
低速で注入するため、巣や充てん不足が起こりにくいのが特徴です。
ダイカストと比べ、空気やガスの巻き込みが少ないため、熱処理による強度の高い鋳物が作れます。
●遠心鋳造法
回転による遠心力を活かして、中空円筒状の鋳物を作る鋳造法です。
鋳型を高速で回転させることで、中子を使わず低コストで筒状鋳物をつくることができます。
水道管や配水管などの鋳鉄管の鋳造に使われています。
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