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試作人基礎講座

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マグネシウム合金とは|軽量・高性能素材の基礎と応用

マグネシウム合金は、構造用金属として利用される中で最も軽量に近い素材であり、比重約1.7という特性から自動車、航空機、電子機器など幅広い産業分野で注目されています。
実用金属の中でも比強度や振動吸収性、電磁シールド性に優れ、軽量化と高性能の両立が求められる設計領域で採用が拡大しています。
一方で、耐食性や加工時の安全対策といった課題もあり、表面処理技術や合金設計の進化によってその実用性が高まっています。
本稿では、マグネシウム合金の基本的な定義から種類、性質、加工方法、主な用途まで体系的に解説します。

マグネシウム合金とは

マグネシウムは、周期表で見るとアルカリ土類金属に分類される元素で、実は地球上にかなり豊富に存在している金属の一つです。
海水中にも大量に含まれており、資源的には決してレアメタルではありません。
ただし、単体の金属として自然界にそのまま存在することはほぼなく、鉱石や海水から精錬して取り出されます。
工業材料として使われるようになったのは比較的近代になってからですが、現在では「最も軽い実用金属」として広く知られています。
最大の特徴は、なんといってもその軽さです。
比重は約1.74で、アルミニウム(約2.7)よりもさらに軽く、鉄の約4分の1程度しかありません。
手に取ると「本当に金属?」と感じるほど軽く、この特性がマグネシウムの価値を決定づけています。
一方で、軽い=弱いというイメージを持たれがちですが、合金化することで実用に十分な強度を確保できる点が重要なポイントです。
また、マグネシウムは切削性が良い金属としても知られています。
適切な条件で加工すれば、切りくずが軽く、工具への負担も比較的少ないため、加工効率は高い部類に入ります。
ただし、細かい切りくずが発火しやすいという性質もあり、安全管理や加工条件の最適化が欠かせません。
この「扱いやすさと注意点が表裏一体」という性格も、マグネシウムらしさと言えるでしょう。

マグネシウム合金が注目される理由

マグネシウム合金がここまで注目される最大の理由は、やはり軽量化ニーズの高まりです。
自動車、航空機、電子機器など、あらゆる分野で「軽くしたい」「燃費を良くしたい」「持ち運びやすくしたい」という要求は年々強くなっています。
その中で、アルミニウムよりもさらに軽いマグネシウム合金は、設計者にとって非常に魅力的な選択肢になります。
特に自動車業界では、燃費規制やEV化の流れを背景に、車体や部品の軽量化が大きなテーマになっています。
車両重量が軽くなれば、燃費向上だけでなく、加速性能や制動性能にも好影響を与えます。
そうした中で、ステアリング部品、シートフレーム、トランスミッションケースなどにマグネシウム合金が使われるケースが増えてきました。
さらに、マグネシウム合金は振動吸収性が高いという特性も持っています。
これは、単に軽いだけでなく、「静かで快適な製品」を作りたい分野にとって大きなメリットです。
ノートパソコンやカメラ、工具の筐体などで使われる理由もここにあります。
軽くて、剛性があり、しかも振動を抑えられる。
このバランスの良さが、マグネシウム合金の評価を押し上げています。
一方で、燃焼性や耐食性といった課題もあるため、「どこでも万能」というわけではありません。
それでも、表面処理技術や合金設計の進化によって、従来の弱点が着実に克服されつつあり、「使える場面が確実に増えている材料」として注目を集め続けています。

他の軽金属(アルミ・チタン)との立ち位置

軽量金属というと、まずアルミニウムを思い浮かべる人が多いと思います。
アルミは加工性が良く、耐食性も高く、コストも比較的安定しているため、非常にバランスの取れた材料です。
一方で、マグネシウムは「とにかく軽さを最優先したい場合」に真価を発揮します。
強度や耐食性ではアルミに一歩譲る場面があっても、重量削減という一点では明確なアドバンテージがあります。
チタンと比較すると、立ち位置の違いはさらに明確です。
チタンは軽くて非常に強く、耐食性も抜群ですが、材料コストや加工コストが高く、用途はどうしても限定されます。
その点、マグネシウム合金はチタンほどの高性能ではないものの、量産向きで軽量化効果が大きいという特徴があります。
つまり、「高級・高性能」のチタン、「万能型」のアルミ、「超軽量特化型」のマグネシウム、というイメージで整理すると分かりやすいでしょう。
また、設計の自由度という観点では、マグネシウム合金はダイカストとの相性が非常に良い点も見逃せません。
薄肉で複雑な形状を一体成形できるため、部品点数削減や組立工数削減にも貢献します。
単純に材料を置き換えるだけでなく、「設計思想そのものを変えられる材料」として評価されているのです。
このように、マグネシウム合金はアルミやチタンと競合する存在でありながら、明確に異なる強みを持つ材料です。
用途や要求性能を正しく整理すれば、非常に頼もしい選択肢になる――それが、マグネシウム合金の現在の立ち位置と言えるでしょう。


マグネシウム合金の種類と代表的な材料

Mg-Al系合金(AZ系合金)の特徴

マグネシウム合金の中で、最も広く使われているのがMg-Al系、いわゆる「AZ系合金」です。
これは、マグネシウム(Mg)をベースに、アルミニウム(Al)と亜鉛(Zn)を添加した合金で、AZ91、AZ31といった名称をよく目にします。
数字は主に添加元素の含有量を示しており、例えばAZ91であればアルミニウム約9%、亜鉛約1%という意味になります。
AZ系合金の最大の魅力は、鋳造性と機械的特性のバランスが非常に良い点です。
特にダイカストとの相性が抜群で、流動性が高く、薄肉で複雑な形状でも安定した成形が可能です。
そのため、自動車部品や電子機器筐体など、量産を前提とした製品で多く採用されています。
「マグネシウム合金といえばAZ系」と言われるほど、業界では定番の存在です。
一方で、耐熱性にはやや弱いという側面があります。
高温環境下では強度低下やクリープ変形が起こりやすく、エンジン周辺部品などにはそのままでは使いにくいケースもあります。
また、アルミ含有量が高いほど耐食性は向上しますが、靭性が低下する傾向もあり、用途に応じた材料選定が重要になります。
汎用性が高いからこそ、「どこに使うか」を見極めることがAZ系合金を使いこなすポイントです。

Mg-Zn系・Mg-Mn系合金の特性

Mg-Zn系やMg-Mn系合金は、AZ系ほどメジャーではありませんが、特定の性能を重視する用途で活躍する合金群です。
Mg-Zn系合金は、亜鉛の添加によって強度や時効硬化性を向上させたタイプが多く、比較的高い引張強さを得られる点が特徴です。
加工性も悪くなく、展伸材として使われるケースもあります。
一方、Mg-Mn系合金は、マンガンの添加によって耐食性を改善した合金です。
マンガンは不純物元素の影響を抑える役割を果たし、特に鉄などの有害元素による腐食を低減します。
そのため、海洋環境や湿度の高い場所で使用される部品に向いています。
派手さはありませんが、「長く安定して使える」という点で評価される材料です。
これらの合金は、AZ系ほど万能ではないものの、「強度を少し上げたい」「耐食性を重視したい」といったピンポイントな要求に応えられるのが強みです。
マグネシウム合金は一括りにされがちですが、実際には添加元素の違いによって性格が大きく変わります。
設計段階で要求性能を明確にすることで、こうした合金の真価が発揮されます。

耐熱・高強度系マグネシウム合金の動向

近年、特に注目されているのが耐熱性や高強度を強化したマグネシウム合金です。
従来のマグネシウム合金は、高温になると強度が低下しやすく、エンジン周りや高負荷部品への採用が難しいという課題がありました。
そこで登場したのが、希土類元素(RE)やカルシウム(Ca)などを添加した新世代マグネシウム合金です。
代表例としては、AE系、WE系といった合金があり、これらは高温環境でもクリープ特性に優れ、安定した機械的強度を維持できます。
自動車のパワートレイン部品や航空機部品など、「軽量化したいが熱もかかる」という厳しい条件下での使用が進んでいます。
材料コストはやや高くなるものの、軽量化効果とのトレードオフで採用が検討されるケースが増えています。
また、研究開発の分野では、燃焼性の低減や耐食性向上を同時に実現する合金設計も進められています。
これにより、「マグネシウムは扱いにくい」という従来のイメージが徐々に変わりつつあります。
今後は、こうした高機能マグネシウム合金が量産分野にも広がり、用途の幅をさらに拡大していくと考えられます。

マグネシウム合金の物理的・機械的特性

圧倒的な軽さと比強度の考え方

マグネシウム合金を語るうえで、まず外せないのが「圧倒的な軽さ」です。
比重は約1.7と、実用金属の中では最軽量クラスであり、この数値だけでもアルミニウムや鉄との差は明確です。
ただし、材料選定では単純な重さだけでなく、「比強度」という考え方が重要になります。
比強度とは、強度を密度で割った値で、つまり「どれだけ軽くて、どれだけ強いか」を示す指標です。
この比強度で見ると、マグネシウム合金は非常に優秀です。
絶対的な引張強さではアルミや鋼材に劣る場合が多いものの、重量あたりの強さで評価すると、十分に競争力があります。
特に、部品全体の重量を減らしたい設計では、肉厚を少し増やしてもトータルでは軽くなるケースが多く、「軽さを活かした設計」がしやすい材料と言えます。
また、軽いということは、慣性力が小さくなるということでもあります。可動部品では応答性が向上し、機械全体の動きが軽快になります。
こうした特性は、自動車部品やロボット、携帯機器など、動的性能が求められる分野で大きなメリットになります。
マグネシウム合金の価値は、単なる軽量素材ではなく、「設計自由度を広げる材料」である点にあります。

振動吸収性・剛性・減衰特性

マグネシウム合金のもう一つの大きな特徴が、振動吸収性、いわゆる「減衰特性」の高さです。
一般的に金属材料は振動を伝えやすい傾向がありますが、マグネシウム合金は内部摩擦が大きく、振動エネルギーを効率よく吸収します。
この特性は、アルミニウムや鋼材と比較すると顕著で、「静かさ」や「手に伝わる感覚」を重視する製品で重宝されます。
例えば、電動工具や精密機器の筐体にマグネシウム合金が使われる理由の一つが、この振動低減効果です。
作業時の手の疲労を軽減したり、精密部品への悪影響を抑えたりと、ユーザー体験の向上に直結します。
また、ノートパソコンやカメラなどでも、剛性を確保しながら振動や共振を抑えられる点が評価されています。
剛性については、「軽い=柔らかい」というイメージを持たれがちですが、設計次第で十分な剛性を確保できます。
特にダイカストでリブ構造や箱形断面を取り入れることで、重量を増やさずに高剛性化が可能です。
マグネシウム合金は素材単体の性能だけでなく、構造設計と組み合わせることで真価を発揮する材料だと言えるでしょう。

耐食性・燃焼性など注意すべき性質

一方で、マグネシウム合金には注意すべき特性も存在します。
その代表例が耐食性です。マグネシウムは電位が非常に低く、腐食しやすい金属として知られています。
特に水分や塩分が存在する環境では、適切な対策を取らないと腐食が進行しやすくなります。
そのため、実用では化成処理、めっき、塗装などの表面処理がほぼ必須となります。
もう一つよく話題に上がるのが燃焼性です。
マグネシウムは粉末や切りくずの状態では発火しやすく、加工現場では火災対策が重要になります。
ただし、これは主に微細な切粉や粉体の話であり、完成した製品や塊状の材料が簡単に燃えるわけではありません。
適切な切削条件、集塵、消火設備を整えれば、十分に安全に扱うことが可能です。
これらの弱点は確かに存在しますが、逆に言えば「対策が確立されている課題」でもあります。
表面処理技術や加工ノウハウの蓄積により、マグネシウム合金は以前ほど扱いにくい材料ではなくなっています。
メリットとデメリットを正しく理解し、使いどころを見極めることが、マグネシウム合金を成功させる最大のポイントです。

マグネシウム合金の加工性と製造プロセス

ダイカスト加工とマグネシウム合金の相性

マグネシウム合金が工業分野で広く使われるようになった背景には、ダイカスト加工との相性の良さがあります。
マグネシウム合金は溶融時の流動性が高く、金型の隅々まで溶湯が行き渡りやすいため、薄肉で複雑な形状でも安定した鋳造が可能です。
これにより、従来は複数部品で構成していた形状を一体化でき、部品点数削減や組立工数の低減につながります。
また、マグネシウム合金はアルミニウムに比べて凝固温度域が狭く、金型内での凝固が速いという特徴があります。
これによりサイクルタイムが短くなり、量産性が高い点もメリットです。
大量生産が前提となる自動車部品や電子機器筐体で採用されやすい理由がここにあります。
加えて、鋳造後の歪みが比較的少なく、寸法精度を出しやすい点も評価されています。
一方で、溶湯管理や酸化防止には注意が必要です。
マグネシウムは高温で酸化しやすいため、溶解時には保護ガスを使用するなどの対策が不可欠です。
こうした管理体制が整っていれば、マグネシウム合金のダイカストは「軽量・高精度・量産向き」という非常に強力な製造手法になります。

切削加工・塑性加工の特徴と難しさ

板金加工の様子

マグネシウム合金は切削加工性が良い材料として知られています。
切削抵抗が小さく、工具摩耗も比較的少ないため、高速加工が可能です。
切りくずも軽く、加工そのものは非常にスムーズに進みます。
加工効率という点では、アルミニウム以上に扱いやすいと感じる現場も少なくありません。
ただし、注意点も明確です。
切削時に発生する細かい切りくずは発火しやすく、特に乾式加工や高回転条件では火災リスクが高まります。
そのため、切削条件の最適化や、切りくずの適切な回収、消火設備の準備が重要になります。
最近では、発火リスクを抑えた加工ノウハウや専用クーラントも普及しており、安全性は以前より大きく向上しています。
塑性加工については、マグネシウム合金特有の課題があります。
室温では塑性変形しにくく、割れが発生しやすいため、温間加工や熱間加工が基本になります。
この点はアルミや鋼材とは異なる部分で、加工設備や工程設計に工夫が必要です。
しかし、温度管理を適切に行えば、押出や鍛造なども可能で、展伸材としての利用も徐々に広がっています。


表面処理(化成処理・めっき・塗装)の重要性

マグネシウム合金を実用材料として成立させるうえで、表面処理は欠かせない工程です。
前章でも触れたように、マグネシウムは耐食性に課題があるため、無処理のまま使用されることはほとんどありません。
最も一般的なのが化成処理で、表面に保護皮膜を形成し、腐食を抑制します。
化成処理は単独で使われるだけでなく、その上に塗装やめっきを施す下地処理としても重要な役割を果たします。
特に塗装は、耐食性向上だけでなく、外観品質の向上や絶縁性の付与といった目的でも行われます。
電子機器筐体では、デザイン性と機能性を両立させるため、表面処理の良し悪しが製品価値を左右することもあります。
めっきについては、前処理が非常に重要になります。
マグネシウムは反応性が高いため、通常のめっき工程をそのまま適用することはできません。
専用の下地処理や中間層を設けることで、密着性と耐久性を確保します。
こうした表面処理技術の進歩により、マグネシウム合金は「腐食しやすいから使えない材料」から、「きちんと処理すれば安心して使える材料」へと評価が変わってきています。

主な用途と実用例

自動車・輸送機器分野での活用

用途例:自動車

マグネシウム合金の代表的な用途として、まず挙げられるのが自動車を中心とした輸送機器分野です。
この分野では「とにかく軽くしたい」という要求が非常に強く、マグネシウム合金の軽量性は大きな武器になります。
車両重量を減らすことは、燃費向上だけでなく、加速性能やブレーキ性能、さらにはEVにおける航続距離の延長にも直結します。
具体的には、ステアリングホイールの芯金、インストルメントパネルの骨格部品、シートフレーム、トランスミッションケースなどにマグネシウム合金が使われています。
これらの部品はサイズが比較的大きく、置き換えた際の軽量化効果が分かりやすいのが特徴です。
アルミからマグネシウムに変更するだけで、数十%の重量削減が見込めるケースもあります。
また、ダイカストによる一体成形が可能な点も、自動車部品との相性を高めています。
複雑なリブ構造や薄肉形状を一体で作れるため、部品点数削減や組立工数削減につながり、結果としてトータルコストの最適化にも寄与します。
耐熱性や耐食性といった課題はありますが、使用環境を限定し、表面処理を適切に施すことで、実用上の問題は十分にコントロールされています。

電子機器・精密機械分野での利用

マグネシウム合金は、ノートパソコンやタブレット、カメラ、測定機器といった電子機器・精密機械分野でも広く使われています。
この分野で評価されているポイントは、軽さだけでなく、剛性と振動吸収性のバランスの良さです。
筐体を薄く、軽くしながらも、たわみや歪みを抑えられる点が大きなメリットになります。
例えば、ノートパソコンの筐体にマグネシウム合金を使用すると、持ち運びやすさが向上するだけでなく、キーボード入力時のたわみを抑え、質感の高い製品に仕上げることができます。
また、振動減衰性が高いため、HDDや精密センサーなど、振動を嫌う部品の保護にも効果的です。
「軽いのにしっかりしている」という印象をユーザーに与えやすい素材と言えるでしょう。
さらに、マグネシウム合金は電磁波シールド性にも優れています。
金属筐体としてノイズ対策がしやすく、樹脂筐体では追加部品が必要になる場面でも、設計をシンプルにできます。
このように、機能性とデザイン性の両立が求められる電子機器分野において、マグネシウム合金は非常に相性の良い材料として定着しています。

医療・スポーツ・次世代分野への応用

近年では、医療やスポーツ、さらには次世代技術分野でもマグネシウム合金の活用が進んでいます。
医療分野では、生体吸収性を持つマグネシウム合金が特に注目されています。
一定期間体内で役割を果たした後、自然に分解・吸収される特性を活かし、骨固定用のスクリューやピンなどへの応用研究が進められています。
再手術が不要になる可能性があり、患者の負担軽減につながる素材として期待されています。
スポーツ分野では、軽量化によるパフォーマンス向上が大きな魅力です。
自転車部品、ゴルフクラブ、アウトドア用品などで、軽さと剛性を両立した製品づくりにマグネシウム合金が活用されています。
特に長時間使用する器具では、重量削減が疲労低減に直結するため、競技者やユーザーからの評価も高まっています。
さらに、ドローンやロボット、次世代モビリティといった分野でも、マグネシウム合金は有力な選択肢になりつつあります。
軽量化によって可動時間や可搬重量を増やせるため、設計の自由度が大きく広がります。
こうした新しい分野での採用が進むことで、マグネシウム合金は「一部の特殊材料」から「幅広く使われる軽量金属」へと進化し続けているのです。

マグネシウム合金のメリットとデメリット

軽量化・省エネに貢献するメリット

マグネシウム合金の最大のメリットは、やはり圧倒的な軽量性です。
実用金属の中で最も軽いという特徴は、設計段階から大きなアドバンテージになります。
部品単体が軽くなるだけでなく、製品全体の重量低減につながり、その結果として省エネルギー化や性能向上を実現できます。
自動車であれば燃費改善や航続距離の延長、電子機器であれば携帯性の向上といった、分かりやすい効果が得られます。
また、軽い素材は取り扱い性の面でもメリットがあります。
組立作業やメンテナンス時の負担が減り、人手作業が多い現場では作業効率や安全性の向上にも寄与します。
特に大型部品では、数キログラムの差が現場の負担感を大きく左右します。
こうした「現場目線」でのメリットも、マグネシウム合金が評価される理由の一つです。
さらに、振動吸収性や剛性とのバランスも見逃せません。
単に軽いだけでなく、振動を抑え、しっかりした構造を作れるため、製品の品質感や快適性向上にも貢献します。
軽量化と機能性を同時に実現できる点が、マグネシウム合金の大きな強みと言えるでしょう。

腐食・コスト・安全面の課題

一方で、マグネシウム合金には明確なデメリットも存在します。
最もよく挙げられるのが耐食性の問題です。
前述の通り、マグネシウムは腐食しやすい金属であり、無処理での使用は現実的ではありません。
化成処理や塗装、めっきといった表面処理が必須となるため、その分工程が増え、コストや管理項目も増加します。
コスト面では、材料価格そのものに加えて、加工や安全対策にかかる費用も考慮する必要があります。
特に切削加工では火災対策が欠かせず、設備投資や運用ルールの整備が求められます。
この点は、アルミニウムと比べた際のハードルとして認識されやすい部分です。
安全面についても、「燃えやすい金属」というイメージが先行しがちです。
確かに粉末や切りくずは発火リスクがありますが、これは管理次第で十分にコントロール可能な問題です。
ただし、現場の理解不足や対策不足があるとリスクが顕在化するため、導入時には教育やルール作りが重要になります。
メリットだけでなく、こうした課題を正しく理解した上で使うことが前提となります。

デメリットを克服する技術的アプローチ

マグネシウム合金のデメリットは、技術の進歩によって着実に克服されつつあります。
耐食性については、化成処理技術や塗装技術の進化により、厳しい環境下でも使用できるケースが増えています。
また、合金設計の工夫によって、腐食しにくい材料も開発されています。
加工面では、発火リスクを低減する切削条件やクーラント、専用設備が普及し、安全性が大きく向上しています。
ダイカストによるニアネットシェイプ化を進めることで、切削工程自体を最小限に抑える設計も有効です。
これにより、コストとリスクの両方を下げることが可能になります。
さらに、設計段階でマグネシウム合金の特性を前提とした構造にすることで、弱点を補いながら強みを最大化できます。
「アルミの代替」として考えるのではなく、「マグネシウムだからこそできる設計」を行うことが、成功のカギになります。
こうしたアプローチが広がることで、マグネシウム合金はより身近で使いやすい材料へと進化していくでしょう。

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株式会社アスク

【この記事の著者】

株式会社アスク 営業部

小ロット・小物部品の製作を手掛け、手のひらサイズの部品製作を得意としています。国家検定1級技能士が多数在籍し、一日でも早く製品をお届けするためお見積りの回答は最短1時間!
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※こちらの記事はAIを参照して記事作成しております。
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